EMPiRE|Seihoも外部プロデューサーとして参加 いざ放つ初の両A面シングル 6人の“本能”トークも

今までで一番カッコいいMVを

──リリース前にはミュージックビデオが公開されました。このMVは山田健人(yahyel)さんによる監督作品で、5K画質で再生できるようになっています。

MiKiNA EMPiRE

MiKiNA 撮影用に用意してくださったカット数がすごい量で、いろんな場所やセットで撮りました。

MAYU 建設途中のまま廃墟になったホテルで撮ったんですよ。ホテルにあるロケーションを生かして撮影しつつ、最後のシーンは完全にセットで撮って。カット数が多いから今までのMV撮影で一番緊張感があって、「1回でOK出さなきゃ!」と集中しました。でも現場にいながら映像の世界観に入り込んで撮影に臨めたので、緊張感はありつつ楽しい撮影でした。

YU-Ki カメラワークもすごいし、照明1つにしても山田さんのこだわりがあって、「もうちょっと色が……」みたいに現場で細かく調整してくださいました。

MiDORiKO 撮影の前から山田さんとは何回も打ち合わせをしたんですよ。去年秋の「ERROR ERROR ERROR TOUR」でEMPiREの映像演出に関わってくれるようになってから初めてのMV撮影だったこともあって、よりEMPiREをカッコよく見せることに力を入れてくれました。

MiKiNA 「ツアーからずっと見てきた中で、どうやってメンバーのよさを引き出すか」をすごく考えてくださっていて。その思いに応えたいという私たちの気持ちも相まってできたMVです。

YU-Ki 初めてMVのために振り付けを考えました。MVでは元の振りとは違うダンスをしてるのもこだわりで。

──メンバーが円になっているところ?

NOW そうです。あそこはMAYUちゃんが考えたんです。

MAYU あと1サビの部分もそうだし、椅子に座っている3人ずつのシーンはMV用に振り付けを考えました。

MAHO EMPiRE

MAHO 山田さんが「ダンスに特化したい」「ダンスに焦点を当てて、今までで一番カッコいいMVを撮りたい」とおっしゃっていたので、私たちも「ライブとは違うダンスも見せられたらいいね」という話になって。

MAYU 山田さんが言ってたんですけど、「EMPiREって誰か1人が目立ってるとか、誰かがすごいとかじゃなくて、6人が横1列になってるのがすごく強い」みたいな……。

MiDORiKO ピノ。

MAYU そう(笑)。ピノを食べたときに「EMPiREみたいだな」と思ったらしくて。あのアイスの「6個あって最高」っていう感じなのかな(笑)。映像でも1人が目立ってるとかじゃなくて、歌割りが少なめの人を真ん中にするとか、ちょいちょいカットを挟んだりしてくださって。EMPiREとしてもカッコいいし、1人ひとりを見てもカッコいい、そんなMVを作っていただきました。

NOW みんな同じ形のピノ。星形もなくて、全部丸いの。

YU-Ki YU-Kiはハートがいいな。

MiDORiKO ムリだよ。

NOW 即答(笑)。

──この曲はコレオグラフィのクレジットがEMPiREになってますが、メンバーみんなで振り付けを考えるときはどういう流れなんですか?

NOW EMPiRE

NOW Aメロ、Bメロ、サビ、間奏みたいにパートごとに分けて、それぞれおうちで考えてきて次の日に発表会みたいな。それぞれのパートを組み合わせていくんです。

MAYU 「私Aメロやるね」「Bメロやるね」と分担して、発表会のあとに「ここはもっとこうしたほうがいいんじゃない?」みたいに言い合うんですけど、最終的には各パート担当の人が決めます。

MAHO あとは頭の中のイメージをしゃべって、「じゃあNOW、ちょっといい感じにして」とか(笑)。「MiKiNAちゃんがボーンって登場して、YU-Kiちゃんがドーンと蹴る」みたいな曖昧なアイデアをNOWがカッコよく形にしてくれます。

──なるほど。アニメ「天空侵犯」を思わせるような振りもありますね。

MAYU 主人公が最初に持つ武器が銃だったから、銃を使おうと。最初に「撃ち抜いてくぞ」という歌詞もあるし、自然な流れでした。

──ライブでの反応はどうでした?

NOW 「EGP」(「EMPiRE'S GREATEST PARTY -EAT SLEEP EMPiRE REPEAT-」)で初披露だったんですけど、みんな意外と踊ってくれて(笑)。

YU-Ki MVが出る前は「振りをちゃんと覚えたいから、早くMVを出してほしい」みたいな意見をたくさん見ました。

──踊りたい人が多いんですね。

MiKiNA エージェント(EMPiREファンの呼称)は振りコピに本気なんですよ!

Seihoプロデュース曲を授かって

──もう1曲の「IZA!!」はSeihoさんプロデュース曲です。今回どういった経緯でEMPiRE初の外部プロデューサーとタッグを組むことになったんですか?

MAYU もともと去年の頭ぐらいからダンスミュージックシーンで活躍している方にお願いするという話はあったんですけど、コロナ禍の状況もあったのでなかなかできなくて。最終的にSeihoさんにプロデュースしていただいたという感じです。Seihoさんにはこれまで「I don't cry anymore」をリミックスしていただいたり、「EGP」の収録映像には入らないんですけど、オープニングでSeihoさんの「I Feel Rave」に合わせて1人ずつ踊るっていう登場の仕方をしたりしていて、地味に匂わせていたんです(笑)。その流れからの「IZA!!」っていう。

──「IZA!!」が完成しての感想は?

MAYU 私の癖(へき)に刺さる曲で、毎日のように聴いてるカッコいい曲です。最終的な音源が届いたのが最近だったんですよ。ギリギリまで私たちのことを考えて「どうしたらいいのかな」ってSeihoさんが作ってくださったんだなと思うと、すごくうれしいです。完成版はダンスミュージックに振り切ったアレンジですが、最初の段階ではもっとギターの音がガンガン入ってたよね。

MiKiNA イントロがまず全然違いましたから。

MAYU EMPiRE

MAYU 振り入れのときはアレンジ前の音源で練習してたんですけど、MVの前日に完成版が来て、「全然変わってる!」と(笑)。それで振りも変えて。

──Seihoさんはこの曲について「最終的に『踊れー!!!』って感じになりましたよ!」とコメントしてましたね。

MAYU お礼のメッセージを送ったんですよ。「ありがとうございました」「私すごく好きです」みたいな。そしたら「みんなはじめましてだったから、いろんな可能性があっていろんな方向に行けるけど、今回こんな感じにしました」「また何かいろいろやりましょう」と返してくださったので、うれしかったです。

──ほかに何かSeihoさんとのコミュニケーションは取られたんですか?

NOW レコーディングの日にミカンジュースをいただきました!

MAYU そういえばこの曲では初めてSCRAMBLES以外のレコーディングスタジオで録りました。ディレクションは自由に歌わせてくれる感じでした。松隈さんの場合はいったん自由に歌ってみたあと、「もっとこうして」と細かく指示してくださるんですけど、Seihoさんはそれぞれに合わせて最初にアドバイスしてくれて。私のイメージですけど、松隈さんとのレコーディングでは松隈さんの中に正解があって、そこに向かって6人がいい感じに合わさるように計算しながらやっている。Seihoさんはけっこう、6人がそのままみたいな(笑)。6人が自由に歌った結果を生かして「IZA!!」は完成しました。

──この楽曲の振り付けでこだわったところは? EMPiREは新曲が出るたびに振り付けの難易度が上がっているようですが。

MAYU おっしゃる通り、今回も難しいです(笑)。

NOW この曲は振付師の先生に振りを付けていただきました。いつも難しいんですけど、今回はそれを更新して、EMPiREにとって一番難しいダンスになっています。

MAHO 難しいにも種類があると思うんですけど、この曲はパッと見ではわかりづらい難しさで。

MiDORiKO EMPiRE
YU-Ki EMPiRE

MiDORiKO ここまで細かい振りが今まではあんまりなかったので新鮮でした。そういうのを今までやったことないから難しい、みたいな気がする。

NOW 裏拍で取るとかリズムの取り方が独特で。でもサビはみんなで一緒にできるので、この曲でも一緒に踊ってもらいたいですね。

──難しい踊りって、どのタイミングで楽しくなるんですか?

MAYU 覚えたら(笑)。

YU-Ki でも練習してるときから「これ、踊れたら超楽しいんだろうな」って想像しながらやってます。練習を重ねていくうちに個人でも全体でも「お、ハマってきてる!」という感じになってきて、できるようになったら「うおー、楽しい!」ってなります。最初は頭を抱えることもあるけど、すごく身近にお手本になるNOW EMPiRE先生がいるので。振り入れが終わって動画で見返すと、みんな踊れてない中、NOWだけ完璧だから。

MiKiNA 振付師の先生が「こういうふうにやってみて」ってやってるそばからもうできてるんですよ。一瞬だよね、覚えるのが。

MAYU すごい!

MiDORiKO さすが。

NOW いやあ、うれしいですね(笑)。

YU-Ki そう。NOWの姿を見て、自分も「踊りたい!」って思うんですよ。