yu-kiは英語が得意？

──「As you wish」は作詞の名義におしゃれなクレジットがありますね、「JxSxK」って？

maho　これは渡辺（淳之介 / WACK代表）さんの作家名義ですね。

──そうなんですね。イギリスにいるんでしたよね？ エアメールみたいな感覚？

一同　ははは。

maho　今回の歌詞は、グループへのメッセージとして受け取ったというよりは、読んでいて「人としてこういう気持ちになることもあるよね」という感想を持ちました。寂しさに寄り添うような内容と捉えています。

mikina　そう。リスナーの情緒に近い目線で書いてるなって。

──「Obsession」の英語バージョンは、昨年ロンドンでライブをやったとき用なんですよね？ 僕、この間Queenの日本公演を観に行ったんですけど、Queenが全部日本語で歌ってたら嫌かもしれないなって思ったんです。でもこの1曲だけ英語になっているセットリストだったとしたら、現地のファンも喜んだだろうなって。

maho　私たちの曲を知らない英語圏の人にはよかっただろうなって思います。ちなみに、私たちの曲を知っている人はみんな日本語の曲は日本語で歌ってくれるんですよね。うれしかったな。

──ネイティブの言語じゃないから、全編英語だとどこまで気持ちを込められるかとか、歌とはまた別の課題が出てきますよね。ちなみに英語が一番得意なのは誰ですか？

mikina　yu-kiちゃん。コミュニケーション能力が高いのと、聞き取れるんだよね。

yu-ki　聞き取るのはできます！ 話すのは難しかった。

mayu　yu-kiの英語ラップがカッコよすぎたんですけど、「私、もう日本語辞めよっかな！」とか言ってた（笑）。

maho　帰国したあとのライブで「ヤバい！ 英語が抜けない」って（笑）。

mayu　なんか英語で歌い出したんですよ！（笑）

yu-ki　英語を練習しすぎて、日本語の歌が出てこなくなっちゃって（笑）。

ExWHYZからマスターへの“ラブレター”

──10曲目「Fleeting」はmahoさんとmayuさんが作詞をしてますね。

mayu　年末に書いた歌詞なんです。夏に始まったツアーがパート1から3まで無事に終わったあと、私はそのライブで感じたこと、マスターに対して感じたことを書きました。mahoちゃんとの共作なので本来書いていたものとは違うんですけど、マスターへの気持ちという面では同じなので、ExWHYZからファンへのメッセージだと思ってくれたらうれしいです。

──「僕ら歌うから また逢えるように」というメッセージがいいですね。ラブソングのような響きもあって。

mikina　想像以上に愛があふれちゃって、ラブレターになりましたね（笑）。

maho　歌詞をメモに書いてから仕上げていくんですけど、書いていたのが2023年から2024年のちょうど年またぎのタイミングで。私、普段の年越しって「ただ1日過ぎるだけじゃん」と思うタイプなんです。でもこれを書きながら、そんな1日への愛おしさも感じつつ、これからも歩みを進めていきたいなと思って。前向きな気持ちで年越しできた記憶があります。

──本作を携えてのツアー「ExWHYZ TOUR 2024 'Futura Free'」が5月にスタートしますね。

maho　「Dress to Kill」の楽曲はもちろん、2022年に始動してからこれまでの活動でExWHYZの武器がたくさん増えました。ツアーの構成はこれから考える形になりますけど、間違いなく面白くしていける自信があるので楽しみです。でも、もしかしたら楽曲のバラエティが豊かすぎて、マスターがついてこられないかもしれない。そうなったら、私たちがちゃんと手を差し伸べて、つないでいきたいです。ライブごと、お客さんごとにいろんなノリがあっていいと思うし、毎回違う楽しさをその瞬間で作っていけたらいいなって思います。

──となると、「Dress to Kill」の収録曲に関しては、オリジナルバージョンが披露されることもあれば、リミックスバージョンが投下されることもありそうですね。

mayu　あると思います！ 昨年のアルバム「xANADU」に入っていた「ANSWER」は、最初にオリジナルを披露して、最後にリミックスをやるってこともすでにあったので。「Dress to Kill」の収録曲は、クリエイターの皆さんがそれぞれの感性でリミックスしてくださった作品です。私たちはオリジナルとは違った、新曲という気持ちで楽しくパフォーマンスできたらなって。

もっと一緒に、ずっと一緒に楽しい空間を

──ExWHYZの皆さんとお会いするのは1年ぶりくらいですけど、いい意味で雰囲気が変わりましたよね。変な言い方ですけど、これまでより肝が据わったというか。飲むお酒の種類が変わったんですよね？

一同　ははは！

mayu　もともと飲めなかったから、飲めるようになるために飲んでました（笑）。

──アーティストのオーラが高まって、近付きがたい雰囲気もどこかありますよね。

一同　えー！

now　そんなことないですよ（笑）。

──そうそう。「そんなことない」って、ファンはきっと知ってるんですよ。

now　わあ。うれしいお言葉！

──アーティストとアイドルの狭間で葛藤を抱えたりもせず、乗りこなしてる感じがします。

maho　そんなにアイドルとかアーティストとか考えたことないんですよね。

mayu　「楽しければいいでしょ！」っていう感覚。

──そういう言葉が一番心強いですね。

maho　最近WACKの全グループとツアーを回ったんですけど、WACKの皆さんが本当に素敵で。その一部になれているのはうれしいなと思いつつ、自分たちは自分たちのやり方で勝負してるって感じです。

──WACKのグループはそれぞれが昨年あたりからより独自路線が強まってますよね。

mikina　確かに。どのグループもバイブスが違うから、私たちとそれ以外のグループが違うってわけじゃなくて、みんな違うかな。

mayu　うん。全グループがそれぞれの道でがんばってる。同じ事務所で気のいい人たちだから、元気をもらえます。

──では、マスターの皆さんに最後にひと言もらっていいですか？

mayu　マスターと作るExWHYZのライブ空間が何よりも大事だし、楽しくて好きなので、それをもっともっと突き詰めていきたいです。だけどそんなにストイックで必死になるということではなく、マスターと楽しみながらExWHYZのライブの面白さをもっと広めていきたいです。まだ会ったことのない人にもきっと「楽しそうだな」という雰囲気が漏れ伝わっていくと思うので、マスターのみんなと面白がって突き進む1年にしたいですね。

mikina　ライブに重きを置いた、こういうバラエティに富んだアルバムを出せるのも、マスターの反応があったからこそです。1つひとつが積み重なって、ここまで来られたとすごく感じているので、これからもお互いの温度をしっかりと感じて、ライブを大事にして活動していきたいです。そして「ずっと楽しい」をずっと続けられるように、広げられるようにがんばりたいです。

maho　ExWHYZのメンバーは全員、本当にマスターのことが大好きです。みんながライブ会場に足を運んでくれたり、声をかけてくれたりするだけで、私たちはたぶんわかりやすいくらいにテンションが上がっていると思います（笑）。私はほかのメンバーがそうやって元気になってるのを見ていてもテンションが上がるくらい、本当に力をもらっています。みんなでワクワクすることを楽しんでやっていけたらいいなという思いはEMPiRE時代から変わっていないので、これからもそれを続けていけたらいいなって思います。

now　5月にツアーが始まります。このツアーでは初めて行く場所もあります。いろんな出会いはずっと大切にしていきたいと思いますし、もっともっといろんな人にExWHYZを知ってもらえるような1年にしたいし、マスターをいろんなところに連れていきたい。フェスにも出られるようにがんばります！

yu-ki　ライブをするたび、マスターと会うたびに、「みんながいてくれるからこその私たちだな」というのは本当に常日頃から感じています。ライブで曲が育っていくのは、みんながいるから。私たちの想像を超える反応をもらって、私たちがマスターに驚かされるっていう、そういう関係が本当に好きです。これからもそういう時間をみんなと過ごせたらいいなって思います。