ナタリー PowerPush - flumpool
フロントマン山村隆太が振り返る5年
2008年 「花になれ」
- 花になれ
──最後はデビューイヤーの2008年。「花になれ」はflumpoolにとって、どんな曲ですか?
この曲がなければ、今の自分たちもなかっただろうし。それくらい大事な曲ですね。(ビデオクリップを観ながら)このとき、実は右目の上に大きいニキビができてたんですけど。編集で消してもらったんですけど、スタッフから冗談で「めちゃくちゃお金がかかった」ってあとで言われました(笑)。ニキビができたのも緊張してたからなんだと思うんですよね。本格的なビデオクリップの撮影も初めてだったし。
──今観てみると、どうですか?
これもフカツ監督なんですけど、すごく好きですね。ちょっとオドオドしてるじゃないですか。ビビりながらも、「でも、どうにかしてやる!」という気持ちもあって。それって、まさにこの曲の内容と重なってるんですよね。当時は自分に言い聞かせてるところもあったんじゃないかなって。
──不安を抱えながらも、「ここから花咲くんだ」という前向きな気持ちもあって。
そうですね。失うものはなかったし、そのぶんこの曲に賭ける気持ちも強くて。それが全部出てると思うんですよね、この映像にも。
──そう言えば以前、元気くんが「初ライブのあと、勘違いしてサングラスを買った」って言ってたような……。
それ、元気じゃなくて僕ですね(笑)。初ライブは原宿のKDDIデザイニングスタジオだったんですけど、前日まで「お客さんが少なかったら原宿の駅前で整理券を配ろう」って言ってたんですよ、ホントに。実際、どれくらいの人が来てくれるかわからなかったので。でも、当日になったら1000人くらいの人が並んでくれてたんですよね。車でライブ会場に入ったら、ファンの人たちに囲まれて、動けなくなって。それで勘違いしちゃったんですね(笑)。
──もう街を歩けない、みたいな。
そうそう(笑)。その日もサングラスとかマスクをして帰ったんですけど、電車の中でも誰にも気付かれなくて。そのときに勘違いだって気付きましたけどね。
──デビュー当時、「5年後はこういうバンドになりたい」というビジョンはありました?
“5年後があればいいな”とは思ってましたけど、「どうなりたいか」ということは考えてなかったです。もっと強い大人、強いバンドにならないとダメだなというのはありましたけどね。ライブでもテレビでも、とにかく死ぬほど緊張してたので……。当時はもう「これを伝えられれば、次が生まれる」ということだけでした。
──目の前のことをしっかりやりきる、と。
先のことは想像できなかったので。あとは「元に戻るのはイヤだ」ということですよね。そういう気持ちは今もあるんですよ。もし音楽を辞めなくちゃいけなくなったら、その先、どんな顔をして生きていけばいいかわからないし。
──まだまだ安心感はない?
ないですね。去年の武道館の前に元気がバンドの現状についていろいろ言ったのも、そういう気持ちの表れだと思うんですよ。まあ、アイツが次にやる気を見せるのはいつかわからないですけど(笑)。
──闘志を内に秘めてるタイプに見えますけどね、元気くんは。
口下手っていうか、言葉足らずなんですよ。めんどくさいヤツなんですけど、たまに「根はいいヤツなんだな」って思うこともあるから、つい騙されるんですよね(笑)。
──(笑)。一生くんはどうですか?
一生は変わらないですね、昔から。すげえ親分肌なんですよ、彼は。ツアー中も“一生一派”みたいなものができてるし、「一生さん、一生さん」って近付いてくる後輩の前で偉そうにしてるので(笑)。面倒見がいいんでしょうね。
──ドラムの(小倉)誠司くんに関しては?
最初はよくぶつかったんですよ。とにかくこだわりが強い。負けず嫌いで、何か言われたら、すぐに言い返してくるし。でも30歳になってから丸くなったんですよね。曲作りの苦労もわかってくれるし、その上で自分の役割をきちんと担ってくれるようになって。以前はドラム一筋みたいな感じでしたけど、最近はライブのときも一緒に歌ってくれることもあるんですよ。そういうのってうれしいんですよね、ボーカルとしては。
──それぞれ個性を持ちつつも、少しずつ大人になってるんでしょうね。
そうなんですよね。僕と元気はあまり変われてない気がするけど……。大丈夫かな(笑)。
ライブ情報
- flumpool 5th Anniversary tour 2014「MOMENT」
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- 2014年5月24日(土)静岡県 静岡市清水文化会館マリナート
- 2014年5月25日(日)埼玉県 大宮ソニックシティ
- 2014年6月7日(土)岩手県 岩手県民会館
- 2014年6月8日(日)福島県 郡山市民文化センター
- 2014年6月13日(金)北海道 ニトリ文化ホール
- 2014年6月14日(土)北海道 帯広市民文化ホール
- 2014年6月21日(土)広島県 上野学園ホール
- 2014年6月22日(日)広島県 上野学園ホール
- 2014年6月28日(土)鹿児島県 鹿児島市民文化ホール 第1ホール
- 2014年6月29日(日)熊本県 熊本市民会館崇城大学市民ホール
- 2014年7月5日(土)新潟県 新潟県民会館
- 2014年7月6日(日)新潟県 新潟県民会館
- 2014年7月9日(水)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
- 2014年7月10日(木)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
- 2014年8月9日(土)神奈川県 横浜アリーナ
- 2014年8月10日(日)神奈川県 横浜アリーナ
- 2014年8月23日(土)大阪府 大阪城ホール
- 2014年8月24日(日)大阪府 大阪城ホール
- ベストアルバム「The Best 2008-2014『MONUMENT』」/ 2014年5月21日発売 / A-Sketch
- 初回限定盤 [CD2枚組+DVD] 3996円 / AZZS-21
- 通常盤 [CD2枚組] 3456円 / AZCS-1030~1
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DISC 1 収録曲
- 花になれ
- 星に願いを
- どんな未来にも愛はある
- 春風
- 君をつれて
- 微熱リフレイン
- Belief ~春を待つ君へ~
- MW ~Dear Mr. & Ms. ピカレスク~
- 「labo (Re-format)」
- two of us
- 強く儚く
- Over the rain~ひかりの橋~
- ビリーバーズ・ハイ
- 覚醒アイデンティティ
- 証
DISC 2 収録曲
- 明日への賛歌
- reboot ~あきらめない詩~
- 大切なものは君以外に見当たらなくて
- 今年の桜
- 残像
- Because... I am
- Touch
- Answer
- イイじゃない?
- 見つめていたい
- Hydrangea
- Snowy Nights Serenade~心までも繋ぎたい~(Choral Xmas Ver.)
- 夏Dive
- 君に届け
- フレイム
初回限定盤DVD 収録内容
- 「Music Heartbeat~Recording Documentary & Studio Live~」
- DVDシングル「ビリーバーズ・ハイ」/ 2014年5月21日発売 / A-Sketch
- [DVD] 1080円 / AZBS-1019
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収録内容
- 「ビリーバーズ・ハイ」ミュージックビデオ
- テレビアニメ「キャプテン・アース」ノンテロップ オープニング映像
flumpool(フランプール)
山村隆太(Vo)、阪井一生(G)、尼川元気(B)、小倉誠司(Dr)の4人で2007年に結成。2008年10月にメジャーデビュー作となるダウンロードシングル「花になれ」を発表し、10日間で100万ダウンロードを記録した。同年11月にはデビューミニアルバム「Unreal」をリリース。2009年にはシングル「星に願いを」のヒットで注目を集め、10月には初の日本武道館公演、年末には「NHK紅白歌合戦」への初出場を果たした。2010年12月には4日間に渡るアリーナライブも大成功に収め、2011年9月に「第78回NHK全国学校音楽コンクール」中学校の部課題曲に起用された「証」をシングルとしてリリースし、3年連続で「NHK紅白歌合戦」に出演。2012年3月からは過去最大規模となる全国ツアー「5th tour 『Because... I am』」を行い、12月にアルバム「experience」を発表した。2013年に入ってからは横浜アリーナと大阪城ホールでアリーナ公演を、アジア圏でのCDリリースおよび海外ライブも行う。7月にシングル「大切なものは君以外に見当たらなくて / 微熱リフレイン」を、10月にシングル「強く儚く / Belief ~春を待つ君へ~」を発表。デビュー5周年を迎えた10月には、日本武道館で2日間にわたりスペシャルライブを行った。2014年4月からは全国ツアー「5th Anniversary tour 2014『MOMENT』」を開催。5月に初のベストアルバム「The Best 2008-2014『MONUMENT』」とDVDシングル「ビリーバーズ・ハイ」を同時リリースした。8月には神奈川・横浜アリーナと大阪・大阪城ホールで、全国ツアーのアリーナ公演を控えている。