=LOVE「あの子コンプレックス」発売記念インタビュー|佐々木舞香を中心に描き出す、息が苦しくなるほどの失恋ストーリー (2/4)

“保健室リーダー”の初単独センター曲

──今回のシングルには山本さんのセンター曲「笑顔のレシピ」がカップリング曲として収録されています。山本さんが単独でセンターを務めるのはこれが初めてですね。

山本 はい。2018年にリリースした4thシングル「Want you! Want you!」のカップリング曲「今、この船に乗れ!」以来のセンターで、そのときは(髙松)瞳とのダブルセンターでした。今回は単独ということで、ファンの方にうれしい報告ができる喜びがあったんですけど、正直不安な気持ちが強くて。MVの撮影ではみんなの真ん中にいるのが不思議な気持ちで、1日中落ち着かなかったです。でもみんなが一緒に盛り上げてくれたので、曲名通り、笑顔でいっぱいのとても楽しい現場でした。振り付けもメンバーと目が合うタイミングが多いので、そのおかげで安心してパフォーマンスできると思います。

──=LOVEメンバーの絆をそのまま歌詞にしたような、明るく前向きな楽曲になってますね。

山本 =LOVEの気持ちそのままですね。“ザ・イコラブ”な曲です。

大場 「ずっと言えなかったんだ なんだか恥ずかしかった 私、あのステージに立ちたい」という歌詞で始まるDメロとか、特にメンバーのリアルな気持ちと重なります。

山本 「『涙』はちょっと多めで」とか、「さあ 辿り着いて みんなで泣こう」という歌詞もありますが、指原さん的に=LOVEメンバーはすぐ泣くという印象があるんだと思います(笑)。最近は泣くことは減ってきたと思うんですけど、「ちょっと多め」というのがいいですよね。あと、最初に読んだときに個人的に一番うれしかった歌詞は、「そうだ 『絆』もあって『優しさ』もたくさんあるよ」という部分で。ホントにメンバーのことがそのまま描かれているし、これを指原さんが書いてくださったことが何よりうれしかったです。

山本杏奈

山本杏奈

野口 まだ杏奈のセンター曲だと知らなかったとき、音源を聴いて「この曲は杏奈がセンターがいい」と思いました。

佐々木 本人は「いやいや……」と謙遜してたんですけど、メンバーみんな「この曲のセンター、杏奈でしょ」と言ってました(笑)。杏奈はすごく苦労人だし、自分で言うのもなんなんですけど=LOVEは問題児ばっかりで(笑)。そんなメンバーを杏奈がしっかりまとめてくれているのをみんなわかってるんですよ。「みんなで手を繋ごう」という歌詞からは杏奈が真ん中にいてみんなを引っ張ってくれるようなイメージが浮かびますし、一緒に上に行きたいと思わせてくれるのが杏奈の魅力なんです。

野口 曲を最後まで聴き終えたときに頭に浮かんだのが、みんなで杏奈を囲んでいるイメージでした。ずっと=LOVEを引っ張って支えてきてくれたリーダーの杏奈がセンターで歌うことで、この曲の説得力が増すなって。ファンの方にも共感してもらえる曲だと思うし、歌詞にあるように「私がいて 君になれる『=』な関係」だとファンの方も含めて言いたいです。MVは東京ドームをバックに撮影したんですけど、この曲を東京ドームのステージで歌いたいと思いました。

音嶋 MVでは杏奈の笑顔をたくさん見れるし、ファンの方も「=LOVEが好きだ」「一緒に上を目指したい」と改めて思ってくれるんじゃないかな。

大場 今まで=LOVEは目標のステージをあまり口にしてこなかったんですよ。ファンの方もそのことに気付いていて、「メンバーはどう思ってるんだろう……?」という疑問を持っていたと思うんですけど、この曲のDメロやMVを通して「やっぱりそういう気持ちだったんだ!」と感じてくれると思います。

大場花菜

大場花菜

──確かに、姉妹グループの≠MEが「東京ドームのステージに立ちたい」という目標を公言しているのに対して、=LOVEははっきりと宣言してこなかったですよね。

山本 初期の頃は口に出して言ってたんですけどね。

野口 根本的なみんなの性格だよね。大きな目標を言うことを申し訳なく感じちゃうというか。そんな私たちの背中を、指原さんが「笑顔のレシピ」を通して押してくれているんだと思うので、がんばりたいですね。

──ちなみに、アイドルグループのリーダーって張り切ってメンバーを牽引するタイプもいれば、後ろから支えるタイプもいると思うんですが、山本さんはどんなリーダーですか?

大場 優しいリーダーでもあるし、いじられキャラなリーダーでもあります。

野口 どんなリーダーにも当てはまるよね。

佐々木 私的には“保健室リーダー”かな。

野口 あー、わかる!

佐々木 みんな悩んだときは絶対に杏奈に相談しに行くんですけど、「どうしたの?」って聞いてくれる姿がまるで保健室の先生みたいなんです(笑)。優しいから人に強く言えなかったり、真面目だから考えすぎちゃったり部分もあるので、みんなの悩みを引き受けてくれているリーダーの悩みをメンバー全員で受け止めたいですね。

大場 相談しに行くと、杏奈はいつも優しい言葉をかけてくれて。それだけで泣きそうになります。

佐々木 話のトーンが優しいんだよね。保健室トーン。

音嶋 杏奈はリーダーに就任する前からメンバーのことをまとめてくれていて、リーダーに正式に就任したときもすごく納得でした。

音嶋莉沙

音嶋莉沙

1人じゃなくてよかった

──このほかに、シングルには佐々木さん、野口さん、諸橋さんという=LOVEで特に歌唱力に定評にある3人が歌うロックサウンドのユニット曲「知らんけど」も収められています。

佐々木 これはすごく大人びた曲ですね。

野口 夜のイメージです。夜に繰り広げられる物語。ネオン街が思い浮かぶような雰囲気や、私のソロ曲の「拝啓 貴方様」に似た相手に噛み付く感じの歌詞が特徴で、「笑顔のレシピ」をはじめ、ほかの収録曲とのギャップが面白いです。

佐々木 ライブで披露したらいったい全体どんな感じになるんだろうというワクワク感もありますね……知らんけど(※取材は初披露の場となった「=LOVE全国ツアー2022『どう考えても、君ってイコラブのこと好きじゃん』」ファイナル公演の前に実施)。

野口 ライブを重ねていくとどんどんよくなるタイプの曲のような気もします。知らんけど。

山本 あははは!

佐々木 インタビューではこの曲の話のときは全部「知らんけど」って返そうと話してたんです(笑)。とにかく、今までの=LOVEにはなかったような曲なので、いろいろと未知ですね。個人的にはライブでの諸橋沙夏姉さんが楽しみです。ずっと沙夏を見ていたい。

佐々木舞香

佐々木舞香

山本 すごく曲に入り込みそう。

野口 沙夏が歌う「厄介だって」という部分がすごくいいんですよ。「い」の言い方が。ライブで“無双”してほしいです。

──楽しみにしています。4月から=LOVE史上もっとも大規模な全国ツアー「=LOVE全国ツアー2022『どう考えても、君ってイコラブのこと好きじゃん』」が行われていますが、このツアーでは19曲連続のパフォーマンスが見どころとなっています。これだけの曲数を休みなく披露するのは初の試みですよね。

大場 はい。でも、途中でキツいと感じる瞬間はあるものの、意外と大丈夫なんです。ダンストラックで早着替えして、「BPM170の君へ」にいくまでが一番キツいです。

山本 途中に映像の上映があるんですけど、その間もステージ裏で走って急いで着替えているので休む瞬間がほとんどないんです。でも、今の=LOVEならできると指原さんやスタッフさんが考えて、挑戦させてもらえることがうれしいです。今回のツアーはひさびさのスタンディングOKのライブなので、私たち以上にファンの皆さんのほうが疲れちゃってるかもしれないです(笑)。

佐々木 映像が始まるとすぐみんな座るからね(笑)。

野口 こんなに連続で披露できるだけの楽曲があることも、改めて考えると感慨深いです。ガチャガチャで歌う曲を決めるコーナーがあるんですけど、披露しきれないほどの曲があるのはありがたいことです。

野口衣織

野口衣織

大場 今回のツアーは=LOVEにとってひさしぶりの大きなコンサートだったので、ファンの方もツアータイトルのように「やっぱりイコラブのこと好きじゃん」って自分のことを再認識してくれていたらうれしいです。

──YouTubeに北海道でのツアー初日のメイキング映像がアップされていましたが、開演前に野口さんが涙ぐんでいる姿が印象的でした。東京・日本武道館や神奈川・横浜アリーナなど大きな舞台を経験し、結成5年目を迎える今でも大きな緊張を感じるものなんですね。

野口 そうですね。どうしても慣れなくて……そのたびに私1人じゃなくてよかったって思います。私の思考回路だと「初日だから失敗できない」とか、「もし失敗したらどうしよう」という考えで頭がいっぱいになっちゃうんですけど、メンバーが「(ファンの方は)みんな私たちのこと好きだから大丈夫だよ!」と声をかけてくれて。私にはない考え方を共有してくれていつも心強いです。