実は神経質じゃないんです

──今おっしゃった“メロディアスな曲”っていうのは基準の1つだったりするんですか？

カワイ　そうですね。オリジナル曲にしてもカバーにしても、“メロディが立ってるもの”は作曲する2人（岸本、カワイ）は意識してると思います。

岸本　そうやね。ダブステップを取り入れたりとか、やろうとしてることがアバンギャルドだからこそ、ポピュラリティを保つためにメロディを重視してるっていうのもありますね。メロディはバンドのアイデンティティなのかなと思うし。

──ほかのメンバーはfox capture planのアイデンティティってなんだと思います？

カワイ　音楽のことじゃないんですけど……曲だけ聴いてると中の人たちは神経質そうに見えるかもしれないけど、実は神経質じゃないんです。それを知ってほしいですね（笑）。なんか話しかけづらいみたいなんですよ、音楽みたいにピリッとしてるのかな、みたいな。

岸本　ジャズとかインスト自体が格式高いって思われがちなのかもしれないですけど、実は神経質じゃなさすぎるぐらいの人たちなんです。

カワイ　めちゃめちゃゆるゆるなのに。そういう先入観あんま持ってほしくない（笑）。

岸本　ヴィレヴァン限定の特典DVDにはメイキング映像が入ってて、そういうゆるい一面が出てます（笑）。

カワイ　レコーディングが終わって「弁当何にする？」ってチラシ見て話してるところとか（笑）。

井上　その空気感だからレコーディングしやすいんすけどね。リラックスしてるからこそ生まれる音だと思います。

「なんだこいつら」って思われるのがいいかな

──このバンドにおける今後の目標を聞かせてください。

カワイ　フェス系はいろいろ出たいし、海外ツアーとかも行きたいですね。ヨーロッパとか回ってみたいな。

──行ってみたい国は？

カワイ　以前ラジオに出たとき、パーソナリティの方から「ドイツとか合いそうだよ」って言われて。僕らを面白がって聴いてくれる、寛容な国に行ってこようかなって感じですね（笑）。

──フェスも具体的な名前を言っておいたら運営サイドに届くかもしれませんよ（笑）。

カワイ　マジっすか。フジロックとサマソニで（笑）。

岸本　ライジングサンも朝霧も……。

──大きなフェスもそうですし、J-POPファンが集まるようなアウェーな場所で3人がかましてくれたら面白いでしょうね。

カワイ　いい意味で「なんだこいつら」って思われるのがいいかなあと。

──来年出るという次回作のことも、言える範囲で教えていただけますか？

岸本　すごいコンセプチュアルになるかもしれないですね。「BRIDGE」が今の勢いそのままをパッケージングしたのに対して、次はわりとストーリー性があるアルバムになるんじゃないかなと思っています。カワイくん作曲の曲が多いので、ドラマチックな曲展開かもしれません。

カワイ　変拍子を感じさせないけど、ちゃんとメロはあって「これ実は変拍子なんだ」っていう感じの曲が多いなあ。

井上　あといつかは、フィーチャリングとかもあるかもしれないですよね。

岸本　具体的に決まってるわけではないけど、今後そういうのも視野に入れてやっていこうと思います。まあどんどん貪欲に新しい音楽を取り込んでいって、自分たちなりに昇華して、新たに知ってくれる人を増やしていきたいです。