音楽ナタリー Power Push - フィッシュライフ
「閃光ライオット」優勝バンドの“総決算”
優勝した責任
──初ライブを経て、2013年には「十代白書」「閃光ライオット」「eo Music Try」など数々のコンテストで賞を獲られていますね。「閃光ライオット」ではグランプリに輝いています。それぞれのコンテストに出ることになったきっかけって?
ミヤチ 路上ライブのあと、僕らは月1ぐらいでMUSEでライブするようになっていて。「城天」と同様に「十代白書」もMUSEの神田さんが紹介してくれたんです。「自分ら10代最後だし出たほうがいいよ」って。
──「閃光ライオット」と「eo Music Try」は?
ミヤチ この2つは全員が知っていた大会で。「閃光ライオット」は「十代白書」と同じく年齢的に最後の年だったので申し込まなって感じで。
テラオカ 「eo Music Try」はその前の年に観に行ってたよな。シナリオアートがグランプリやったとき。そこでこういう大会もあるんやって知って、いいなあって。
ミヤチ 自分たちの曲もいい感じにそろっていたので。タイミング的にも出れそうやなって思って出た大会がありがたいことにことごとく……。
──賞を総なめにするという。やっぱりコンテストに挑む姿勢は「獲ってやる!」っていう感じでした?
ハヤシング そうですね、そればっかでしたね。“やってやる精神”で挑んでました。でも「閃光ライオット」で優勝したときはさすがに「だ、大丈夫かな? 俺らで大丈夫かな?」って不安に思ったりもしましたけどね(笑)。
──コンテストを経て、何かバンドに変化みたいなものってありましたか?
ミヤチ 変わったというか、あの頃はなんか変な煮詰まり方してましたね。まだ実力もないのに、勝手に優勝した責任みたいなものを感じてしまって。優勝したバンドだからこういう風な姿じゃないといけないんじゃないかとか。
ハヤシング 「閃光ライオット」の1回目のグランプリはGalileo Galilei、審査員特別賞はねごとですからね。そこと比べて自分らは……とか思ったりもしてましたね。でも最近はわりと……。
ミヤチ 1周したよなあ(笑)。
ハヤシング そんなんもうええわ!って感じになれました。別に誰もそんなかしこまり方は求めてないんやないかなあって思えて。
──そして2014年には2カ月に1枚のペースで4枚のライブ会場限定シングルを発売しています。なぜこの企画に至ったんですか?
ハヤシング 単純に、おもろいやんけーって思いまして。
ミヤチ ハヤシが「みんながワクワクするようなことを定期的にどんどんやっていきたい」ってずっと言ってて。
ハヤシング そこから2カ月に1度、作っては出し、作っては出しのサイクルで……かなり苦しみましたね(笑)。
ミヤチ レコーディングがコンスタントにあったので、やっぱり演奏面をしっかりせなあかんなっていうことを強く感じました。この期間があったからバンドをもっとシビアにやっていかなって思えるようになったというか。
9つ目のカウントから
──そして今回、初の全国流通盤「バトルフォーユー」が発売されます。アルバムの中で特に思い入れがある曲ってありますか?
ミヤチ 「フロムカウントナイン」は外せんよな。
ハヤシング うん。
テラオカ そうやな。
ミヤチ この曲には2014年の苦労であったり、自分らが成長した1つの結論みたいなものを込めてるんですよね。
ハヤシング 2014年はさっき言った会場限定シングルの連続リリースの年で。「フロムカウントナイン」は曲をめちゃくちゃ作って、録って、出してっていうのを繰り返す中で、そうせんとできんかった経験っていうのをうまいこと消化した1曲なんかなって。
──それはどんなところが?
ハヤシング 連続リリースの前は、曲の要素を足しすぎてしまったり、逆に引きすぎてしまったりっていうところがあったんですけど、この経験のおかげで曲の要素の足し引きをうまい塩梅にできるようになったんかなあって。
──曲名はなぜ「フロムカウント“ナイン”」に?
ハヤシング ボクシングの10カウントをテーマにしてるんです。タイトルを直訳すると「9つ目のカウントから」っていう意味なんですけど、ボクシングで9つ目のカウントまでいってたらもうみんなあきらめる頃なんですよ。ノックアウト寸前の状態。でも「そっからやっていくぞ!」っていう思いを込めて作りました。そっからでも立ち上がらなっていう。
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- 1stミニアルバム「バトルフォーユー」2015年8月12日発売 / 1944円 / too basara's people records / TBPR-1001 / TOWER RECORDS ONLINE
- 「バトルフォーユー」
収録曲
- 電話
- フロムカウントナイン
- ヒーローが死んだ夜
- blue blue blue
- アネモネ
- 三億円
- ニュースキャスター
フィッシュライフ「バトルフォーユー」リリースツアー~いいバトル・夢気分~
- 2015年8月22日(土)大阪府 天王寺Fireloop
- 2015年8月26日(水)静岡県 Shizuoka UMBER
- 2015年8月28日(金)広島県 CAVE-BE
- 2015年8月30日(日)北海道 SPIRITUAL LOUNGE(※「Sapporo Neutral」への出演)
- 2015年9月3日(木)宮城県 仙台MACANA
- 2015年9月9日(水)福岡県 graf
- 2015年9月11日(金)群馬県 高崎club FLEEZ
- 2015年9月18日(金)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2015年9月19日(土)愛知県 CLUB ROCK'N'ROLL
- 2015年9月20日(日)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
- 2015年9月27日(日)東京都 TSUTAYA O-Crest
- 2015年10月3日(土)大阪府 LIVE HOUSE Pangea(※ワンマンライブ)
フィッシュライフ
ハヤシング(G, Vo)、ミヤチ(B)、テラオカ(Dr)の3人からなるロックバンド。2012年に結成され、同年に大阪・大阪城公園の「大阪城公園ストリートライブ」通称「城天」で初ライブを実施する。2013年に「十代白書」「閃光ライオット」「eoMusicTRY」など数々の大会で賞を獲得。2014年にはライブ会場限定シングルを2カ月に1度、4枚連続でリリースする。8月12日に初の全国流通盤となる1stミニアルバム「バトルフォーユー」をタワーレコード内の新レーベル・too basara's people recordsより発売。このリリースに伴い、8月22日の大阪・天王寺Fireloop公演を皮切りに全国ツアーを開催する。