音楽ナタリー PowerPush - FOLKS
フロントマン岩井郁人の目覚め
やっと見えたFOLKSの“動機”
──インディーズ時代も含めミニアルバムが3枚、シングルが1枚がリリースされて、そろそろフルアルバムが聴きたいですね。
そうですね。次出すならアルバムかなと思います。自分が何を歌いたいのか、見えてきたんで。今はガッツリ恵庭で曲作りをしてるところです。
──今後はやはり歌モノを作る意識で制作するということでしょうか。
そうですね。ちゃんと真ん中に自分の気持ちがあるような「俺の歌」でありたいというか。ちゃんと歌い手として、フロントマンとしてちゃんと歌おうかなって。
──自分の気持ちを歌うことと、それを普遍的なものとして聴く人に理解してもらう、共有してもらうことはまた別だと思うんですが、そのためにはどうしたらいいですか。
売れたいとか、もっとたくさんの人に聴いてほしいとか、そういう気持ちはないんですよ。例えば「冬の向日葵」ももっと純粋に作った相手にただ喜んでほしい、「いいね」って言ってほしくて作った歌なんですよ。それって紙一重で。「1対1でその人を感動させたい」という相手が聴く人全員になるだけで、それでいいかなって思ってて。
──聴く人それぞれに1対1で語りかけるような歌。
そうですね。1人の人に深く刺さらないと、大多数の人にも刺さらないんじゃないかと思ってます。いろんな人になんとなくさらっと響く程度の抽象的な表現じゃなく、まずはたった1人の人に深く刺さる、そういう曲を作りたいと思ってます。
──「これは自分のことを歌っている」と思わせてくれるような楽曲ということですね。
はい。そこでいろんな人たちが自分を投影できるような楽曲にするのが技量だと思うんで。その、曲を作る動機のホントのスタートのところにたどり着いたというか。それを伝えるための技術はこれから身に付けていきたいと思ってます。
──前のインタビューで、「FOLKSの曲はアコギ1本でその真意が伝わりますか」って質問をしたら、郁人さんは「伝わらない」って答えたんですけど、今だったらどう答えますか?
今は……伝わると思います。そこはずいぶん変わりました。ふふふ(笑)。
──歌を作ることの原点にたどり着いた。
はい。
──歌にする題材っていっぱいありますか?
そこが困ってて(笑)。僕は今までずっと実体験から膨らませてきたから。だからいろいろ経験しなきゃいけないし、人間的にも成長しなきゃいけないと思ってるんです。……この1年、メンバーに音楽のこととか機材の使い方とか、いろいろ教えながら一緒に曲を作ってきたんですけど、自分が全然インプットできてないってことに危機感を覚えていて。
──音楽の知識だけじゃない、いろんな人生経験が必要ってことですね。
そうですね。そこがまったくできてなかったから、なかなか歌も書けなかったし。だからまず自分がいろいろなことを経験してインプットして、いい曲を作ろうと思ってます。
収録曲
- CAPITAL MORNING
- CARVE OUT
- Northern Lights
- 冬の向日葵
- それぞれの日々へ
- UNIVAS
- キャスカ
FOLKS "In Bloom" Tour 2015
- 2015年5月5日(火・祝)愛知県 APOLLO BASE
- 2015年5月6日(水・祝)大阪府 Shangri-La
- 2015年5月9日(土)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
- 2015年5月15日(金)北海道 Sound Lab mole
FOLKS(フォークス)
2013年1月に結成された岩井郁人(Vo, G)、岩井豪利(G, Vo)、高橋正嗣(Programming, Syn, Cho)、野口一雅(B, Cho)、小林禄与(G, Syn, Per, Cho)からなる5人組。メンバー全員が楽曲制作を行い、ライブではサポートドラムを加えた6人編成でパフォーマンスを行う。2013年3月に初ライブを開催し、同月に自主制作盤「Take off」をリリース。一般公募枠で「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2013 in EZO」にも初出演し、北海道内で着実にその名を広める。2014年2月にキューンミュージックよりメジャーデビューミニアルバム「NEWTOWN」を発表。2015年2月に地元北海道の冬をモチーフにしたミニアルバム「SNOWTOWN」をリリースした。なお岩井郁人と岩井豪利は兄弟で、メンバー全員が北海道恵庭市で共同生活をしながら音楽活動を行っている。