ナタリー PowerPush - →Pia-no-jaC←×DE DE MOUSE×渋谷員子「FINAL FANTASY TRIBUTE ~THANKS~」座談会
「FINAL FANTASY」シリーズの記憶と音をたどる
© SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Character Graphic : Kazuko Shibuya
こんなにも多くの人に影響を与えていることにびっくりした
──「FINAL FANTASY」シリーズの魅力とはなんでしょうかね?
HIRO やっぱり想像力を働かせながら遊べる余地があるところが、僕は好きでした。「VI」までの作品にはそういうところが特にあって、「VII」以降の作品は1つの映画を見ているような壮大感があります。唯一無二のシリーズだと思いますし、衝撃的だったんですよね、「FINAL FANTASY」という作品は。
HAYATO 今の子供たちの世代でも遊べるくらい息の長いシリーズってなかなかないですよね。誰もが楽しめるという点に魅力を感じます。僕らが作る音楽も、誰が聴いても楽しめるように作っていきたいと思っているので、いろいろと刺激を受けますね。
──→Pia-no-jaC←のお二人には、今度ぜひバトル曲以外でもアレンジしていただきたいですね。
DE DE MOUSE 世代によって感銘を受けるタイトルは違うと思うんですけど、変な感じでブレることなく各世代に向けてゲームの楽しさを発信できているのが「FINAL FANTASY」シリーズだと思います。だから今の若い子が30歳くらいになったときに、きっともっとすごいゲーム機があって「FINAL FANTASY」の新しいのが出ていると思うんですけど、「VII」のポリゴンを見て懐かしんだりもするんでしょうね。僕らがドット絵を懐かしむように。そうやって時代は繰り返されていくと考えると、愛されている理由もわかります。
渋谷 私は皆さんのようにプレイヤーではないので、魅力はうまく伝えられないんですけど、皆さんのお話をお聞きしていると、自分の描いたものが、こんなにも多くの人に影響を与えていることにびっくりしますよね。
HIRO 影響はめちゃめちゃ受けましたよ! しかも自分で動かして、考えて遊べるものだったので、より感情を込めて遊んでいたと思いますし。
渋谷 そういう意味では責任は重いと最近感じています(笑)。人格形成に関わるじゃないですか。
DE DE MOUSE まあ、自分が好きなキャラクターのマネとかしますもんね(笑)。
渋谷 ここまで続けてきてよかったというのはすごく思いました。今回のジャケットだって、私がこの会社でまだ仕事をしていなければ実現しなかったですし、やり続けることの大切さを改めて感じました。
──それは本当にそうですね。
渋谷 「FINAL FANTASY」ファンの皆さんも、やりたいことがあったらくじけないで続けることが大事だと思います。私がやってきたドット絵の仕事はモニタの向こう側にいるユーザーのことを考えて1つずつ打っていました。私が描いたものを世界中のユーザーが見てくれると思うと、やっぱり責任も喜びもあり、軽く興奮もしますね。いいお仕事をやらせていただけたなって、25周年という節目を迎えて改めて思いました。
収録内容
DISC1 収録曲(曲名/アーティスト)
1 | オープニング・テーマ / 東京スカパラダイスオーケストラ |
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2 | バトルメドレー2(更に闘う者達~閃光~襲撃)/ →Pia-no-jaC← |
3 | チョコボのテーマ / グッドラックヘイワ |
4 | ハーヴェスト~古代図書館~街のテーマ / Drakskip |
5 | Mhaura~Selbina~Voyager/ jizue |
6 | いつか終わる夢 / DAISHI DANCE |
7 | コーネリア城~守るべきもの/ ALLY BAND |
8 | クリスタルタワー~禁断の地 エウレカ / NOISIAVISION featuring REXER |
9 | FINAL FANTASY I~III 街メドレー / Nabowa |
10 | ナルビナ城塞地下雑居房~悲哀(解放軍バージョン)~本当に子供なんだから...。~水のほとり / SPANOVA |
11 | 仲間を求めて / So many tears |
12 | Julia / Serph |
13 | トロイア国 / Schroeder-Headz |
DISC2 収録曲(曲名/アーティスト)
1 | ファイナルファンタジー V メインテーマ / JABBERLOOP |
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2 | ビッグブリッヂの死闘 / 栗コーダーカルテット |
3 | バトルメドレー(バトル2~最後の闘い~バトル1~最後の死闘~決戦)/ mudy on the 昨晩 |
4 | ザナルカンドにて / AVTechNO! |
5 | The Man with the Machine Gun~闘う者達~戦闘 / Calla Soiled |
6 | オープニング・テーマ~プレリュード~メイン・テーマ~街~カオスの神殿~マトーヤの洞窟~戦闘シーン~勝利~エンディング・テーマ / ぺさま |
7 | 生命の流れ - Open Reel Ensemble Remix - / Open Reel Ensemble |
8 | ジタンのテーマ~ガーネットのテーマ~ビビのテーマ~エーコのテーマ~クイナのテーマ~フライヤのテーマ~サラマンダーのテーマ~スタイナーのテーマ~ローズ・オブ・メイ / millstones |
9 | 運命のコイン / Kenmochi Hidefumi |
10 | 反乱軍のテーマ~赤い翼~カオスの神殿~暁の戦士~セリスのテーマ~オープニング・テーマ / Sword of the Far East |
11 | Melodies of life / 手嶌葵&DE DE MOUSE |
12 | プレリュード / 25th Anniversary FAN-CHESTRA |
- →Pia-no-jaC← 最新アルバム「EAT A CLASSIC 4」2012年12月5日発売 Peaceful Records
- 初回限定盤 [CD+DVD] XQIJ-91005 2300円
- 初回限定盤 [CD+DVD] XQIJ-91005 2300円
- 通常盤 [CD] XQIJ-1008 1800円
→Pia-no-jaC←(ぴあのじゃっく)
HAYATO(Piano)、HIRO(Cajon)の2人で構成されるインストゥルメンタルユニット。名前の由来は左から読むとピアノ、右から読むとカホンとなる。鍵盤と打楽器という至ってシンプルな編成ながら、重厚かつ多彩な音を鳴らすのが特徴。その独自の音楽性が各方面から注目を受け、ディズニーやスクウェア・エニックス、ショパンなど多数のトリビュートアルバムに楽曲提供。2010年発売の嵐のアルバム「僕の見ている風景」では、二宮和也から熱いオファーを受けゲストミュージシャンとして参加した。さらに宝塚歌劇団への楽曲提供、ラジオのジングル制作など幅広い活動を展開。ライブではオリジナル楽曲やクラシックなどのカバーを武器に、迫力満点のパフォーマンスを披露し、国内外の幅広い層から絶大な支持を受けている。2012年3月にオリジナルアルバム「暁」、7月には葉加瀬太郎とのコラボレーションアルバム「BATTLE NOTES」を発表。同年12月にクラシックのカバーアルバム「EAT A CLASSIC 4」をリリースした。
DE DE MOUSE(ででまうす)
遠藤大介によるソロユニット。緻密に重ね合わせたオリエンタルなメロディとドリーミーなサウンドで、幅広い層からの人気を獲得している。自主制作で発売したCD-R「baby's star jam」が各方面で話題になり、2007年1月にExt Recordingから1stアルバム「tide of stars」を発表。異例の好セールスを記録し、同年7月には早くもリイシュー盤「tide of stars SPECIAL EDITION」がリリースされた。2008年3月にavex traxへのメジャー移籍を発表、5月にメジャー第1弾となるアルバム「sunset girls」を発売。その後自主レーベル「not records」を設立し、レーベル第1弾となる4thアルバム「sky was dark」を2012年10月に発売した。
渋谷員子(しぶやかずこ)
旧スクウェア時代から現在のスクウェア・エニックスに至るまで、ゲームのキャラクターデザインなどを手がけてきたグラフィックデザイナー。主に「FINAL FANTASY」シリーズの「I」から「VI」でドット絵のキャラクターデザインなどを担当する。近年では、モバイル事業部アートディレクターとしてモバイル用タイトルのデザイン監修やドット絵キャラを描き続けている。
SQシリーズの仕掛け人、<チーフ>ことディレクターK氏 コメント
ゲームミュージックは楽しくて凄い。もっと聴かれるべき。本気で、心からそう思ってます。あらゆるジャンルを内包したインスト音楽で、しかも「耳と指」が覚えているジャンルって他にないですから。しかも「FINAL FANTASY」は、世代を超えてその楽しみが共有できる歴史がある…もうこれはトリビュートアルバムを作るしかないでしょと。
音楽が好きな人には現役バリバリ実力派ミュージシャンによるアレンジの妙に唸ってもらいつつ、鉄板のメロディーに感動してもらって、今はもうゲームをやってないなーって人には昔を耳で懐かしんでもらって、可能ならもう一度ゲーム機を引っぱりだしてもらって、現役バリバリでゲームをやっている人にはゲームミュージックの格好良さを、フレッシュなアレンジで再認識してもらって…という、完全八方美人なアレンジアルバムを本気で作ってみました。
「聴く冒険」、堪能してもらえると嬉しいです。
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