音楽ナタリー Power Push - flumpool

月9出演、映画主題歌、武道館2DAYS めまぐるしい2017年の近況報告

一生の作る曲は全部好きですけどね

──「ナミダリセット」の歌詞は涙をテーマにしたそうですね。そこには「サクラダリセット」という物語を大団円に導く、全体をまとめる狙いもあったんでしょうか?

山村 そうですね。「最後に登場人物みんなの思いが集結し、すべてが一件落着して未来に向かっていく曲にしてほしい」と映画のプロデューサーさんにお願いされたんです。そこで、みんなの思いが集まるっていうのはどういうことなのか考えたときに、大切な人の涙が浮かんだんです。世界中を見渡してみても、すべてのことは1つでも大切な人の涙をなくすために行われている気がしたというか。争いが起きてしまうのだって根っこの部分にはそういう思いがあるような気がするし、自分自身のことを振り返ってみてもそう思うことは多いですからね。

──大切な人の“ナミダ”を“リセット”するためにすべての人が前を向いて生きていけばきっと世界は平和になるはずですからね。

山村隆太(Vo)

山村 うん。涙をなくすために争いが起こってしまうことも方向として間違ってはいないと思うんだけど、できるだけそれは減らしていったほうがいいわけだから。みんながそういう思考を持つ世界になったらいいなっていう願いを込めて書きました。

──力強い歌声が響く「ラストコール」とは対照的に、「ナミダリセット」では非常に柔らかで優しい声の表情が出ていると思いました。それはサウンドのアプローチに合わせて自然と変化した感じですか?

山村 そうだと思います。意識して声を変えたということもないので、曲調やメッセージに合わせて変化したんじゃないかな。もちろんこだわった部分はそれぞれありますけど、「ナミダリセット」なんかはね、一生がこだわった美しいメロディに自然と乗っかればいいだけでしたしね。

──今回のシングルにはもう1曲、「キズナキズ」という楽曲も収録されています。これは現在、NHK「みんなのうた」で流れていますね。

阪井 この曲のモチーフは以前からあったんですけど、今回「みんなのうた」のお話をいただけたことをきっかけに形にしました。これはもう難しく考えず、とにかくわかりやすいものをイメージしましたね。僕らが路上ライブを始めた頃のように、アコースティックギター1本で歌いながらどんどん作っていった感じで。

──キャリアを重ね、スキルを手にすると逆にそういう作り方が難しくなるところもありませんか?

阪井 あー、ありましたね。今の自分としてこういう曲を作る恥ずかしさみたいな気持ちとか、どうしても凝ったものにしたいっていう気持ちが出てきてしまうというかね。でも今回はそこをできるだけ考えず、思いのままに作りました。もちろんそこにはいろんなことができるようになった今の自分なりのこだわりも入れてはありますけど。

──無垢な印象のあるサウンドに乗せられるメッセージもすごくいいですね。心にある傷さえも共有してくれる相手にこそ本当の絆が芽生えるんだという。

山村 うん。それはこの4人でやってきてすごく感じることで。自分の傷をほかの3人も覚えてくれているし、僕もみんなの傷を覚えている。そういう関係はすごく心強いなって思いますから。そういう思いがこもった曲に「キズナキズ」というキャッチーなタイトルを付けられたのもよかったなって思いますね。せっかく「みんなのうた」の曲なんで。

尼川 いい曲っすよね。僕はこういうタイプがすごく好きなんで。まあ一生の作る曲は全部好きですけどね。

阪井 めっちゃいいこと言ってくれるな。ドキッとしたわ。“キズナ”が見えたわ(笑)。

──ちなみに途中で英語のコーラスが入っていますよね。歌詞には記載されていませんが。

阪井一生(G)

阪井 あそこはデモの段階で俺がでたらめ英語を入れてたんですよ。

山村 そうそう。“Shall we kiss me?”みたいなこと言ってたな。なんで“kiss me”なんだろうって思ったけど(笑)。

阪井 “kiss”って単語がつい出てくるよね、ロマンチストだから。

山村 あははは(笑)。その“kiss”って響きから“キズナキズ”になったのかも。

──デモのでたらめ英語に引っ張られて本歌詞になる場合もあるって言いますもんね。

山村 いや嘘です。今回はまったく引っ張られませんでしたけどね(笑)。ちなみにあの英語パートでは“時が過ぎて離れ離れになってもさよならじゃないよ”みたいな、サビに近い内容を歌ってます。

flumpool史上、一番すごいライブになると思います

──では最後に、すでに発表されている全国ツアー「Re:image」について聞かせてください。5月20、21日の日本武道館2DAYSで開幕し、9月から12月まで全国を巡ります。

山村 過去も大切にしたうえで、いろいろなことに新しい意味を足していく……10周年を目前にしたバンドとしてそういうことを改めて大切にしたいと思ったので「Re:image」というタイトルを掲げました。武道館に立つのは3度目ですけど、1回目、2回目とは違う、今の僕らがやる意味をそこでは見せたいと思うし、ツアー全体としても今までのイメージ、固定概念を覆す新たな価値を生み出していきたいなと思っています。

尼川元気(B)

尼川 去年は新しい挑戦をいろいろしてきましたけど、それを塗り替えるほどのエネルギーでツアーを回れたらいいなと思ってますね。そうすれば絶対面白いライブになると思うので。

小倉 僕個人としてはロックというものを“Re:image”したいなっていう思いもあって。これまでのロックには激しく、荒々しいイメージがあったけど、もうそういう時代でもないような気がするんですよ。今の僕が考えるロックはいかに人を大事に思いやれるか。それをツアーでも見せられるように愚直にまっすぐがんばりたいなと思います。

阪井 とにかくflumpool史上、一番すごいライブになると思いますよ。去年の活動を経て、やりたいことを形にできる力も付いてきているので、面白くなる予感しかしてないです。

flumpool

ライブ情報

flumpool 8th tour 2017 Beginning Special「Re:image」at NIPPON BUDOKAN

~ラストコール~
2017年5月20日(土)東京都 日本武道館
~ナミダリセット~
2017年5月21日(日)東京都 日本武道館

flumpool 8th tour 2017「Re:image」

  • 2017年9月16日(土)宮城県 仙台サンプラザホール
  • 2017年9月18日(月・祝)秋田県 秋田県民会館大ホール
  • 2017年9月23日(土・祝)岐阜県 岐阜市民会館 大ホール
  • 2017年9月24日(日)富山県 富山県民会館
  • 2017年9月29日(金)北海道 わくわくホリデーホール
  • 2017年10月1日(日)北海道 函館市民会館
  • 2017年10月6日(金)高知県 高知県立県民文化ホール オレンジホール
  • 2017年10月7日(土)岡山県 岡山市民会館
  • 2017年10月9日(月・祝)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
  • 2017年10月10日(火)大阪府 フェスティバルホール
  • 2017年10月13日(金)新潟県 新潟県民会館 大ホール
  • 2017年10月15日(日)埼玉県 大宮ソニックシティ 大ホール
  • 2017年10月21日(土)和歌山県 和歌山県民文化会館 大ホール
  • 2017年10月22日(日)奈良県 なら100年会館 大ホール
  • 2017年11月1日(水)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
  • 2017年11月3日(金・祝)徳島県 鳴門市文化会館
  • 2017年11月4日(土)滋賀県 滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 大ホール
  • 2017年11月12日(日)静岡県 富士市文化会館ロゼシアター 大ホール
  • 2017年11月19日(日)群馬県 伊勢崎市文化会館
  • 2017年11月22日(水)宮崎県 宮崎市民文化ホール
  • 2017年11月23日(木・祝)熊本県 荒尾総合文化センター
  • 2017年11月25日(土)福岡県 アルモニーサンク北九州ソレイユホール
  • 2017年11月30日(木)千葉県 市川市文化会館 大ホール
  • 2017年12月2日(土)神奈川県 パシフィコ横浜 国立大ホール
  • 2017年12月3日(日)神奈川県 パシフィコ横浜 国立大ホール
  • 2017年12月9日(土)福井県 福井市文化会館
  • 2017年12月10日(日)三重県 桑名市民会館 大ホール
  • 2017年12月15日(金)広島県 上野学園ホール
  • 2017年12月16日(土)鳥取県 米子市公会堂
ニューシングル「ラストコール」 / 2017年3月15日発売 / A-Sketch
初回限定盤 [CD+DVD] / 2160円 / AZZS-62
通常盤 [CD] / 1296円 / AZCS-2061
初回限定盤CD収録曲
  1. ラストコール
  2. ナミダリセット
  3. キズナキズ
<BONUS TRACK>
  1. 花になれ
  2. MW ~Dear Mr. & Ms. ピカレスク~
  3. 大切なものは君以外に見当たらなくて
初回限定盤DVD収録内容
  • flumpool COUNTDOWN LIVE 2016→2017 「FOR ROOTS」~シロテン・フィールズ・フォーエバー~@大阪城ホール Special Live Digest & Making of Live
通常盤CD収録曲
  1. ラストコール
  2. ナミダリセット
  3. キズナキズ
  4. ラストコール(Instrumental)
  5. ナミダリセット(Instrumental)
  6. キズナキズ(Instrumental)
flumpool(フランプール)
flumpool

山村隆太(Vo)、阪井一生(G)、尼川元気(B)、小倉誠司(Dr)の4人からなるバンド。2008年10月に配信シングル「花になれ」でメジャーデビュー。2009年にシングル「星に願いを」のヒットで注目を集め、10月には初の東京・日本武道館公演、年末には「NHK紅白歌合戦」への初出場を果たした。デビュー5周年を迎えた2013年10月には日本武道館で2日間にわたりスペシャルライブを行い、2014年5月に初のベストアルバム「The Best 2008-2014『MONUMENT』」を発表。2015年8月にバンド初の単独野外公演を故郷である大阪・大泉緑地で開催した。アニメ映画およびテレビアニメ「亜人」主題歌「夜は眠れるかい?」を含むシングルを2016年2月にアルバム「EGG」を3月に発表し、4月よりライブツアーを実施。11月にニューシングル「FREE YOUR MIND」をリリースした。12月31日には大阪では初となる単独でのカウントダウンライブ「flumpool COUNTDOWN LIVE 2016→2017『FOR ROOTS』~シロテン・フィールズ・フォーエバー~」を開催。2017年3月に映画「サクラダリセット」の主題歌「ラストコール」をシングルとしてリリースする。5月に3度目となる東京・日本武道館2days公演を行い、その後、全国ツアー「flumpool 8th tour 2017『Re:image』」をスタートさせる。また山村は、フジテレビ系ドラマ「突然ですが、明日結婚します」で俳優デビューを飾った。