ナタリー PowerPush - FACT & sfpr
気鋭レーベルが放つ強力アルバム2作
maximum10移籍後初のアルバムを作ったときと近い作り方を採った
──アルバム「burundanga」は間違いなくFACTの最高傑作と言っていい仕上がりだと思います。個人的にも大好きな作品なんですけど、皆さん自身の手応えはどうですか?
Kazuki 手応えはすごくありますね。こういうのを聴きたかったというか、自分たちが求めていたものを作れた感じがします。作ってるときにそれをすごく意識したわけじゃないけど、結果カッコいいものができたなって。
Takahiro 極端に言うと「たとえ売れなくても、俺はこれを作れて良かった」ってくらい、いいものを作ったなという自信はありますね。また新しい一面を出せたと思うし。
──今回、FACTが求めたサウンドというと?
Kazuki 毎回、作る前にどういうものにしようって話し合いはするんですけど、大体そのイメージどおりにはならないんですよ。今回もスケジュール的に追われている中、これだけの数の曲を用意しなきゃいけないという感じで、頭を悩ませながらガムシャラになって曲を作ってただけなんですよ。だから、狙ったというよりも、今までの経験で染み付いたものが出てきたのかなって。
Takahiro 今回は作り方も良かったのかもしれない。移籍後の初アルバムの「FACT」を作ったときと、近い作り方だったんですよ。まず俺とKazukiで曲を作って、スタジオでほかの3人に音を乗せてもらうという。だから、生でほとんど合わせてないんですよね。イメージ先行で曲作りしたのが、良かったのかなと。
Hiro みんなで作ろうぜ!という時間が全く持てなくて、ギターはギター、歌メロは歌メロ、それぞれ別々で作ったことが功を奏したのかなと。
Takahiro 役割分担ははっきりしてましたね。
──1stアルバムの作り方に戻したのは、何か理由があったんですか?
Kazuki ただ時間がなかっただけです(笑)。
──あっ、ホントにそれだけの理由ですか。
Eiji うん、俺もレコーディング1週間前ぐらいまで、自分のドラムの確認ができなかったし……。
Tomohiro 振り返る時間もなくて、とりあえず作り続けるしかなかったんですよ。
成長してきた部分がうまく開花した
──聴いた印象だと、ものすごく緻密に計算して作られた楽曲ばかりだと思ってました。
Kazuki ウワモノはその場で考えることもあったけど、曲の構成自体はしっかり考えたので。
Takahiro エルヴィス(プロデューサー)からも「おまえら、いい曲書いてきたな」と言われましたからね。だから、アレンジはレコーディングで大きく変わったわけじゃないんですよね。細かいところで、エルヴィスがいい案を出してくれたこともあったけど。
──今回は本当に全曲、リード曲にしてもいいくらいのクオリティですよ。
Kazuki ああ、うれしいですねえ。
Takahiro Hiroが歌メロを付けるときに、Aメロ、Bメロとかではなくて、全部サビぐらいの感覚でメロを付けようと言ってて。それが良かったのかもしれない。
Kazuki そうだね。だから、どのメロをとっても、インパクトがしっかりある。
──楽曲の場面展開もこれまでになく激しいけど、キャッチーな部分は全く損なわれてませんからね。
Hiro 1stアルバム、2ndアルバムのときは、作った曲をエルヴィスに聴かせると、アレンジを変えられることがあったんですよ。それを繰り返すうちに、自分たちなりに曲の構成をこうすればもっと良くなる、みたいなことがわかってきて。今回は、そういうふうに成長を遂げた部分が出たんじゃないかな。俺たちらしさもすごく出てると思うし、自分たちでも何回聴いてもカッコいいと思えるし……。いい意味で大人になった感じはしますね。
Kazuki ヒネクレてはいるけど、曲のつなぎとかはスマートだもんね。
Takahiro 逆にこの曲はアレンジしないほうがいいと言われることもあったので、僕らの力に加えて、エルヴィスのプロデュース力が大きいのかなと。
Tomohiro ほんと成長してきた部分が、今回うまく開花したと思います。エルヴィスも徐々に俺らのことをわかってくれて、それを踏まえた上で作品を作ることができたから。
CD収録曲
- FOSS
- 1000 miles
- pink rolex
- melt
- tonight
- polyrhythm winter
- 狂
- eighty six
- crying
- mimic
- 1-4
- GSMD
- temptation
- give up - 日本盤 Bonus Track -
- empty mind - 日本盤 Bonus Track -
Disc.1:
Eat Your WordsまでのMUSIC VIDEO13作品を全て収録
Disc.2:
Documentary Film - a life of fact -(Special Edition)
RENTAL盤には収録されなかったUKTourの模様や同じく未収録となったKenYokoyamaやClosure In Moscow(AUS)をはじめとするコメントなどを収録したスペシャル盤
CD収録曲
- awakening and riot!!
- awakening and riot!!
- feeder ft.hitomi
- bring down your flags!!
- wish
- The Nights,
- turn new border
- air
- snow, forest, clock
- sooxxthsayer
- Born Slippy Nuxx ft.ADSKILLZ/SLICKLIPS
- Maxwell's demon
- warseeds
- Arms, Darkness and The World's End
- terminal for give
- L.astO.perationS.ystemT.ool
- Mark Prays◆Monster.
FACT(ふぁくと)
Takahiro(G, Vo)、Kazuki(G, Vo)、Hiro(Vo)、Eiji(Dr, Vo)、Tomohiro(B, Vo)の5人からなるロックバンド。1999年結成。2009年4月、フルアルバム「FACT」で全世界同時デビューを果たす。スラッシュメタル、グラインドコアなどの影響を感じさせるヘビーなサウンドに、ダンスロック、打ち込みなどの要素を取り入れたオリジナリティ溢れるサウンドで、幅広いリスナーからの支持を得る。2012年1月、4thフルアルバム「burundanga」をリリース。
sfpr(えすえふぴーあーる)
SG(B, Vo)とFZ(G, Vo, Programming)からなるロックバンド。バンド名は「SGとFZのPROJECT」からつけられた。元々作家として活動していた2人がお互いの楽曲に惚れ込み、2011年にバンドを結成。ロック、ダンス、打ち込みなどさまざまな要素をごった煮にしたアルバム「apocalypse」で2012年にデビュー。