ナタリー PowerPush - flumpool
両A面で伝える力強いメッセージ 「どんな未来にも愛はある / Touch」
指先からつながる“人と人との触れ合い”がテーマ
──隆太さんは、そのメロディにどういう歌詞を乗せようと思いましたか?
山村 ケータイ(au AQUOS PHONE IS11SH)のCMソングということで、“指先”というキーワードをいただいて作り始めたんです。僕も“指先”って、すごくいいキーワードだなって思いました。というのは、今の世の中って、指先を通して、いろんな人や広い世界につながってますよね。
──確かに、ケータイが必需品となっている今、メールやインターネットなど、指先から世界が広がってるところがあります。
山村 そういうことを、自分の中のもっともっと深い部分で書いてみたいなって。単なる“指の先”というだけじゃなくて、深い意味もあるということを歌詞にしたいと思ったんです。
──人とのつながり、人と人との触れ合い、など。
山村 はい。“人と人との触れ合い”ということを考えたとき、僕が真っ先に思い浮かべたのは、1枚の写真でした。それは「ローリングストーン」誌の表紙にもなったこともある、アニー・リーボヴィッツというカメラマンが撮ったジョン・レノンとオノ・ヨーコの写真です。オノ・ヨーコが寝ていて、ジョンが裸で抱きついているという写真。
──はい、見たことあります。
山村 その写真は全然いやらしくなくて、そこからは純粋で深い何かを感じました。このイメージだ!って思ったんです。普通、生きていたら、人を愛するということは当たり前のことだと思いますし、大切な人と触れ合っていたいと思うのも、ごく自然なこと。それを表現したくて。
──興味深いテーマですね。
山村 そういう純粋な欲望っていうのは、こういう明るいサウンドだからこそ表現できるんじゃないかと思いました。とにかく早くライブで歌いたいです。
──ライブも人と人とがつながれる場所ですから。
山村 はい。
ライブ音源の3曲は同じテーマの曲を選んだ
──後半のボーカルとコーラスの掛け合いの部分も、ライブで盛り上がるだろうなと思って聴いてました。
山村 盛り上がってほしいな(笑)。実は、最初はコーラスを入れる予定はなかったんです。レコーディングをしてみて、形が段々とできあがっていくうちに、コーラスを入れたいなって思うようになってきたんです。それもやっぱりライブをイメージしたからなんです。
阪井 僕もこういうイメージで曲を作っていってたので、コーラスが入ってよかったと思いました。この歌詞、僕個人的にもすごく好きなんです。曲とぴったりハマってますし、最後のコーラス部分の感じとかも想像していたものにすごく近かったんです。
──先程「two of us」の話が出てきてましたが、カップリングにはライブ音源が入っていて、「two of us」も収録されていますね。
阪井 はい。最新のライブ音源です。
──神奈川県民ホールの公演は6月4日と5日の2日間ですから、ホントに最新ですね。この日のライブはどうでしたか?
阪井 どちらの日も良かったんですけど、特に2日目が良かったです。メンバー全員が納得できるライブがやれましたから。
山村 うん。一体になれた感じがしましたね。ほかの会場でも、もちろんそういう感覚はあったんですが、特にこの公演は強く感じました。すごく手応えのあるライブだったと思います。
──「two of us」「君のための100のもしも」「君に届け」の3曲のライブ音源が収録されてますが、選ぶのも大変だったでしょう?
山村 どれにしようか考えだすとキリがないですからね。今回のシングル曲が「どんな未来にも愛はある」と「Touch」という“人とのつながり”がテーマになっている曲なので、カップリング曲として収録する曲も同じテーマを持っている曲に。
──あ、それでこの3曲なんですね。
山村 はい。シングル1枚を通して聴いてもらいたいですから。同じようなテーマを持ってる曲がいいなって。
DVDには恒例の動画ももちろん入ってます(笑)
──シングルですけど、盛りだくさんですね。そしてDVDの中身も充実してます。ライブ映像やドキュメント映像、テレビスポットのほかに、一生さんの恒例のものも。(※「大山田源次郎の桜丘動画劇場~2011 文月」)
阪井 はい、恒例のものも、もちろん入ってます(笑)。
──ファンの人の期待も高くなってきてると思いますけども。
阪井 どんどんハードルが高くなってきてます。でも、こういうの好きなんです。コントみたいなのが。
山村 いや、もういらないです!
阪井 なんでやねん!
山村 それの時間分、ほかの映像を入れてもらいたいですね(笑)。
──まあまあ、これもflumpoolの魅力のひとつだということで(笑)。そして、8月にはライブがあって、9月7日には早くも次のシングル「証」(第78回NHK全国学校音楽コンクール・中学校の部課題曲 / NHK「みんなのうた」2011年8~9月の新曲)のリリースが決定しています。かなり精力的に活動を。
阪井 はい、やってます!
──1月にリリースしたアルバム「Fantasia of Life Stripe」でも、いろいろと新しいチャレンジが盛り込まれてましたけど、今回も曲の作り方を含めて、新しいことをやってますね。
山村 そうですね。やりたいことも、もっともっとありますから、これからもいろんなチャレンジをしていきたいと思ってます。
CD収録曲
- どんな未来にも愛はある
- Touch
- two of us(Live at Kanagawa Kenmin Hall)
- 君のための100のもしも(Live at Kanagawa Kenmin Hall)
- 君に届け(Live at Kanagawa Kenmin Hall)
- どんな未来にも愛はある(Instrumental)
- Touch(Instrumental)
flumpool(ふらんぷーる)
2007年1月に結成された4人組ロックバンド。メンバーは幼稚園からの幼なじみである山村隆太(Vo)、阪井一生(G)、尼川元気(B)に小倉誠司(Dr)を加えた計4名。2008年10月に配信限定シングル「花になれ」でメジャーデビュー。11月にリリースした1stミニアルバム「Unreal」がオリコンウィークリーチャート初登場2位の快挙を達成し、一躍幅広い支持を集める。2009年10月には日本武道館ライブ2DAYSを大成功に収め、同年12月に1stフルアルバム「What's flumpool !?」を発表。2011年1月に2ndアルバム「Fantasia of Life Stripe」をリリースし、3作連続のアルバムチャート2位を獲得した。