ナタリー PowerPush - EGO-WRAPPIN'×オダギリジョー×大根仁
音楽から紐解くドラマ24「リバースエッジ 大川端探偵社」
EGO-WRAPPIN'が5月21日にニューシングル「BRIGHT TIME」をリリースする。
「BRIGHT TIME」はEGO-WRAPPIN'にとって約4年ぶりのシングル作品で、テレビ東京系で毎週金曜日24:12より放送中のドラマ「リバースエッジ 大川端探偵社」の主題歌「Neon Sign Stomp」、エンディングテーマ「サニーサイドメロディー」、劇中歌「太陽哀歌(エレジー)」など計4曲が収録されており、ドラマファンにとっても注目の作品となっている。
今回ナタリーでは、EGO-WRAPPIN'の2人とドラマの脚本・演出を担当する大根仁、主人公の探偵・村木を演じるオダギリジョーに、「リバースエッジ 大川端探偵社」の音楽的な魅力を聞いた。
取材・文 / 加藤一陽 撮影 / 佐藤類
オダギリジョーは音楽好き
──「リバースエッジ 大川端探偵社」、初回を観ました。とても面白かったですし、雰囲気にもグッときました。
大根仁 ありがとうございます。
──大根さんにはコミックナタリーの「リバースエッジ 大川端探偵社」特集(参照:ひじかた憂峰×たなか亜希夫「リバースエッジ 大川端探偵社」特集、大根仁が語る狩撫麻礼の円熟の境地)でもインタビューでご協力いただいていますが、今回は音楽ナタリーでの展開なので、皆さんに今回のドラマの魅力を音楽的な側面から伺っていければと思います。まずは自身で音源もリリースするほどの音楽好きで知られるオダギリさんに伺いたいのですが、やはり普段からいろいろと音楽を聴いていますか?
オダギリジョー そうですね。ロックはもちろん、ジャズとかも好きです。自分の映画の音楽を自分で作ることもありますし。
──自分で作るって、すごいですね。
森雅樹(G) バンドとかは?
オダギリ 昔バンドでギターやボーカルをやっていました。
大根 そうだったんだ。すごい雰囲気があるボーカリストだね。
オダギリ でも僕、自分の歌が嫌だったんですよ。
──それでバンドはもうやっていないんですか?
オダギリ 遊びでしかやってないですね。音楽を仕事にしたくないなって思って。仕事にしちゃうとやりたくないことをやらなきゃいけなかったり、嫌なこともあるじゃないですか。だから音楽を仕事にするのはちょっと違う……って。自分で音源を出したときもメジャーではなくインディーズから出しました。
「舟を編む」のオダギリくんがいい
──なるほど。ちなみにオダギリさんは、EGO-WRAPPIN'の音楽は?
オダギリ 好きですね。EGO-WRAPPIN'と言えばドラマ「私立探偵 濱マイク」の主題歌をやっていたじゃないですか。それを聴いて「すごいバンドだな」って思ったのを覚えてます。
中納良恵(Vo) ありがとうございます。
──逆にEGO-WRAPPIN'のお2人は、オダギリさんにはどういった印象がありましたか?
中納 やっぱりもう、カッコいいというか。すごく雰囲気や色気がある方だなあと。もちろん作品も以前から観ていたし。
森 しかも実際話してみると、トガったところが感じられて。
大根 なんか“大きな力”が嫌いって言っていて(笑)。森くんたちと飲んでいて、そんな話で盛り上がったらしくて。
オダギリ まあ……その話を始めると長くはなりますね(笑)。
──そうなんですね(笑)。大根監督が村木役にオダギリさんを抜擢したポイントは?
大根 テレビ東京の五箇公貴さんというプロデューサーと、映画「舟を編む」のオダギリくんの演技がいいって話をしていて。以前から「リバースエッジ 大川端探偵社」の映像化は考えていたんですけど、オダギリくんなら村木のイメージとつながるなって。
オダギリ 撮影はもう終わったんですけど、個人的にもこのドラマは本当に楽しくできました。深夜放送帯のドラマの雰囲気もあるのかもしれませんが、いい意味で力が抜けた居心地のいい現場でした。
──オダギリさんは原作を読んでいましたか?
オダギリ ええ。原作を読んでいたので、極力“村木像”を崩さないようにできればいいなとは思っていました。あんまり説明的な芝居もしたくなかったし、髪型もパーマをかけて多少近付けました。
» 浅草の一斗缶奏者
- ニューシングル「BRIGHT TIME」/ 2014年5月21日発売 / NOFRAMES / MINOR SWING / TOY'S FACTORY / TFCC-89503
- [CD] 1620円 / TFCC-89503
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収録曲
- Neon Sign Stomp
- 太陽哀歌
- パンドラの箱
- サニーサイドメロディー
- ドラマ24「リバースエッジ 大川端探偵社」 / テレビ東京系 / 毎週金曜24:12~放送(※テレビ大阪は翌週月曜23:58~放送)
- ドラマ24「リバースエッジ 大川端探偵社」
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脚本・演出:大根仁 ほか
出演:オダギリジョー(主演)、石橋蓮司、小泉麻耶 ほか©「リバースエッジ 大川端探偵社」製作委員会
- Blu-ray / DVD BOX「リバースエッジ 大川端探偵社」/ 2014年8月20日発売 / 発売元:「リバースエッジ 大川端探偵社」製作委員会 / 販売元:東宝
- Blu-ray BOX [Blu-ray 5枚組(本編4枚+特典1枚)]/ 20520円 / TBR-24395-D
- Blu-ray BOX [Blu-ray 5枚組(本編4枚+特典1枚)]/ 16416円 / TBV-24396-D
EGO-WRAPPIN'(エゴラッピン)
1996年、中納良恵(Vo)と森雅樹(G)によって大阪で結成。2000年に発表された「色彩のブルース」や2002年発表の「くちばしにチェリー」は、多様なジャンルを消化し、EGO-WRAPPIN'独自の世界観を築きあげた名曲として異例のロングヒットとなる。2011年4月には10周年を迎え、東京・大阪・韓国で10公演を開催した恒例のライブ「Midnight Dejavu」を集約したライブDVDを、7月には初となる写真集を発売した。数々のフェスへの参加や他アーティストとのコラボなど積極的な活動を続け、2013年4月に約2年半ぶりとなるアルバム「steal a person's heart」をリリースした。2014年には、大根仁脚本・演出、オダギリジョー主演のドラマ「リバースエッジ 大川端探偵社」の主題歌、劇中歌、エンディングテーマを担当。森は同ドラマの劇伴も手がけた。5月に「リバースエッジ 大川端探偵社」の主題歌、劇中歌、エンディングテーマを収録したシングル「BRIGHT TIME」をリリース。
大根仁(オオネヒトシ)
1968年生まれ、東京都出身。演出家、映像ディレクターとしてさまざまなドラマやビデオクリップを手がける。代表作は「演技者。シリーズ」「週刊真木よう子」「湯けむりスナイパー」など。2010年夏に放送されたドラマ「モテキ」のヒットによりその名を広く知られるようになる。2011年、映画監督デビュー作となる映画版「モテキ」が公開され大ヒット。2013年1~3月には脚本・演出を務めたドラマ「まほろ駅前番外地」が放送され、深夜ドラマでは異例のギャラクシー賞を受賞した。
オダギリジョー
1978年生まれ、岡山県出身の俳優。1999年に俳優デビュー。2003年に「アカルイミライ」で映画初主演を果たすと、その後は「血と骨」(2004年)、「メゾン・ド・ヒミコ」(2005年)、「ゆれる」(2006年)、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(2007年)、「舟を編む」(2013年)など話題映画に次々と出演し、多くの賞を受賞する。また「悲夢」(2008年)、「PLASTIC CITY」(2008年)、「マイウェイ 12,000キロの真実」(2011年)など海外作品にも出演。ドラマでは「サトラレ」や「時効警察」シリーズ、大河ドラマ「八重の桜」などに出演した。さらに2007年には監督・脚本・音楽を自らが手がけた映画「さくらな人たち」を制作した。