俺たちが選択肢を与えたい

──ライブを拝見したんですけど、完全に女性ファンしかいないフロアで衝撃を受けました。

アヤァ　フロアがいい匂いなのはいいところですね。でも男がアガるような楽曲も作っていきたいんです。女の子はかわいい声でコールとかMIXをやってくれるんですけど、もっと気合いの入った汚い声も聞きたいですね。そういう声を出す男のファンが増えたらうれしいなって思います。

──ライブでメンバーが「最後の曲です」と言ったあとにフロアから「えー、まだやんのー？」という声が上がっていましたが、あれはどういうことなんですか？

ケイティ　あれっていつからあるの？

HIЯO　最初の頃。

まぁくん！　俺らがふざけて言ってたら定着して引き下がれなくなった感じ。

──なるほど、別に干されキャラというわけではないんですね。えぴすたは7月16日から原宿駅や竹下通りで大々的に広告を展開して、8月1日に代々木公園野外ステージでワンマンライブを行いますが、今回これらの取り組みに踏み切った理由をお聞かせいただけますか？

アヤァ　とにかく知らない人に知ってほしくて。新世紀えぴっくすたぁネ申というか、メンズアイドルの存在を知ってほしい。入り口は僕らじゃなくても、メンズアイドルシーンにどんどん人が増えていったらいいと思う。

──女性アイドルシーンだと地下アイドルが成熟してどんどん大きくなっていきましたけど、インディーズのメンズアイドルシーンでも変化はありますか？

アヤァ　この1、2年くらいで大きく動いたと思っていて。グループも増えてきたし、メンズアイドルが盛り上がってきてるのは感じます。女性地下アイドルが盛り上がってきたときと似てるかも。女性アイドルと違って上にジャニーズがいるのが違いかもしれませんが、これからもっと盛り上がっていくと思います。

──メンズアイドルはインディーズのヴィジュアル系と近い文化圏なのかなと思いました。

アヤァ　似ている部分はありますね。バンギャもうちらのファンになってくれたりするし、V系のバンドと対バンもするし、V系の人がメンズアイドルのグループを作ったりもする。

──インディーズのメンズアイドルに気付いてないだけでハマる人はたくさんいそうだし、成熟すればすごく面白いジャンルなんじゃないかという気がします。

HIЯO　俺はもともとライブとか行かない人間でカラオケかボウリングくらいしか遊びを知らなかったけど、若い頃にこういう界隈があって、ライブに行くっていう遊びを知ってたら、もっと楽しかったんじゃないかって思うんですよ。だから今それを知らない人に知ってほしい。ライブに行くという選択肢を与えたい。

アヤァ　そういうマトモなこと言うんですね。

Daichi　ネットから引っ張ってきました？

俺らなりの“神”を見せます

──このタイミングでえぴすたに気付いた人は試しにフリーライブに行けばいいわけですよね。

アヤァ　8月1日のライブは野外だし、夏だし、無料だし、全員を巻き込んでめちゃくちゃなパフォーマンスをしてやりたいなと思ってます。まだやること全部は決まってないんですけど、いろいろ面白いことをする予定です。ただの無料ライブじゃない。

──初見のファンはどうやって楽しむのがいいですか？

HIЯO　俺らは振り付けが難しくないんで、見よう見まねで踊ってもらって。

アヤァ　僕はライブで何をしてもいいと思ってるんです。メンズアイドルシーン全体に感じているのは、お客さんが型にはまってしまっているということ。もっと自由にしたら楽しくなれるのにと思うし、フリーライブは型を壊す機会でもあるのかなと。各々で楽しみ方は違うと思うので、盛り上がりたい人は盛り上がればいいし、静かに観たい人は静かに観ててもいい。こっちはコール＆レスポンスとかするので、そのときは恥ずかしがらずに声を出してほしいですけどね。

──皆さんがライブでやってみたいことはありますか？

流星　水鉄砲やりたい。

アヤァ　放水はちょっと考えてる。

HIЯO　水鉄砲ごときじゃ満足いかんな。けがするくらいのヤツを……。

アヤァ　物販でカッパと傘も売ろうか。原宿ジャックの企画で“神”を前面に押し出してるので、“神感”も出したいですね。

──“神感”って具体的にはどういうものでしょうか？

アヤァ　僕らなりの“神”を……本当にめちゃくちゃやってやろうと思ってるのでどっちかですね、えぴすたを好きになるか嫌いになるか。

──フリーライブの先についてはどのように考えているんでしょうか？ すでにマイナビBLITZ赤坂を押さえているんですよね？

アヤァ　来年1月23日にマイナビBLITZ赤坂でワンマンライブをやります。そのライブができそうになかったら解散するとも公言していて。それまでのリリースなどは未定なんですが、ミュージックビデオなどをたくさん作っていきたいですね。

──アンダーグラウンドから始まったメンズアイドルでその規模の会場までたどり着いた人たちっていないかもしれないですね。

アヤァ　僕らがやらないと誰もやらないんで。シーンにとっても刺激になると思います。まだ試行錯誤してる状況なんですけど、うまくいけばいいですね。

──いけそうですか？

アヤァ　兆しがなかったら、そもそも挑戦しないというのはありますが、ここからのメンバーのがんばりと制作陣とのコンビネーションでいいものを作っていきたいです。

HIЯO　俺らはもともとライブを毎月22本くらい入れていたのを今は16本くらいにしているんですよ。パフォーマンスのレベルを上げるために練習をしっかりやりたいと思っていて。8月1日のフリーライブではレベルアップした俺らを見せますし、その後もレベルを上げ続けて来年のマイナビBLITZ赤坂を成功させます。