黒い部分を表現できるのが楽しい

──「ズルいよ ズルいね」は全員で歌うパートがなく、ソロパート中心の歌割りになっています。レコーディングで特に意識したことはありますか?

音嶋莉沙

音嶋 「切ない声ってなんなんだろう……」とすごく考えました。笑顔で歌うと明るい声、暗い顔で歌うとそういう雰囲気の声が出るんですが、暗くなりすぎずに儚い声を出すのが難しくて、「どういう歌い方がこの曲に一番合うんだろう」と何回も考えながらレコーディングしました。

樹愛羅 私は歌っていると自然と高い声になってしまうんですけど、今回は曲に合わせて低めに歌いました。あまり慣れてなくて上手に歌えたかはわからないですが、AメロとBメロの間の好きなパートを歌わせていただいたので、ライブではもっと上手に感情を込めて歌いたいです。

──歌詞も大人っぽい内容になっていますが、特に心に刺さったフレーズはありますか?

大谷 私が担当している1番の「不幸になってほしいなんて思ってないよ だから…」というセリフから、「幸せにはならないで」という歌の部分が特に印象的で。誰しもこのように考えてしまうことはあると思うんですけど、それを隠さずに歌詞でさらけ出していて、とても心に刺さりました。確かにホントに好きな人と結ばれなかったら同じように思っちゃうかも、と自分自身と重ねて考えました。

──普通のアイドルソングだったら「幸せになってほしい」と願うところですよね。

大谷 そうなんですよ。そういう負の側面というか、黒い部分を表現できるのも楽しいです。

齊藤なぎさ

──2番の「私が声をあげて泣いていたら 君は振り向いてくれたのかな」というセリフは、なぎささんが担当しています。

なぎさ 私は声を上げて泣くときと声を出さずに泣くとき、どちらもあるんですけど、「この曲の子はきっと声を出せなかったんだな」と思いました。なんかわかるんですよね。ホントにつらいときって声が出ないですし。ホントに好きだったからこそ、泣いているところを見せられなかったという気持ちが曲から伝わってきました。私もつらくて泣くときに声を出せなかった経験があるし、人前ではあまり泣きたくないと思っているので、自分の気持ちを込めてささやく感じで表現しました。

──「ズルいよ ズルいね」のミュージックビデオではメンバー全員が泣きの演技を披露していますが、撮影はどうでしたか?

大谷 全員の泣くシーンがあると聞いたときに、「これは苦戦しそうだな」と思いましたね。実際難しかったんですけど、私は遊園地でイルミネーションをバックに1人で撮影したので、感情を入れやすかったです。

音嶋 メンバーそれぞれ違う場所で撮影したんです。普段人前で泣くことはないですが、私も夜のシーンでいい環境の中で撮影したので、すごく感情を込めやすかったです。

諸橋沙夏

諸橋 私はほかのメンバーの演技は樹愛羅のしか見ていなかったので、どれくらい泣いていいのかわからなかったんですよ。シクシク泣くのか、声を上げて泣くのか。完成したMVを観たらみんながキレイな涙を流している中、自分だけすごい顔で激しく泣いていて。友達に感想を聞いたら、「顔がすごかった」と言われました(笑)。

樹愛羅 (笑)。それぞれメンバーの泣き方に個性があるんです。

──なぎささんは映画「ナツヨゾラ」(オムニバス映画「夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風」の一編)で主演を務めた経験が、イコラブの活動にフィードバックできているところもありますか?

なぎさ はい。映画での演技はすごく大変ですが、その中で感情の入れ方を学ぶことができて、「ズルいよ ズルいね」のMV撮影でも生かせたと思います。

ファン1人ひとりのことを大切に思ってる

──シングルには5人が歌うカップリング曲「Sweetest girl」も収録されます。この曲は「ズルいよ ズルいね」とは対照的で、日常における女の子の気持ちを歌ったかわいらしいナンバーです。

諸橋 「あー、わかる」と思うところがたくさんありました。Dメロに「『私なんか…』って言わないで」というフレーズがあるんですけど、私たちの知名度が上がるにつれて「私なんかが応援しなくても大丈夫でしょ」と言うファンの方がいて。私は1人ひとりのことを大切だと思っているので、この思いがファンの方に届くといいなと思います。

齋藤樹愛羅

樹愛羅 この曲は“ザ・女の子”という感じで、みりにゃ(大谷)を象徴するような曲なんです。みりにゃが好きなシナモンというワードが出てくるし、=LOVEは女の子のファンの方が多いので共感してもらえるんじゃないかなと思います。あと、この曲は腰を痛める……じゃない(笑)、えーと、腰を使う?

大谷 (笑)。女性らしい振り付けになってるんだよね。

樹愛羅 そう! かわいくパフォーマンスできるようにがんばりたいです!

大谷 初めて歌詞を見たときに、自分への応援歌だなと思いました。そのとき、実はいっぱいいっぱいな気持ちだったんですけど、この歌詞をいただいて支えになったというか、心に寄り添ってくれる曲だなと感じたんです。シナモンのほかにも、メイクやラーメンとか私が好きなものが歌詞にたっぷり入っていて。女の子の気持ちを歌った曲ですけが、毎日をがんばっているすべての人への応援歌でもあると思うので、たくさんの方に愛してもらえたらうれしいです。

──そういえば、デビュー2周年コンサートにはサンリオのシナモンがゲストとして登場しましたね。

大谷映美里

大谷 =LOVEの活動の中で、トップ3に入るくらいうれしい出来事でした! バイバイするとき寂しくて泣いちゃいそうになりました(笑)。

樹愛羅 かわいい!(笑)

──シングルには8月の「TOKYO IDOL FESTIVAL 2019」でステージデビューした姉妹グループ≠MEが歌う「『君の音だったんだ』」も収録されます。夏には東京・日比谷野外大音楽堂で=LOVEと≠MEによる合同コンサート「=LOVE ≠ME スペシャルコンサート『24 girls』」を開催して。かなり心の距離が近付いたのでは?

大谷 そうですね。自分を出してくれる子が多いんですよ。

諸橋 =LOVEと雰囲気が全然違いますね。私たちはみんな遠慮しがちなんですけど、≠MEちゃんはガッツがあって積極的にきてくれる子ばかりなんです。なので、合同コンサートでは頼りがいがありましたね。立ち位置とかを教えてくれるんですよ(笑)。

樹愛羅 みんながんばり屋さんだし、めっちゃかわいいです!