音楽ナタリー Power Push - FACT
全員で明かす、FACTの歩み&解散理由
「WITNESS」「KTHEAT」期
──「WITNESS」からAdamさんが加入して、トリプルギターの6人編成になりますよね。
Adam そうですね。「In the blink of an eye」からコーラスはやってるし、「burundanga」でもちょっと手伝っているんですけどね。
Kazuki Adamはメンバーとして正式に加入していないときも、メロディのアイデアをくれたね。
Adam けっこう長く一緒にいたね(笑)。「WITNESS」は正式加入して1年半後に作ったアルバムだから、バンドになじんでいたと思う。入ってすぐ音源を作っていたら、参加できないというか、アイデアを出すのは恥ずかしかったかもしれない。「ape」なんて、恥ずかしかったよ。
全員 はははは(笑)。
Adam 恥ずかしいという言葉が合ってるかわからないけど、みんなの前でワケわかんないメロディを歌うのは……俺はいいと思っていたけど、みんなはどう思うかなって。恥ずかしいというより、不安だった。
──「ape」は曲調の斬新さに驚きましたけどね。
Eiji 驚きました? アフリカに行っちゃったみたいな(笑)。
Takahiro 「ape」はできねえ!と言って、ジャンベを叩いたら、Adamが歌を乗せてきましたからね。
Kazuki 俺はレゲエと思ってないのに、いろんなヤツから「レゲエみたいな曲」と言われて。
Adam レゲエ聴かないもんね(笑)。
Takahiro 俺はサーフロックのイメージでギターを弾きました。まあ、いろんなものが入っているんですね。
──HiroさんとAdamさんのツインボーカル体制にもなりました。
Hiro 俺とTomohiroでツインボーカルをやっていた時期もあるんですよ。ツインボーカルはやりたいことの1つだったから、また違う形でやれてよかったですね。
Kazuki 最初はツインボーカル、トリプルギターでやっていたから、1周してまた戻ったんですよ。再び「The fine day never last」の頃と同じことをやるという、意味わかんないバンドですよ(笑)。
──(笑)。それからベストには、今年出た「KTHEAT」から「the way down」「wait」「over」の3曲が収録されてます。
Kazuki これも好きな作品ですね。最近はライブで「the way down」をやるのが楽しみで楽しみで。
Adam あの作品はハードコアって言われますね。でもこの3曲を見ると、1曲1曲全部違う(笑)。
Hiro ただ、全曲歌える感じなんだよね。だから、このあたりの曲になると、客席のほうに行くのが楽しくて。マイクを向けると、歌えるヤツも、まったく歌えないヤツもいるから、それが面白い(笑)。
Adam 歌詞を知らなくて、ワーッ!と叫んでるヤツもいるしね。
Kazuki 2009年から2015年までの曲を入れてるけど、全体のバランスもいいかなと。俺らのベストにふさわしい内容になりました。
最後のライブというよりサーキットイベントを楽しんで
──実質的にFACTのラストライブになるバンド主催のサーキットイベント「ROCK-O-RAMA 2015」が11月20日に渋谷の複数のライブ会場を貸し切って行われます。最後にこのイベントに対する気持ちを聞かせてもらえますか?
Kazuki 「ライブハウスやべえぜ!」というのが伝わればいいなと。去年、幕張メッセでやったとき(参照:FACTの15周年を総勢17組が祝福!轟音まみれの10時間半)は「でかいホールをライブハウスにしようぜ」という意気込みだったんですよ。今回は「ライブハウスはとことんヤバイんだぞ!」って。いいメンツも集まったし、ぐちゃぐちゃになってほしいですね。
Tomohiro 俺らの最後のライブというより、このサーキットイベントを単純に楽しんでほしい。俺らもそういうつもりですからね。
Kazuki 俺らは最後のライブになるけど、そのときにどんな気持ちになるのか、当日を迎えないとわからない。今は初めてのワンマンツアーを回っているけど、1本1本すごく楽しめてます。どんなフェスやイベントもそうだけど、「ROCK-O-RAMA」も一生に1度しかないから、ぜひ足を運んでほしい。
──メンツがすごすぎて、入場規制がかかりそうですね。
Tomohiro どこのイベントもそれはあるじゃないですか。だけど、ほかの会場に行けばそれはそれで楽しいから。アコースティックステージを含めて、4会場でやりますからね。サーキットはそういうイベントだから、それをわかった上で、自分ならどう楽しむのか、その時々で考えてくれたらいいなと。
──もう、イベント丸ごと楽しんでほしいと。
Tomohiro はい。そうじゃないと、ワンマンでやるのと変わらないですからね。あまり最後という感じではなく、その場を楽しみましょうと。
- ベストアルバム「best+ 2009-2015」2015年11月11日発売 / maximum10
- 「best+ 2009-2015」
- CD+DVD 4104円 / MXMM-10048
- CD 3024円 / MXMM-10047
収録曲
- look away
- choices
- paradox
- a fact of life
- purple eyes
- rise
- hate induces hate
- slip of the lip
- sunset
- the shadow of envy
- error
- FOSS
- drag
- witness
- ape
- miles away
- disclosure
- the way down
- wait
- over
CD+DVD盤 DVD収録内容
- ラストツアー「FACT "KTHEAT" JAPAN TOUR」大阪・なんばHatch公演のライブ本編
ROCK-O-RAMA 2015
2015年11月20日(金)
東京都 TSUTAYA O-EAST / 渋谷duo MUSIC EXCHANGE / clubasia
OPEN 16:00 / START 16:30
<出演者>
The BONEZ / COUNTRY YARD / Crossfaith / Crystal Lake / FACT / HER NAME IN BLOOD / HEY-SMITH / Ken Yokoyama / LITE / LOYAL TO THE GRAVE / MAN WITH A MISSION / NOTHING TO DECLARE(Acoustic Set) / POP DISASTER(Acoustic Set) / SIDE IMPACT / SNORT / STORM OF VOID / SWANKY DANK(Acoustic Set) / waterweed
FACT(ファクト)
Kazuki(G)、Adam(G)、Hiro(Vo)、Eiji(Dr)、Tomohiro(B)、Takahiro(G)の6人からなるロックバンド。1999年結成。2009年4月、フルアルバム「FACT」で全世界同時デビューを果たす。スラッシュメタル、グラインドコアなどの影響を感じさせるヘビーなサウンドに、ダンスロック、打ち込みなどの要素を取り入れたオリジナリティあふれるサウンドで、幅広いリスナーからの支持を獲得。2012年から現在の6人編成となる。2015年、3月に6thフルアルバム「KTHEAT」をリリースした後、年内で解散することを発表。同年秋にバンド初のワンマンツアーを行い、11月に最後の作品となるベストアルバム「best+ 2009-2015」をリリースして主催イベント「ROCK-O-RAMA 2015」でラストライブを行う。