音楽ナタリー Power Push - Equal

RYOTA×164 過去との決別と2人の野望

希望に満ちあふれた「SCAPE」

──シングルの表題曲「SCAPE」は、ユニットとしてこれから活動していくんだという心構えを歌い上げたロックチューンに仕上がっていますが、作詞は主に164さんが?

左からRYOTA、164。

RYOTA そうですね。僕は英語詞のところをちょこっと書いたくらいで。

164 基本的に僕の曲は歌詞が暗いことが多いんですけど(笑)。この曲はEqualがこれから始まる、まさに今の僕らの視点に立って書いた曲だったので、前向きというか明るい内容になっています。

RYOTA 大将の曲は陰湿な感じと言うか叙情的な歌詞が多いから、今回の詞は本当に珍しいと思う。まさかこういうテイストの詞が上がってくると思わなかったから、歌うのも面白かったです。

164 こういう希望に満ちあふれた詞は、もう書かないかもしれませんね(笑)。

──そういう意味では2曲目「mask」の詞のほうが、いつもの164さんに近い雰囲気がありますね。

164 これは僕の“ドンズバ”を書こうと思ってできた曲ですね。

RYOTA 「これぞ164」って感じの曲。

164 Cメロのところ、1行ごとに全部転調しててしんどくなかった? 全部理にかなった転調なんだけど、歌う側からしたらややこしいだろうから。

RYOTA そんなに気にならなかったかな。レコーディングも楽しかったし、メロディがいいから歌いやすかったよ。

──「SCAPE」では使われていなかったピアノの音が入ってるのも印象的でした。

164 ピアノは最後にギリギリになって入れたんですよ。結果的にEqualの幅が広げられたかなって思っています。

RYOTA 通常盤にしか入ってないけど、カップリングの「I'm here」も必聴です。

164 「I'm here」は1年くらい前からある曲で、表題曲になりかけました。

RYOTA Equalとしてかなり初期に作った曲だよね。

164

164 最初に3曲作ったうちの1曲。その中で一番いいやつがこの「I'm here」で、残り2曲は影も形もないですね(笑)。

RYOTA 録れたテイクもすごく気に入っていて。つい移動中とかで聴いちゃうのがこの曲なんですよね。

──限定盤にのみ収録される「Introduction」は、またガラッと雰囲気を変えた曲ですよね。全編英語詞ですし、RYOTAさんのスクリームから曲が始まるという。

164 「Introduction」は、ほとんどメロがない曲ですね。詞はRYOTAが書いてます。

RYOTA ギャーギャー言うところはだいたい俺が書いてます(笑)。

──このラウドな感じの曲調はRYOTAさんの好みですか?

RYOTA そうです。スクリームとか、エモーショナルなものとかうるさいのがけっこう好きで。洋邦どっちも聴くんですけど、coldrainとか、今はもう活動していないけどPay money To my Painとか日本のバンドもすげー好きなんですよ。そういうシーンのバンドと肩を並べて立ちたいですね。

164 けっこうバリエーションある曲が入ったシングルになったよね。

RYOTA 164節の曲みたいな従来の流れを感じさせる曲とか、わかりやすい曲もありつつ、自分たちがずっと触れてきた音楽に近いものも作っていくのが、Equalの活動かなって思ってます。

8月8日は最後の甘え

──シングルの発売後にはライブも決まっています。8月8日に東京・新木場STUDIO COASTでフリーライブを開催するわけですが、フリーライブにしては規模が大きくて驚きました。

RYOTA 大丈夫です。僕らも驚きましたから(笑)。

164 僕も「嘘でしょ?」と思って。最初信じられなかった。

──とはいえ、お2人は「ETA」のようなイベントで埼玉・さいたまスーパーアリーナのような大規模なステージに何度も立ってますよね。

RYOTA

RYOTA そうですね。ある意味、今までが超贅沢だったと思うんです。信じられないくらい大きなステージで、信じられないくらいお客さんが入って。ある意味、僕らはそこに甘えてたと思う。だから8月8日のフリーライブは最後の甘えかなと思ってるんです。だって普通はデビューしたばっかりのアーティストが新木場STUDIO COASTでライブできないですし。

164 この日はEqualとして、そして彼はRYOTAとして、今までと違うライブをするんだっていうことを、ファンに知ってもらわなきゃいけないと思ってるんです。期待されているものと違うステージになるかもしれないけど、そこはちゃんと受けとめてほしい。

RYOTA でもなんか面白そうだよね。最初は驚いたけど今は燃えてる。

164 やるからには本気で取り組みますから。

──9月から10月にかけては各地のライブハウスで行われるイベントへの出演も決定しています。競演者はALL OFFやHEREなどで、まさにライブ主体で活動しているバンド陣と肩を並べて各地を回り、11月には東名阪のCLUB QUATTROを回る対バンツアーも決まっています。

164 僕はこういう活動ができる日を心の底から望んでいたんです。

──164さんはもともとバンドマンとして活動していて、以前のインタビューでは「ライブハウスのノリが好きじゃない」ことが原因でバンドを辞めたことを明かしていました(参照:164「BLURRY」インタビュー)。しかし今は再びこういうシーンで活動したい思いが強いんですね。

164 当時の僕はコミュ障だったので(笑)。今はコミュニケーション能力も上がってますし、以前のバンドは僕が作ったフレーズを各メンバーが完コピするって形だったことにも不満があったんです。ただEqualは違うから。RYOTAにボーカルを任せているのもそうですし、サポートドラムやサポートベースの方に僕は基本的にデモを送るだけで、仕上げは任せてるんですよ。Equalの形はユニットって感じだけど、音作りは完全に僕が理想としてたバンドの形になってるんです。今は「これがやりたかったんだ」ってしみじみ感じてるところです。

RYOTA クアトロ3会場って、もう完全にバンドのツアーって感じだしね。

164 気合い入りますね。楽しみです。

世界に出たい

──シングルリリース、ツアー決定と順調なスタートダッシュを切っているEqualの目標はなんですか?

左からRYOTA、164。

RYOTA たまには珍しく大将が言おうよ。

164 こういうのはボーカルの役割やろ。

RYOTA いやいや、たまにはさ(笑)。

164 そうですね。僕ら、世界に出たいですね。

RYOTA うん。ワールドツアーがしたい。世界中のハードコアとかハードロックとかの名所的なライブハウスを全部回りたいんです。

──今までニコニコ動画という活動の場があったから見えにくかっただけなのかもしれませんが、お2人の活動って本当にライブに軸を置いてるんですね。

RYOTA でも「ETA」とかにたくさん出させてもらって、“ライブ人間”にしてもらった感じはあるんですよ。最初はやっぱり歌が下手でしたし。

164 でもね、音源よりライブのほうがいいボーカリストって実際かなり少ないんですけど、RYOTAはその内の貴重な1人だから。自信持っていいよ。

RYOTA そういうふうに言ってもらえる存在になれてよかった。たぶん何年か前だったらこの日程を見ただけでゲロ吐いてたもん(笑)。今は早くライブがしたくて、うずうずしてますから。

ニューシングル「SCAPE」2015年8月5日発売 / EXIT TUNES
限定盤 [CD+DVD] 1728円 / QWCE-00475
通常盤 [CD] 1296円 / QWCE-00483
CD収録曲
  1. SCAPE
  2. mask
  3. Introduction(限定盤のみ)
  1. I'm here(通常盤のみ)
限定盤DVD収録内容
  1. SCAPE
  2. Documentary of SCAPE
  3. Documentary of Equal
ライブ情報
Equal「デビュー記念 Free Live "SCAPE" at STUDIO COAST」
  • 2015年8月8日(土)東京都 新木場STUDIO COAST
    OPEN 15:00 / START 16:00
Equal「Equal LIVE TOUR 2015 -Introduction-」
  • 2015年11月4日(水)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
    <出演者>
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  • 2015年11月5日(木)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
    <出演者>
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  • 2015年11月15日(日)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
    <出演者>
    Equal / and more
Equal(イコール)
Equal

ボーカリスト・RYOTAと、VOCALOIDプロデューサーとしても名高いギタリスト・164の2人からなるユニット。RYOTAがりょーくん名義で2015年4月に開催したライブツアー「LAST LIVE TOUR 2015 -Re:set-」の東京公演にて、Equalの結成を発表した。8月にデビューシングル「SCAPE」をリリースし、東京・新木場STUDIO COASTにてフリーライブを実施。また11月には東名阪を回る対バンライブツアー「Equal LIVE TOUR 2015 -Introduction-」を開催する。