FOMARE×KEYTALK|お互いの持ち味が混ざり合った青春ソング

ファンの表情を見ているだけでもうれしい

──コロナ禍で有観客ライブが思うようにできない状況に対してはどう思っていますか?

カマタ この間Zepp Tokyoでひさしぶりに有観客でライブをやって、「やっぱこれっきゃねえな!」というのは思いましたね(参照:変わらないまま変わり続けるFOMARE、キャリア初のZepp Tokyoワンマンで新曲多数披露)。いつものライブとは違って、フロアに椅子はあるし、キャパも制限してるけど、そんなの気にならないくらいでした。制限した中でもいいから有観客でやりたい。

アマダ 8カ月ぶりだったしね。

首藤 僕も観に行って、本当にグッときました。

アマダ 前日に急に連絡くれて。ありがとうございました。ライブ終わったあとは飲みましたね。

首藤 なんやかんやでね。ライブを観て、うらやましいなと思いました。僕らは有観客でいうと、大阪のフェス(10月に大阪・万博記念公園で開催されたイベント「大阪文化芸術フェスpresents OSAKA GENKi PARK」)には出たんですけど、ライブハウスではけっこうずっとできてなくて。FOMAREのライブを観て「うわー早くこのステージに戻りたい」と思いましたね。

──やはり有観客でライブがしたいですか?

カマタ 間違いないですね。目の前にお客さんがいないと、誰に対してライブしてんだろうと思っちゃう。

八木 声が出せなくても、手を上げてくれるだけでうれしいですもんね。反応が即座に返ってくるというか。

カマタ そうですね。もう正直、表情を見ているだけでもうれしい。

カマタリョウガ(FOMARE / G, Cho)

──先ほど首藤さんがFOMAREのライブをご覧になったと言ってましたが、FOMAREはKEYTALKのライブを観たことはありますか?

アマダ はい。お客さんのノらせ方とかすごくうまいと思います。

寺中 ありがとうございます!

アマダ なんか上から言ってる感じになっちゃってすみません(笑)。こういうこと言うの苦手で。あとKEYTALKのライブは一体感もすごい。

寺中 八木くんと小野くんが盛り上げてくれるおかげですね。

カマタ 僕は中学高校くらいのときにKEYTALKのライブ動画を観て研究してた時期があったんです。その中に、ほとんど人がいないライブハウスでノリノリでライブやってる動画があって。「この精神力はなんなんだろう」と思いました。FOMAREはお客さんが少ないとライブの途中でテンションダウンしてしまうこともあるので、これを見習わなきゃと。

小野 やっぱりそこは1人でも観てくれるお客さんがいるのであればという気持ちですね。あまりそういうふうに言われたことないですけど、うれしい。どのライブも全身全霊でやった結果なのかな。

FOMARE感とKEYTALK感のいいバランス

──レッドブルによる企画「KEYTALK × FOMARE #歌詞に翼をさずける キャンペーン」をもとに制作されたコラボ楽曲「Hello Blue Days」についても聞かせてください。どういう経緯でこの2組の組み合わせになったかというのは、レッドブルの方から聞きましたか?

KEYTALK×FOMAREキービジュアル

アマダ いや、特に(笑)。

寺中 うん。

アマダ でもたぶん、「この2組を組み合わせたら面白いんじゃないか」という思いがあったんだと思います。

──なるほど。曲はアマダさんと首藤さんが書き下ろされたとのことですが、制作はどのように進めていきましたか?

首藤 アマダくんが弾き語りで原型を作ってくれて、それを僕がアレンジして形にして。それを全員に共有してという流れでした。歌詞は最後に考えましたね。

──コラボで楽曲を作ってみて、刺激は受けましたか?

アマダ ものすごく受けましたね。さっき武正さんとも話したんですけど、FOMARE感もKEYTALK感もいいバランスで感じられる曲だと思うんです。

小野 さっき出会い頭に言われた(笑)。

アマダ 本当にそう思ってて(笑)。ちゃんとお互いのいいところが出たコラボというか。

小野 混ざり合いましたね。一企画では終わらないというか、本当に意味があるコラボになったと思います。

小野武正(KEYTALK / G, Cho)

──レッドブルをイメージさせるような清涼感や刺激を感じるサウンドで、どちらの音楽性も含んだ素敵な曲ですよね。「青春」がテーマになっているそうで。

アマダ 明るい青春感みたいなことは意識しましたね。

八木 この曲はKEYTALKの一番速い曲と同じくらいBPMが速くて。もともと俺はFOMAREに“漢気”みたいなものを感じていて、それがKEYTALKと合わさったらこういうアレンジなったんだろうなと思っています。だからFOMAREを若干意識してドラムを叩きましたね。

小野 柿ピー(オグラユウタ)と八木ピー。

八木 うん。八木ピーって弱そう!

オグラ (笑)。ドラムで言うと、僕と八木さんでまったくチューニングを変えていて。八木さんが左で聴こえる高いチューニングで、僕は低いチューニングにしたんです。でも高いほうがFOMAREっぽかったですね(笑)。

ノリノリでレコーディング

──レコーディングはどうでしたか?

アマダ ほかのバンドのレコーディング風景をがっつり見ることってあまりないから面白かったです。自分たちと全然違った。

カマタ 違ったね。武正さんが立ってめっちゃノリノリで弾いてるのを見て衝撃を受けました。俺は普通に座って弾いていたので「これアリだな!」と思いました。ノリが変わるというか。

小野 もちろん座ってやることもあるんですけど、立ってレコーディングすることが多くて。確かにノリがけっこう変わるんですよね。ライブでやるということを前提にしている曲が多いので、それを見据えて。あとはまあ、後ろにカマちゃんがいたので、カッコいいところ見せないとなって。

カマタ それもあったんだ(笑)。

八木 わかる。見られててめっちゃ緊張して、超ミスりました(笑)。

寺中 僕は絶対緊張するだろうなと思って、誰も来ないうちにギターを録り終えました。

八木 そういう作戦だったんだ(笑)。

──歌録りはお互いどうしたか?

アマダ うまいなって思いました(笑)。

首藤 うまいなって思いました。マジです(笑)。

アマダ ハモがけっこう複雑で難しかったんですけど、余裕でこなしてる先輩たちを見て「すげーな!」と思いました。

小野 確かに。今回はハモ録りを見れてないですけど、KEYTALKは「すげーハモってんな」っていつも思います。「俺も参加してえ!」と毎回思ってるんですけど、拒否られます。

寺中 ガヤですね、いつも。

首藤 そう(笑)。「イエーイ」と「オーイ」だけ来ていいよって言ってるんです(笑)。

小野 僕もね、本当はハモりたいんですよ。

首藤 武正は歌うことが大好きなんですけど、歌は武正のことで嫌いで……。

小野 歌に嫌われてる……(笑)。

本能が求めたフレーズ

──歌詞はどのようにして書きましたか?

アマダ 義勝さんと半分半分で書きました。

首藤 プラス、ファンの方から募集したフレーズを入れて(参照:KEYTALK×FOMAREコラボ曲配信決定、ファンのツイートが歌詞の一部に)。

首藤義勝(KEYTALK / Vo, B)

──採用されたフレーズはどこですか?

アマダ 義勝さんが「流した汗 何気ない日常が僕ら育ててく」、僕がサビ終わりの「今日も泣いて笑ってケンカした 愛しき青春の日々」を選びました。ストレートな歌詞というか、自分で書くには少し照れくさくなってしまうような言葉だったので、いい機会だから入れてみようと思って選びました。

首藤 僕はちょっとなんで選んだか忘れちゃったんですけど……。

アマダ 飲んでるときに一緒に選びましたよね(笑)。

首藤 そうそう。ベロベロのときに「1つ選んで」と言われて、合計1つだと思ってたら「各バンド1つずつだから早く選んで」って。でもその状態で選んだということは……本能が求めたのでこのフレーズにしたんだと思います。

八木 あっ、それいい。

アマダ 本能が求めたので(笑)。

小野 義勝の本能……。

首藤 歌詞に関しては、青春という大きいテーマがあったので、それぞれ青春をイメージして書きましたね。僕も「普段は恥ずかしくて言わないかな」くらいの言い回しで書きました。青臭いほうがいいかなと思って。


2020年12月5日更新