ナタリー PowerPush - flumpool
両A面で伝える力強いメッセージ 「どんな未来にも愛はある / Touch」
今年1月にリリースしたアルバム「Fantasia of Life Stripe」以来、約半年ぶりとなるflumpoolの新作は、山村隆太出演のMobage(モバゲー)新CMに起用された「どんな未来にも愛はある」とシャープ「au AQUOS PHONE IS11SH」のテレビCMソング「Touch」のダブルAサイドシングルだ。2008年に配信シングル「花になれ」でデビューして以来、リリースごとにバンドとしての成長を感じさせてくれる彼らの新曲は、どちらも“人と人とのつながり”が大きなテーマ。またもや彼らの新しい一面を見せてくれる作品となった。
今回ナタリーでは、作詞を手掛けたボーカリストの山村隆太と作曲を手掛けたギタリストの阪井一生にインタビューを行い、新しい楽曲がどのように作られ、どういった思いが込められたものなのかを語ってもらった。
取材・文/田中隆信
flumpool 「どんな未来にも愛はある」 ショートver
flumpool 「Touch」ショートver
強い言葉に導かれてメロディが生まれた
──待望の新作は「どんな未来にも愛はある」と「Touch」のダブルAサイドシングルですね。
山村隆太(Vo) はい。シングルは「君に届け」以来なので、だいたい10カ月ぶりぐらいですね。
──そんなに経ってましたか。でも、その間にアルバムのリリースがあったり、ライブがあったりしたので、常に活動してるイメージがあって久しぶりという感じはしないんですけど。
山村 そうですね。やっぱりライブをやってたからじゃないですかね。
──そう考えると、全国ツアーもありましたし、いつの間に作ってたのかな?って。
阪井一生(G) ツアーやりつつ、曲も作ってました。
──まずは「どんな未来にも愛はある」について訊かせてください。作詞は隆太さん、作曲が一生さんのコンビで。このコンビだと、いつも一生さんが曲を作って、そこに隆太さんが歌詞を乗せるという感じですよね?
阪井 実はこの曲はいつもと違うんです。
山村 先にサビの部分の歌詞を書いたんです。ツアー中に書いてた詞を周りの人たちが「それ、すごくいいね」って言ってくれたんです。その後も、いろんな人が賛同してくださって、MobageのCMソングにもなったんですけど。
──隆太さんが出演されてるCMですよね。まさに「どんな未来にも愛はある」というキャッチコピーが使われていて、歌のメッセージとCMのメッセージがすごくリンクしてるなって。
山村 はい。そのメッセージを伝えたいなって思ったんです。最初に歌詞があるっていうのは、僕らには珍しいパターンでしたね。
阪井 いつもだと曲先行で、そこから歌詞を広げていくわけですけど、今回は先に歌詞がありましたから、言葉に導かれて生まれたメロディもありました。とにかく、最初から「すごくいい歌詞だなあ」って思ったんです。「これにメロディを付けてみたい!」って思わせてくれるような詞というか、言葉でしたね。作るときに考えたことは、アレンジで化けるようなメロディじゃなくて、アコギ1本でも聴かせられるような曲にしようってことでした。メロディありきでアレンジがついてくるような、ガッツリと聴かせる曲にしたいなって。
──アコギ1本でも聴かせられるし、そこからアレンジがついてバンドとしてももちろん聴かせられる曲を目指して。
阪井 はい。どんなアレンジでも聴かせられるような曲にしたいと思いましたし、これぐらい強い言葉だったら、そういう曲が作れるんじゃないかって思いましたから。
ツアー中に新たな手法で作った曲
──前回のアルバムでも、バンドとして新しいチャレンジをたくさん盛り込んでましたが、今回もそういう意味では、新しいチャレンジをしてみたんですね。
阪井 はい。
──やってみてどうでしたか? いつもだったらゼロの状態から作るわけですが、今回はひとつお題があった感覚だと思いますが。
阪井 ゼロから作るときって自由度も高いんですけど、その分、作るきっかけを探すのが大変だったりするんですよ。でも、歌詞があると、その言葉から発想を広げられますし、どんどんイメージが湧いてきましたから、僕としてはすごく作りやすかったです。サビのメロディをまず作って、そこからAメロとBメロへ。それもサラッと書けた感じだったんです。
──ツアー中に曲を作るのって大変な気がするんですけど。ツアーはツアーでエネルギーを使いますし、曲作りは曲作りで集中力が必要ですし。
阪井 そうですね。でも、すごくいいイメージが湧いてるときは、ツアー中のほうが作りやすい場合もあるんですよ。ツアー中って、ホテルの部屋の中にいることが多いじゃないですか。なので、いつもよりも集中できたり。でも、1回つまると全然出てこなくなるんですよ。今回は歌詞があって助かったところもいっぱいあります。
──この曲は、隆太さんが先に歌詞を作るという、バンドとして新たな手法で作った曲だったんですね。
山村 すごくいい曲になったと思うんですよ。すごく強い歌詞なんですけど、flumpoolとして、こういうメッセージを発せられたこともうれしいですし。
CD収録曲
- どんな未来にも愛はある
- Touch
- two of us(Live at Kanagawa Kenmin Hall)
- 君のための100のもしも(Live at Kanagawa Kenmin Hall)
- 君に届け(Live at Kanagawa Kenmin Hall)
- どんな未来にも愛はある(Instrumental)
- Touch(Instrumental)
flumpool(ふらんぷーる)
2007年1月に結成された4人組ロックバンド。メンバーは幼稚園からの幼なじみである山村隆太(Vo)、阪井一生(G)、尼川元気(B)に小倉誠司(Dr)を加えた計4名。2008年10月に配信限定シングル「花になれ」でメジャーデビュー。11月にリリースした1stミニアルバム「Unreal」がオリコンウィークリーチャート初登場2位の快挙を達成し、一躍幅広い支持を集める。2009年10月には日本武道館ライブ2DAYSを大成功に収め、同年12月に1stフルアルバム「What's flumpool !?」を発表。2011年1月に2ndアルバム「Fantasia of Life Stripe」をリリースし、3作連続のアルバムチャート2位を獲得した。