衛星とカラテア「pure diary.」インタビュー|逆境を乗り越え、2024年は飛躍の年に (2/2)

アイドルって当たり前にできるものじゃない

──衛星とカラテアにとって、新体制に生まれ変わった2023年は再出発の1年だったと思います。皆さんの中でどんな年でしたか?

久木田 アイドルって当たり前にできるものじゃないなと実感した1年であり、ファンの方に支えられた1年でした。一度3人体制になってしまったときに、活動を休止するかどうかという話もあったんですよ。でも私たちとしては衛星とカラテアの活動をストップしたくなかったので、「3人でもいいからやりたいです」とスタッフの方に伝えました。ただ、正直に言うとそのまま続けていける自信があったわけでもなくて……本当にファンの方に支えられながらここまで来ることができました。

久木田菜々夏

久木田菜々夏

──そんな中、新メンバー3人の加入はグループにとって大きな出来事だったのでは?

久木田 はい。3人に共通しているのは継続力なんです。私としてはアイドル経験の有無は関係なくて、何よりも継続できる子がグループに欲しかったので、熱い思いを持ってここまで取り組んでくれている3人にはありがとうと伝えたいです。

春瀬 そうだね。もちろん最初は「大丈夫かな……」という不安な思いもありましたけど、3人が一生懸命ついてきて、大きく成長してくれました。2023年は衛星とカラテアが2024年に飛躍する、その準備のための1年だったんじゃないかなと思います。

春瀬もも

春瀬もも

──新メンバーの皆さんは2023年の活動を振り返っていかがでしょう?

日南 すごく濃い1年でしたけど、振り返ってみると一瞬に感じます。いろんなことを経験していく中で、楽しいことだけではなくつらいこともありました。でも、それ以上に楽しいことがいっぱいでとにかく充実していました。

白咲 私はアイドルの世界を外側からしか知らなかったので、自分が実際にアイドルになってみて、ようやくその大変さを知りました。入ってすぐに「TOKYO IDOL FESTIVAL」や「NATSUZOME」といった大きなステージを経験することができたのは、先輩メンバーががんばってグループを守ってきてくれたおかげだし、そんな2人のためにも、ファンの方に喜んでもらうためにも、もっと大きいステージに立ちたい。そういう気持ちが芽生えた1年でした。

波澄 正直、最初はどこを目指してがんばればいいのかわからないときもあったんですけど、メンバーと一緒に活動していく中で、ちゃんと目標ができたし、がんばろうと思える理由を見つけることができたなって。メンバーに支えられつつも成長できました。

波澄しずく

波澄しずく

衛星とカラテアが見据える未来

──1st EP「pure diary.」は、2ndアルバム「六等星が一番光る場所」から半年という短いスパンでのリリースとなりました。かなり制作期間が限られた中でレコーディングが行われたのでは?

久木田 2ndアルバムが完成したのがゴールデンウィークの頃で、今回のEPは夏のいろんなイベントを終えて、秋になるタイミングで制作が始まりました。なので、そこまで切迫した感じではなく、時間をかけて向き合うことができました。

──これまでのアルバムと比べて、かなりバラエティに富んだ作品にまとまっている印象です。衛星とカラテアらしい世界観を残しつつ、挑戦的なサウンドも取り入れていて。

久木田 ありがとうございます。デビュー当時から大切にしていたエモさはしっかりと残しつつ、2024年の飛躍を見据えた楽曲も収録されています。

──改めて本作のテーマをお聞きしてもいいですか?

春瀬 タイトル通り「鮮明な日記」がテーマなんですけど、かわいい、カッコいい、きれい、切ない……人間の感情がすべて詰まった日記のような作品になっています。エモい系の楽曲が好きな人もかわいい系の楽曲が好きな人も、いろんな人が楽しめる作品で、衛星とカラテアの名刺代わりの1枚に仕上がっていると思います。

日南 ……実はEPにはある仕掛けがあるんです。

──仕掛けですか?

日南 各楽曲の歌詞に曜日が書かれているんです。

日南ことり

日南ことり

春瀬 月曜日から土曜日までが歌詞に含まれていているので、ぜひそこに注目して曲を聴いてほしいです。EP全体を通して、「私たちと一緒に日曜日を描いていこう」というメッセージが込められているんです。

──なるほど。では、EPの収録曲を1曲ずつ紹介していただけますか?

春瀬 1曲目の「ベストアンサー」はポップで明るい楽曲で、キャッチーなので耳に残りやすいし、ライブ映えする曲だと思います。メンバーも普段から口ずさんでいます。

久木田 「僕らは彩に溢れている」は、ぜひじっくりと聴いてほしい1曲です。カラテアのいい部分が詰まっていると言うか、「2024年、カラテアの時代を作っていくぞ!」という決意が込められた楽曲なので、ぜひライブでその世界観を楽しんでほしいです。

春瀬 「綺麗事じゃない夜をこえて」は一番エモい。

日南 聴いたら「エモっ!」って思うはずです(笑)。

春瀬 曲の冒頭では憂鬱な感情を描いていて。最後はその憂鬱な日を乗り越えて、新しい日を歩んでいこうという希望を歌っています。誰しも生きていたらつらいことや嫌なことがあると思うんですけど、この曲を聴いたら背中をそっと押された気持ちになれるのかなって。

久木田 「Orion」は衛星とカラテアのことを知れば知るほど、感情移入できる曲だと思います。後悔や失敗は無駄じゃない、その経験を誇りにしていこうと歌っていて。つまずいても絶対に明日がある、というメッセージが込められているんです。グループの歴史と照らし合わせながら聴くとより心に響くはずです。

白咲 日常生活を切り取った歌詞になっているので、込められたメッセージがストレートに伝わるんじゃないかなと思います。

白咲くるみ

白咲くるみ

久木田 ラストの「明日、告白されそうです」は挑戦の1曲ですね。2023年はつまずくこともたくさんあった中、私たちの強みがTikTokにあることに気付いた1年でもあって。

──確かに、衛星とカラテアはTikTokを積極的に活用していて、それがグループの知名度向上につながっている印象があります。

久木田 ほかのグループの運営の方にも「TikTokすごいね」と言われることが多くてすごく自信にもなっていたので、それを生かせる楽曲を作りたいと思ったんです。

春瀬 その流れで制作された「明日、告白されそうです」は、ヤマモトショウさんに作詞と作編曲を、いどみんさんに振付を手がけていただきました。衛星とカラテアの新たなキュートな一面を引き出してくれる楽曲になったと思います。ライブで披露したときは、女の子のファンが「TikTokで踊りやすい」と言ってくれて。アイドルのことをあまり詳しくない方が、TikTokを通して私たちのことを知ってくれたらうれしいですね。

──今後もTikTokがグループのステップアップにつながっていきそうですね。2024年の活動についてはどんなビジョンを描いていますか?

日南 「2024年は地上波に出ようね!」とみんなで話していて、それくらい明るい未来しか見えていないですね(笑)。もっともっとグループとして大きくなろうという気持ちが5人とも強いんです。

久木田 Zeppツアーを回れるくらいに成長したいです。2024年は夏のフェスでメインステージに絶対立ちたいし、このEPをきっかけに有名なアイドルグループの仲間入りができるようにがんばりたいと思っています。そして最終的には日本武道館に立つことを目標にしています。

春瀬 アイドルを目指している人に目標とされるようなアイドルになりたいですね。「衛星とカラテアをきっかけに人生が変わった」と言ってもらえるくらい、たくさんの人の日常を彩っていきたいです。

衛星とカラテア

衛星とカラテア

プロフィール

衛星とカラテア(エイセイトカラテア)

「何気ない日常の、小さな幸せを大切に。そしたらきっと──」というスローガンを掲げて活動している5人組アイドルグループ。2021年7月にステージデビューを果たし、2022年6月に1stアルバム「ここで見た夢の話」、2023年6月に2ndアルバム「六等星が一番光る場所」をリリースした。ライブ活動のほか、TikTokを中心としたSNSでの活動も精力的に行っている。