Fragrant Driveが3月27日に1stシングル「胸の奥のVermillion」をリリースした。昨年12月、日本コロムビアのアイドルレーベル・Label The Garden(以下LTG)に所属するseeDreamとClef Leafが統合する形で結成されたフラドラ。彼女たちのメジャーデビュー曲となる「胸の奥のVermillion」は、kiyo(Janne Da Arc)が手がけた疾走感あふれるストレートな楽曲で、6人の胸に秘められた覚悟や熱い思いが表現されている。音楽ナタリーではメンバー全員にインタビューを実施し、フラドラとして活動をスタートさせたときの心境や、シングルの収録曲について話を聞いた。
取材・文 / 近藤隼人 撮影 / 藤田二朗(photopicnic)
もどかしさと悔しさでいっぱいだった
──Fragrant Driveは、昨年12月にseeDreamとClef Leafの2組が統合する形で結成されました。それまで所属していたグループの活動が終わり、新グループで再スタートすることについて、当時どのように感じていましたか?
片桐みほ 私がもともと所属していたseeDreamは、LTGの中で研修生グループのような立場だったんです。Clef LeafのメンバーはClef Leafとしてやっていきたい気持ちがあっただろうし、私もまったく新しいグループでデビューできるのかなと思っていたので、統合のお話を聞いたときはちょっと複雑でした。でも私はseeDreamに在籍していた期間が一番長くて、ずっとほかのアイドルと同じ土俵に立てていないような気がしていたので、フラドラとしてデビューできるのはうれしかったです。
──Clef LeafやShine Fine MovementといったLTGのグループがメジャーデビューするのを見ていて、悔しい気持ちやもどかしい気持ちはありました?
片桐 ありました。元Clef Leafのかなな(板橋加奈)と(伊原)佳奈美は同期で、Shineにも同期がいるんですけど、「LTGに入った時期は同じなのに、私はいつまで経ってもデビューできないのかな」と思ってしまうことがあって。もどかしさでいっぱいで、悔しかったです。その分、今回メジャーデビューできることの重みを一番よくわかっていると思うので、その気持ちをこれからも忘れないように走り抜けていきたいです。
──加藤さんも同じような気持ちでしたか?
加藤真凛 私はClef Leafさんのミュージックビデオを観てLTGに入りたいと思ったんですよ。なので、一緒に活動できることがとにかくうれしかったし、毎日楽しくて幸せなんです。かななと佳奈美は活動の経験が長いから、学ぶことが多いです。
──悔しさではなく、憧れの眼差しでClef Leafを見ていたんですね。
板橋加奈 同じLTGのメンバーなのに、お金を払ってチェキを撮りに来てくれてたんですよ!
加藤 昔からアイドルオタクだったんですけど、アイドルになってからもお金を払ってチェキを撮りたいんです。職権乱用はせず。
──アイドルオタクの鑑ですね(笑)。西岡さんは、昨年6月にseeDreamに加入したばかりでしたよね。
西岡玲菜 私は芸能の養成所に通っていたときに声をかけていただいてLTGに入ったんですが、もともとはアイドルじゃなく、1人で歌手をやりたいと思っていたんです。でも、今にしかできないことがあるんじゃないかと思ってseeDreamのメンバーになり、だんだんとグループになじめてダンスができるようになって、応援してくれる人も出てきた中でフラドラのお話をいただいて。こんなまだまだ中途半端な人間がデビューしちゃダメなんじゃないかと戸惑ったんですけど、プロデューサーさんと話し合って、同期のゆずちゃんとも相談して、がんばっていこうと決断しました。今はファンの方から「成長したね」とか「応援したくなるよ」と言われることがとてもうれしくて、辞めなくてよかったなと思っています。「私はここにいていいんだ」と存在価値を感じるようになりました。
──実際にグループで活動してみて、何か発見はありましたか?
西岡 1人じゃ味わえない団結力があるというか、意見交換をできたり、考えてることをぶつけ合えたりできるのがいい経験になっています。
気持ちを切り替えて初心に帰った
──葉山さんも西岡さんと同じタイミングでLTGに入ったんですよね。
葉山ゆず はい。seeDreamにいた期間は短かったですが、遠征にも行っていろんなステージに立たせていただいて、やっと慣れてきたなと思っていた時期にClef Leafさんと合体するというお話を聞いて。私もこんなに早くデビューしちゃっていいのかなという思いがあったし、その分今まで以上にがんばらなきゃという焦りがありました。Clef Leafのメンバーともそれまで話したことがなくて不安だったんですけど、今はみんなが話しかけてくれて楽しいです。
片桐 ははははは!(笑)
葉山 私、普段はしゃべらないんですよ。
──人見知りなんですね。伊原さんと板橋さんは、Clef Leafの活動が終了してしまうことについて正直どう思っていました?
伊原佳奈美 Clef Leafの名前がなくなってしまうことがすごく悲しくて、悔しかったです。でも当時Clef Leafはメンバーが3人だけになっていて、その人数で活動を続けるのもパフォーマンス面で限界があるだろうなと感じていました。ステージの見栄えが寂しいし、1人ひとりの歌割りの負担が大きいし、それにグループ内に新しい風が吹いてなかったんです。フラドラとして活動を始めたことで、気持ちが新しくなった気がします。
板橋 私は最初にプロデューサーさんからお話を聞いたとき、素直に「はい、わかりました」と言える心境ではなかったです。活動を始めて約2年が経って、多くの方にClef Leafの名前も覚えてもらってきたところだったので最初は受け入れられなくて。でも時間をいただいて考えた結果、人数が増えたほうがたくさんのバリエーションのパフォーマンスを披露できるし、歌もパワーアップするし、グループ内でいろんな意見が出て充実した活動ができるんじゃないかなと思うようになりました。ぽんちゃん(葉山)とれなぴ(西岡)とはあまり話したことがなくて不安もあったんですけど、気持ちを切り替えて初心に帰ったほうが新しいことができるかもと考えるようになってからは、やる気に満ちあふれて今は充実“C”た活動をできています!(手でCの形を作りながら)
片桐 ここでぶっこむかあ(笑)。
──手の動きと共に会話の中にアルファベットを差し込むのは、Clef Leaf時代から変わらずなんですね(笑)。
板橋 キャラとかではなく、趣味なのでやり続けます!
片桐 メンバーからの当たりはけっこう強いんですけどね(笑)。
伊原 日常でもやってくるんだもん。楽屋の中とか。
──徹底してますね。
板橋 徹底というか、キャラじゃないんで!(笑) ぽんちゃんにはたまに距離を置かれます。
葉山 最初キャラだと思ってたので、びっくりしたんですよ。
板橋 最近は詰め寄るようにやってます(笑)。
次のページ »
メラメラと燃えています
- Fragrant Drive「胸の奥のVermillion」
- 2019年3月27日発売 / Label The Garden
-
Type-A [CD]
1200円 / COCA-17575 -
Type-B [CD]
1200円 / COCA-17576
- Type-A収録曲
-
- 胸の奥のVermillion
- Magnet
- パピナ
- 胸の奥のVermillion(Instrumental)
- Magnet(Instrumental)
- パピナ(Instrumental)
- Type-B収録曲
-
- 胸の奥のVermillion
- Magnet
- Melt
- 胸の奥のVermillion(Instrumental)
- Magnet(Instrumental)
- Melt(Instrumental)
- Fragrant Drive(フラグラントドライブ)
- 2018年12月、日本コロムビアのレーベル・Label The Gardenに所属するseeDreamとClef Leafが統合する形で結成されたアイドルグループ。西岡玲菜、伊原佳奈美、葉山ゆず、板橋加奈、加藤真凛、片桐みほの6人からなる。2019年3月にメジャーデビューシングル「胸の奥のVermillion」をリリースし、4月に東京・TSUTAYA O-Crestで1stワンマンライブを開催する。