ナタリー PowerPush - fox capture plan
ピアノトリオの“現代版ジャズロック”がリスナーを射止める理由
fox capture planは、岸本亮(Key / JABBERLOOP)、カワイヒデヒロ(B / Immigrant's Bossa Band)、井上司(Dr / nhhmbase)というそれぞれ異なるバンドで活動していた3人が集まり2011年に結成されたピアノトリオバンド。彼らの奏でる新感覚の“現代版ジャズロック”サウンドは口コミで話題を呼び、今年5月にリリースした1stフルアルバム「trinity」は今もロングヒットを続けている。
そんな中、約半年のインターバルで早くも2ndアルバム「BRIDGE」が届いた。予想以上の反響に驚きつつも、常に次の一手を考えているという彼ら。ナタリーでは3人に初のインタビューを行い、結成から今後の展望まで幅広く話を聞いた。
取材・文 / 鳴田麻未 撮影 / 高田梓
岸本亮の自己&他己紹介
──fox capture planはそれぞれ別のバンドでのキャリアがある3人から成り立っているので、先にお1人ずつ軽く自己紹介をしてもらえますか? 楽器を始めたきっかけなんかから。
岸本亮(Key) 僕がピアノを始めたきっかけは……母親がピアノの先生だったから気が付いたらやってましたね。影響を受けたプレイヤーは、日本だと坂本龍一さん、吉澤はじめさん。海外だといっぱいいるんですけど、ハービー・ハンコックとか、チック・コリアとか。けっこうマルチにジャズからフュージョン、ソウル、ファンクまでこなすキーボードプレイヤーを目指してます。JABBERLOOPというバンドではMELTENという名前で活動しております。1月1日に5枚目のアルバム「魂」がリリースされます。よろしくお願いいたします(笑)。
──他己紹介も交えると、ほかのメンバーから見て岸本さんはどういう人でしょうか。
カワイヒデヒロ(B) 簡単に言うと、ちょっと人見知りがあるよね。
井上司(Dr) ああ、確かに。
岸本 そう?
カワイ 最初出会ったときは全然話してくれなくて。その当時、真っ金髪で色白だから「なんだろう、この色素の薄い人……日本人なのかな? MELTENとか言ってるし……」って感じだった(笑)。
岸本 まだfox capture planをやろうって話すずっと前、JABBERLOOPとIBBが絡み始めた頃やね。確かに今とあのときじゃ、ちょっと性格が違うところがあるかもしれんな。
カワイヒデヒロの自己&他己紹介
──カワイさんのここまでの経歴は?
カワイ 音楽始めたのが大学入ってからなんです。それまでは「ト音記号ってなんだろう?」ぐらいの素人だったのに、大学でオーケストラに入って、いきなりコントラバス始めて、まあ無謀な限りを尽くしました。で、途中からジャズを始めようと思って2、3年習って、大学4年生のときにはもうお店で演奏するようになってましたね。
──すごいですねえ。
カワイ それで大学出た年にネットでメン募の板を見てたら、Immigrant's Bossa Bandの募集があって、書き込みの内容がちょっと面白かったんですよね。ふーんと思って応募してみて、オーディションを受けたのが2005年の5月。そのオーディションに受かって入ってからはずっとIBB1本でバンド活動をやってました。IBBに入るまではバンドもやったことなかったですし。
岸本 叔父さんの話は?
カワイ あ、叔父さんが川井憲次っていう作曲家で、その影響もあって音楽家生活いいな、面白そうだな、みたいな(笑)。
一同 あはは(笑)。
カワイ なので作曲家にもなりたいし、プレイヤーとしても何かやりたいなとは思ってた気がします。
岸本 カワイくんは、同世代のミュージシャン仲間から信頼が厚いと思いますよ。誰かがやらないといけないことを率先して「じゃあ俺やるよ」って言ってくれたり、曲も展開で魅せるような面白い作品を書いてくれるので。
井上司の自己&他己紹介
──では井上さん、お願いします。
井上 俺はドラムを始めたのが17歳ぐらいのときで。
──部活ですか?
井上 いや、単にバンドがやりたくて。山形出身なんですけど、周りにバンドをやれる人も環境も全然なくて、仙台に出て行ったんです。その当時はブラストビートとかグラインドコアの激しいドラムをずっとやってたんですけど、そこで音楽の人脈をいろいろ作っていって、東京出てきて岸本さんと出会ったんですよね。
岸本 司くんがdirection of the chordというバンドのメンバーだったんですけど(※9月に脱退)、別のメンバーと僕が知り合いになって、それがきっかけでdirectionのライブを観に行って。
井上 あと、direction of the chordをやりながらnhhmbaseに入って。
──direction of the chord、nhhmbase、fox capture planという3つのバンドではプレイスタイルも異なりますが大変ではないですか?
井上 nhhmbaseはそれまでやってきたdirectionと全然違うプレイスタイルなんで、最初は訳わからなかったですけど、年数を重ねて段々と理解していくようになりましたね。それはまたfoxのドラミングとは全然違くて、foxはdirectionでのドラミングに近いかな。
岸本 そうですね。でも叩く内容は違くても、音は一緒やと思うんですよね。
カワイ どこのドラムを叩いても全部司くんの音になる。
岸本 そう。普通の人がボーカルに対して「あ、この人の声やな」ってわかるみたいに、バンドは違うけどドラムは司くんだとわかります。
井上 そう言われるから、自分はあんまりドラムに詳しくないんですよね(笑)。何叩いても自分の音出せばいいやっていうところが昔からあって。最近やっと「機材もう少し勉強したほうがいいな」って思ってるんですけど(笑)。
収録曲
- Attack on fox
- RISING
- Bridge #1
- Far out
- 閉ざされた青い空間
- Bridge #2
- Pictures
- 3rd Down(Alternate Take)
- Bridge #3
- Teardrop(Massive Attack)
「BRIDGE」リリース記念ライブ&サイン会
2013年12月26日(木)19:00~ タワーレコード渋谷店B1F CUTUP STUDIO
参加方法はこちら
「BRIDGE」レコ発ワンマンライブ
2014年3月26日(水)東京都 代官山UNIT
※詳細後日発表
LIVE INFORMATION
TRIO RIOT
2013年12月16日(月)神奈川県 powers2元住吉
詳細はこちら
カルメラ presents 東京ギンギンBATTLE
2013年12月20日(金)東京都 新代田FEVER
詳細はこちら
TRI4TH×fox capture plan tour
2014年1月17日(金)大阪府 CONPASS
2014年1月18日(土)愛知県 CLUB SARU
bohemianvoodoo & fox capture plan presents "color & monochrome"
2014年2月23日(日)東京都 a-bridge
fox capture plan(ふぉっくすきゃぷちゃーぷらん)
岸本亮(Key / JABBERLOOP)、カワイヒデヒロ(B / Immigrant's Bossa Band)、井上司(Dr / nhhmbase)というトリオ編成によるバンド。それぞれ違った個性を持つバンドで活動する3人が集まり2011年に結成。“現代版ジャズロック”をコンセプトとした情熱的かつクールで新感覚なサウンドは、数回のライブのみからじわじわと評判を集め、2012年8月にタワーレコード新宿店のみで発売したCDR「Sampleboard」がまったくのノープロモーションにも関わらずフロアデイリーチャート1位の売り上げを記録。同年10月にタワーレコード限定でミニアルバム「FLEXIBLE」、2013年5月には初のフルアルバム「trinity」をリリース。ロングヒットを記録する中、2013年12月に2ndアルバム「BRIDGE」を発表した。