風男塾|卒業の日を前に 愛刃健水“青春の10年”に思うこと

風男塾が3月24日に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でワンマンライブ「風男塾LIVE 2021 ~Together.Forever…~」を開催。この公演をもって、メンバーの愛刃健水がグループを卒業する。

健水は2011年にグループに加入。そのはつらつとした笑顔で約10年にわたりグループを支え、ファンに元気を届け続けてきた。卒業ライブ開催を前に、音楽ナタリーではメンバー全員にインタビュー。最後のステージを目前に控えた健水と6人のメンバーの思い、さらには健水への餞として最新アルバム「Funfare」に収録された卒業ソング「青春」と健水の最初で最後のソロ曲「忘れ雪」に込められた思いを聞いた。

取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / 星野耕作 ヘアメイク協力 / フォンテーヌ、HAVANA

自分が卒業したら、絶対に“新しい風男塾”になる

──グループ加入から10年、健水さんはなぜこのタイミングで卒業の決断をしたのでしょうか?

愛刃健水

愛刃健水 簡単に言えば年齢的なものもあったんですけどね。10年間、ホントにいろんなことを経験させてもらって、たくさんのメンバーに出会ってこれたので、これからは風男塾を見守る側に回りたいなと思ったというのもありますし……それに、自分が卒業したら、絶対に“新しい風男塾”になるんだろうなって、楽しみに思えたんですよ。

──そうだったんですね。発表からは卒業までは、1年間という時間の猶予がありました。

健水 俺はメンバーがいろんな形で卒業していったのをこれまで見てきたし、どういう形で卒業するのがファンの皆さんにとってベストなのか、どうすればいろんなものを後輩に残しながらお別れできるのかなって考えて。結果、自分には1年くらい時間が欲しいなと思ったんです。もしかしたら長い期間だったもしれないけど、時間をかけて感謝の気持ちを伝えられたらいいなと思ってそうしました。

──メンバーの中では真咲さんが健水さんと一番長い付き合いになるかと思いますが、真咲さんは健水さんの卒業の意思を聞いたとき、どのようにそれを受け止めたんでしょう。

紅竜真咲

紅竜真咲 ちょうど今日、それを思い返していたんです。

健水 そうだったんだ。スタッフさんに伝える前に、真咲には一番に気持ちを伝えたよね。

真咲 もちろん「寂しいな」という気持ちだったけど、卒業は1年先だったから、なんだか実感が湧かなかったんです。健水くんのラスト、どういう形で見送るかというのもまだ1年先ということもあって、ただただ実感がなかった。実感がないけど、この1年間で学べるところを全部学ばないと……と思ったような感じでしたね。

──メンバーの皆さんにとって、健水さんは間違いなく偉大な先輩だと思うのですが、皆さんそれぞれにとって、健水さんとはどんな存在なのでしょう?

神那橙摩 本当に出会えてよかったなって。こんな人がいるのかというくらい、すごく大きな愛を持った方で。俺が相談すると、健水くんは1つひとつ自分のことかのように一緒になって考えてくれて、答えを一緒に見つけてくれる。それに、1つひとつの言葉がホントに心に刺さるんです。俺もこういうふうに成長していきたいって心から思える、手の届かない存在と言いますか。なんて言うんだろう……ホントはずっと一緒にいたいです。

偉舞喜雅 俺にとっても健水くんは憧れの人です。「人としてこうありたい」って、その内面に憧れる大人の人。みんなのことをいつも笑わせてくれて、みんなに必要とされていて、もちろん自分にとっても必要で。もっと一緒にいたいです。一緒にいられた時間が短いなって思うけど、これまで俺はずっと健水くんと同じ時間を過ごしてこれたので。健水くんから学んだことや教えてもらったことをみんなに共有したり、ファンの皆さんに伝えていきたいと思います。

葉崎アラン 健水くんはいい人の見本というか。教科書に載っていそうなくらい、いい人。こんなにいい人いるんだなっていうくらい、いい人で……。

真咲 めちゃくちゃ「いい人」って言う(笑)。

アラン 「短所あるんですか?」と思っちゃうくらい、全部がすごいなと思える先輩なんです。俺たち新メンバーは3カ月しか一緒にいられなかったので、あともう5年くらいは一緒にいたかったなっていうのが本音です。

健水 あと5年かあ!(笑)

柚希関汰 みんなが言っているように、健水くんはホントに、こんなにも愛がある人いるのかな?っていうくらい優しくて。騙されたりしないかなって心配する部分もあるんですけど……短い期間だけど同じグループのメンバーになって、健水くんの後輩になれたことが本当に幸せで。それを今は噛み締めている感じです。

英城凛空 健水くんは人の気持ちに寄り添ってくださる方で、欲しいときに欲しい言葉をくれる。3カ月という短い期間だったけど、すごく助けられました。こんなに「付いて行きたい!」と思える先輩に出会えたのは本当にうれしいことだなって思いますし、ホントにすごく尊敬しています。

隣にいてくれる人

──真咲さんはいかがですか?

真咲 そうですね。いろんな先輩がいましたけど、健水くんほど出会ってから今までで関係性が変わったメンバーはいなかったなって、最近すごく思うんですよ。

健水 ほおー。

真咲 出会ったときは、遥か彼方の先輩とちんちくりんな俺っていう感じで。当時はめちゃくちゃ怖い印象だったんです。

健水 最近よくそうやって言うんですよ。ずっと言いたかったんやろうなって思います(笑)。

風男塾

真咲 面と向かって言えるようになったけど、怖かった(笑)。それが徐々に、一緒にふざけ合う仲になっていき、お芝居では片思いの相手やバチバチのライバルという役柄になったりもして。そして今は健水くん、同じ目線で隣にいてくれるんです。たったの4年間でこんなに関係性が変わるものなんだ!って思うし、それについ最近、うれしいことがあって。

健水 え、何何?

真咲 先日ツアーで名古屋と大阪に行ったんですけど、そのときに健水くんが「ここのMC、何しゃべろっか?」って相談してくれたんです。俺、それがすごくうれしくて。

健水 あはは、そうだったね。

真咲 俺はいつも、健水くんが(瀬斗)光黄くんとMCの相談をしていた姿をずっと見ていたから。遠くから見ていたのに、今は自分に相談してくれていることがすごくうれしかったんですよね。

健水 そっかそっか。

真咲 だから健水くんがどんな人かと言ったら……前は遥か彼方の先輩で怖かったけど、今は隣にいさせてくれる人という感じです。

健水 俺自身も、真咲との関係性の変化は感じています。というか、みんなを引っ張っていくような立場になってからも、自分の中でスタンスがいろいろと変化していた実感があるんです。真咲が加入した頃は初期メンバーが全員卒業した直後ということもあって、先輩の光黄くんと「これから先、風男塾をどう導いていこう?」みたいなことを真剣に悩んでいたから、怖く見える部分も確かにあったかもしれない(笑)。だから本当に、いろいろ勉強させてもらいましたね。自分には厳しくするやり方は合わない、みんなに寄り添わないと無理やと思って、そこから変わっていったんだと思います。後輩メンバーともっと距離を縮めたいなって思うようになったし、頼るようにもなったし。それに大前提として、自分はふざけるのが大好きなので、一緒にはっちゃけられる人がいないと。その相方が真咲だったんだと思います。楽しかったですね。