ナタリー PowerPush - FACT & sfpr
気鋭レーベルが放つ強力アルバム2作
sfprインタビュー
バンドじゃできないことをやってみよう
──10月20日にLIQUIDROOM ebisuで行われたライブを拝見したんですが、あれがsfprとしての初ライブだったんですか?
SG(B, Vo) ライブは去年の夏に、アメリカから来日していたCASH CASHというバンドの名古屋公演のサポートで1回やったんですよ。だから、2回目のライブですね。
──LIQUIDROOMのライブの感触はいかがでした?
SG 率直に楽しかったです! ぶっちゃけ、名古屋のライブは準備期間があまりなくて、まだいろいろ試している最中だったんですよ。でもLIQUIDROOMのライブはレコーディング中だったこともあり、ライブに対してもいろいろ準備できたし、なんとなく"掴めた"感覚はありますね。
FZ(G, Vo, Programming) LIQUIDROOMではスクリーンを使って歌詞を流してみたり、いろいろ試してみたんです。あと、名古屋のライブとはステージの立ち位置を変えて本人たちは左端で演奏したりと、普通のバンドでは考えられないような挑戦的な意味合いもありましたね。
──sfprのアーティスト写真からは、もっとエレクトロ寄りの演奏をイメージしてましたが、ライブはバンド然とした熱さが前に出てましたね。
FZ 2人ともバンド出身なんですが、sfprでは僕らなりのエレクトロ、ダンスサウンドに挑戦している部分もあるんですよ。でもいざライブになると、ややバンド感が強く出たのかもしれない(笑)。ただのバンドではない、ただのエレクトロでもない感じをうまくミックスしたいと思っているんです。やってくうちに固まってきたコンセプトが「バンドじゃできないことをやってみよう」というものだったし。バンドだとサウンド面で制約が出てくると思うので、あえてそれを無視した形でやってみたくて。
──バンドではできないサウンドを追求しようと思った理由は?
SG 自分たちなりにほかにはできない、新しいものをやりたいと思って。バンドではやり尽くした感じもあるし。2人組のバンドには間違いないんだけど、普通のバンドじゃないことを今追及しているところです。
楽曲を執拗にこねくり回すことに時間を注ぎたい
──ということは、音楽的には試行錯誤の途中という感じですか?
FZ 最終的にだいぶ固まったと思います。特に今回のアルバムはそうですね。「バンドじゃないことをやろう」というキーワードが出る前は、もっとバンドサウンドだったんですよ。「air」「turn new border」はアメリカ人の2人のプロデューサー(Kool Kojak、Ammo)と僕らの4人で、2日間で作ったんですけど、この2曲がロックにエレクトロを足したサウンドで「おっ、これは面白いんじゃないか」と思えて。その次に「wish」「feeder」の2曲ができて、それが今回のアルバムの起点になったんですよね。例えば「wish」だったら、そのままやればバンドサウンドでも仕上げられるけど、そうじゃなくて効果音がめちゃくちゃ入っていたり、「feeder」もロックサウンドではあるけど、エレクトロの色合いを強くしてみたりとか。
──ロックとエレクトロ、そのどちらにも偏りたくない?
FZ その辺のバランス感覚はすごく気にしてますね。
SG 元々曲を書くことが好きな2人なんですね。例えば僕が曲を書いたらそれをFZに渡して、FZがプログラミングしたサウンドが入ったデモをまた崩して、ギターやベースを入れ直したり。その繰り返しの作業の中で曲ができていくんです。だから、元々のデモを聴くと、バンドっぽかったりするんですけど……こうやって曲ができあがっていくプロセスが、sfprらしさなのかなって。それはバンドだとできないことじゃないですか。バンドはコンポーザーのイメージを尊重しなきゃいけないし……もちろん僕らもお互いの曲のイメージを崩さないようにはするけど、自分の想像とはまた違うものができるのが楽しいんですよ。昔は人の意見を受け入れづらかったけど、歳を重ねると、逆に人の意見が貴重だったりするんですよね。
FZ 楽曲を執拗にこねくり回すことに時間を注ぎたいというか、練る作業にすごく時間をかけたくて。だけど、オーバープロデュースにならないように気は使ってます。こう言うと気持ち悪いかもしれないけど、お互いにお互いの曲が好きなんですよ。
SG そこからこのプロジェクトが始まったようなものなので。
FZ お互いに、あるアーティストさんに楽曲を提供するという形で関わったことがあるんですが、この人の曲はめちゃくちゃカッコいいなあと思って、それで引き合わせてもらったんですよね。
CD収録曲
- FOSS
- 1000 miles
- pink rolex
- melt
- tonight
- polyrhythm winter
- 狂
- eighty six
- crying
- mimic
- 1-4
- GSMD
- temptation
- give up - 日本盤 Bonus Track -
- empty mind - 日本盤 Bonus Track -
Disc.1:
Eat Your WordsまでのMUSIC VIDEO13作品を全て収録
Disc.2:
Documentary Film - a life of fact -(Special Edition)
RENTAL盤には収録されなかったUKTourの模様や同じく未収録となったKenYokoyamaやClosure In Moscow(AUS)をはじめとするコメントなどを収録したスペシャル盤
CD収録曲
- awakening and riot!!
- awakening and riot!!
- feeder ft.hitomi
- bring down your flags!!
- wish
- The Nights,
- turn new border
- air
- snow, forest, clock
- sooxxthsayer
- Born Slippy Nuxx ft.ADSKILLZ/SLICKLIPS
- Maxwell's demon
- warseeds
- Arms, Darkness and The World's End
- terminal for give
- L.astO.perationS.ystemT.ool
- Mark Prays◆Monster.
FACT(ふぁくと)
Takahiro(G, Vo)、Kazuki(G, Vo)、Hiro(Vo)、Eiji(Dr, Vo)、Tomohiro(B, Vo)の5人からなるロックバンド。1999年結成。2009年4月、フルアルバム「FACT」で全世界同時デビューを果たす。スラッシュメタル、グラインドコアなどの影響を感じさせるヘビーなサウンドに、ダンスロック、打ち込みなどの要素を取り入れたオリジナリティ溢れるサウンドで、幅広いリスナーからの支持を得る。2012年1月、4thフルアルバム「burundanga」をリリース。
sfpr(えすえふぴーあーる)
SG(B, Vo)とFZ(G, Vo, Programming)からなるロックバンド。バンド名は「SGとFZのPROJECT」からつけられた。元々作家として活動していた2人がお互いの楽曲に惚れ込み、2011年にバンドを結成。ロック、ダンス、打ち込みなどさまざまな要素をごった煮にしたアルバム「apocalypse」で2012年にデビュー。