フレンズ|東京ドーム目指す“神泉系”バンド、誕生の経緯と叶えたい夢

2015年6月結成の“神泉系”バンド・フレンズが4月5日に初の全国流通盤「ベビー誕生!」をリリースした。

フレンズはおかもとえみ(Vo / 科楽特奏隊)、ひろせひろせ(Vo, Key / nicoten)、長島涼平(B / FINAL FRASH、the telephones)、三浦太郎​(G / ex. HOLIDAYS OF SEVENTEEN)、SEKIGUCHI LOUIE(Dr / ex. The Mirraz)からなる5人組。それぞれキャリアを持つ面々が集まり結成されたフレンズは耳なじみのいいJ-POPサウンドと人懐っこいキャラクターで人気を集め、ライブ会場と通販限定でリリースした1stミニアルバム「ショー・チューン」を3000枚以上売り上げている。音楽ナタリーではそんなフレンズにインタビューを実施。この5人がフレンズとして活動するまでの経緯や描いているビジョン、アルバム「ベビー誕生!」について話を聞いた。

取材・文 / 清本千尋 撮影 / 小原泰広

フレンズ誕生の経緯

──音楽ナタリーでインタビューをするのは今回が初めてなので、まずは結成の経緯を聞かせてください。

フレンズ

ひろせひろせ(Vo, Key) 僕とえみそんが同い年のベーシストで、意気投合したのがバンド結成のきっかけですね。えみそんとちゃんと話したのは上野だったね。

おかもとえみ(Vo) 友達に「動物に詳しい人連れて行くから動物園行かない?」って誘われて、その“動物に詳しい人”として来たのがひろせだったんです。nicotenのメンバーとして存在は知っていたけど、ちゃんと話したのはそのときが初めて。

ひろせ 僕は動物園に行くのが好きで、動物園の効率のいい回り方とかを熟知しているんです。だからナビゲーション役として呼ばれました。もちろん動物園に行く前からえみそんのことは知っていたし、THEラブ人間の存在も知っていて。涼平さんとは、ベーシストが集まる“ベース飲み会”で知り合いました。

長島涼平(B) 最初はひろせのこと、クソ生意気な奴だなと思っていたんですけど、だんだん仲良くなっていって。ひろせと飲んでいるときに、「ベッドサイドミュージック」(フレンズにとって初の音源)のデモを聴かせてもらったんですよ。めちゃくちゃいい曲で、こんなにいい歌を歌える人がいて、いい曲を書ける人がいるのに趣味で終わらせちゃうのはもったいないなと思ったので、ひろせに「これバンドでやってみたら?」って提案して。そしたらひろせが「涼平さんベース弾いてくれませんか?」って言ってくれたので、そのときはthe telephonesの活動休止とかもまったく決まってなかったけど、これも何かの縁かなと思って引き受けました。

ひろせ そういう話でまとまったものの、何も具体的な動きがなかったんですね。まずドラマーもいないし、バンドとして成り立ってなかったので。で、涼平さんがLOUIEさんを連れてきてくれたんです。

長島涼平(B)

長島 ひろせとえみそんが誰か連れてきたならそれでよかったけど、僕が連れてきていいのなら気の知れた人がいいなと思ってLOUIEを誘いました。

SEKIGUCHI LOUIE(Dr) 涼平くんからフレンズに誘われたとき、僕はバンドをやってなかったんです。普通に働いていて、「またバンドをやりたいな」と思っていたタイミングだったので、とりあえず3人と一緒にリハに入らせてもらって。

ひろせ 最初は遊び感覚でスタジオで合わせていた気がします。でもこれを遊びで終わらせるのは惜しいよねっていう話になって、2015年の6月8日に自分の誕生日イベントを企画して出し物の1つとしてフレンズをお披露目しました。

──お披露目ライブのときにはまだ太郎さんは加入していないんですよね。

ひろせ 太郎さんが加入……というか、前のギタリストtakeとバトンタッチしたのは2016年の1、2月頃ですね。2月28日のライブに向けてスタジオに入るときに参加してもらって。

三浦太郎(G) ひろせのやってるnicotenとは対バンしたことがあったけど、ちゃんと話したことはなかったです。えみそんもひろせと同じ感じで。LOUIEとは1回一緒にバンドをやったことがあります。

SEKIGUCHI 僕がThe Mirrazを辞めた直後にThe Cigavettesの(山本)幹宗くんが企画バンドをやるからって僕を誘ってくれて、そのときのギターが太郎くんで。

三浦 涼平にはHOLIDAYS OF SEVENTEENをやっていたときにライブをサポートしてもらったこともあるし、レコーディングに参加してもらったこともあって。それより前の話でいうと、福岡で活動していた頃にthe telephonesを企画にも誘ったこともあったよね。

長島 the telephones初の福岡ライブはHOLIDAYS OF SEVENTEENの企画だったからね。そう考えると付き合い長いね。

それぞれのスイッチが入った瞬間

──まずひろせさんの誕生日の企画でライブをして、そのあとデモCD「ベッドサイドミュージック」を会場で売りながらライブ出演を重ねていきますが、本腰を入れてフレンズをやっていこうと思ったのは皆さんいつ頃なんですか?

ひろせ それ、けっこうみんなバラバラなんですよね。太郎さんはいつ?

三浦太郎(G)

三浦 僕は去年の5月にTHREEでフレンズとして初めてワンマンをやったときですね。2015年に自分のバンドが解散して、2016年は「あと1年、東京で音楽活動をやって続けられそうだったらそのまま東京に残ろう」と決めていた年だったんです。ソロやサポートをやっている中、フレンズに誘ってもらって、全部がんばろうと思っていたんですけど、初ワンマンのチケットがソールドアウトしたことをきっかけにフレンズ1本にシフトチェンジしていきました。

長島 僕もスイッチが入ったのはTHREEのワンマンでしたね。メンバー全員、初めてのワンマンのチケットが売り切れるなんて思ってなかったんですよ。どこにも属さずゼロからやってきたバンドなので。それが売り切れたときに変な責任感が生まれて、「ウェーイ!」っていうノリでやっちゃダメなのかもって思ったというか。

SEKIGUCHI 同じく僕もTHREEのワンマンをやって、趣味としてやるバンドじゃないなと思いましたね。でもそのライブの翌日が就職が決まった会社の出社初日だったんです。それから3カ月働いたんですけど、やっぱりフレンズのみんなと一緒にやっていて、音楽やりたいという気持ちのほうがだんだん大きくなっていって、試用期間の3カ月を終え、退職しました(笑)。

ひろせ ワンクールじゃん(笑)。

おかもと 私はワンマンのあとに出演したフェス「VIVA LA ROCK」のときです。フレンズ結成前私はソロでいろいろやってたし、バンド1本でやろうという気持ちはそこまでなかったんです。「VIVA LA ROCK」の楽屋でスタッフさんのお子さんがフレンズを大好きだっていう話を聞いて、「あ、フレンズってちびっこにも届いてるんだ」ってそのときに知ったんですね。私は子供の頃ポケットビスケッツとかSPEEDが大好きな子供だったので、その子にとってのポケビやSPEEDになれるかもと思ったときに本気でがんばろうと思いました。

ひろせ 僕はもう1つやっているバンドのnicotenのメンバーに「フレンズという新しいバンドをやろうと思ってる」っていう話をしたら、「お前がやりたいんだったら応援するから中途半端なことするなよ」って背中を押されたときですね。もう1段階ギアが入ったのはフレンズが始動するっていうニュースがいろんなサイトに掲載されたとき(参照:長島涼平、おかもとえみ所属の新バンドフレンズ初ワンマン決定)。僕の名前のうしろにnicotenって付いているのを見て、フレンズの活動がnicotenにとってもプラスになるように僕はフレンズを成功させなきゃいけないと思ったんです。それに“the telephonesの涼平さんの新バンド”っていう切り口のニュースだったので、涼平さん以外のthe telephonesのメンバーの人たちのイメージも背負った気持ちになったし。

フレンズ「ベビー誕生!」
2017年4月5日発売 / ピマラヤレコーズ
フレンズ「ベビー誕生!」

[CD]
2500円 / QYCL-10008

Amazon.co.jp

収録曲
  1. ビビビ
  2. シンデレラガール
  3. Wake Up BABY
  4. DON'T STOP
  5. 夜明けのメモリー
  6. Thema
  7. 塩と砂糖
  8. 元気 D.C.T~プロローグ~
  9. そんなかんじ
フレンズ「~ベビー誕生!リリース記念~フレンド申請ツアー2017」
  • 2017年5月12日(金)埼玉県 Livehouse KYARA
    出演者フレンズ / lovefilm
  • 2017年5月14日(日)北海道 COLONY
    出演者フレンズ / FOLKS
  • 2017年5月20日(土)宮城県 enn 3rd
    出演者フレンズ / アカシック
  • 2017年5月24日(水)長野県 LIVE HOUSE J
    出演者フレンズ / NECOKICKS
  • 2017年5月27日(土)福岡県 graf
    出演者フレンズ / 南波志帆
  • 2017年6月10日(土)広島県 HIROSHIMA 4.14
    出演者フレンズ / Awesome City Club
  • 2017年6月11日(日)香川県 高松TOONICE
    出演者フレンズ / Awesome City Club
  • 2017年6月17日(土)大阪府 LIVE HOUSE Pangea
    出演者フレンズ / 関取花
  • 2017年6月18日(日)愛知県 APOLLO BASE
    出演者フレンズ / THE BOY MEETS GIRLS
  • 2017年6月23日(金)東京都 東京キネマ倶楽部
    出演者フレンズ / Czecho No Republic
フレンズワンマンツアー「シチュエーション・コメディ season2」
  • 2017年9月15日(金)宮城県 enn 2nd
  • 2017年9月17日(日)北海道 Sound Lab mole
  • 2017年9月21日(木)愛知県 APOLLO BASE
  • 2017年9月22日(金)大阪府 umeda TRAD
  • 2017年9月24日(日)福岡県 graf
  • 2017年9月29日(金)東京都 LIQUIDROOM
フレンズ
フレンズ
2015年6月におかもとえみ(Vo / 科楽特奏隊)、ひろせひろせ(Vo, Key / nicoten)、長島涼平(B / FINAL FRASH、the telephones)、三浦太郎​(G / ex. HOLIDAYS OF SEVENTEEN)、SEKIGUCHI LOUIE(Dr / ex. The Mirraz)の5人で結成された“神泉系”バンド。2016年5月に東京・THREEにて初のワンマンライブ「シチュエーションコメディ vol.1」を開催した。会場および通販限定で発表した1stミニアルバム「ショー・チューン」が好評を博し、各地のイベントやフェスに多数出演。2017年4月に初の全国流通盤となる1stアルバム「ベビー誕生!」をリリースし、5月からは対バンツアー「~ベビー誕生!リリース記念~フレンド申請ツアー2017」で全国10カ所を回る。さらに9月には6都市を回る全国ワンマンツアー「シチュエーション・コメディ season2」を予定している。