音楽ナタリー Power Push - 私立恵比寿中学
アナーキー中学生の新年度
松野ってアナーキー
──再び既発曲の「ポンパラ ペコルナ パピヨッタ」を挟み、次の「お願いジーザス」は……。
松野 これはまやちゃん。
真山 この曲に出会えてよかった、ってエビ中に入って2回目に思いました(笑)。1回目は「貼り紙」(2014年6月発売のシングル「バタフライエフェクト」カップリング曲「幸せの貼り紙はいつも背中に」。参照:私立恵比寿中学「バタフライエフェクト」特集)。
廣田 「貼り紙」と系統的には似てるかもしれない。幻想的というか、絵本的というか。
真山 歌詞だけだとつらい感じがするんですけど、曲とあわせて聴くと……ここまで言うと大きくなりすぎかもしれないけど、生きる喜びを感じるんですよね。私はまだ19年しか生きていないのでまだまだなんですけど、大人の方が聴いたらすごく沁みるんじゃないかなあ。
──「お願いジーザス」はフジファブリックの加藤慎一さんが作詞作曲で、演奏もフジファブリックですけど、彼らが歌うとまた違ったニュアンスになると思うんですよね。「貼り紙」も同じですけど、この内容を10代の女の子が歌うことによって非現実感が増すというか。
真山 あんまり重みがないのが逆にいいのかもね。
廣田 自分たちが大人になったときに、今とは違う何かを感じそうな気がします。
真山 大人になったときまた歌いたいね。10年後にもう1回歌うためには、もっと売れなきゃ(笑)。
──このあたりはまさにアルバムのクライマックスですが、次は「全力☆ランナー」。
小林 (松野を指して)来たよー!
廣田 松野、今日あんまりしゃべってないよね。ここに来るまで溜め込んでたみたい(笑)。
松野 そうなんだけど、ちょっと待って。今日なんか落ち着いちゃってそんなにすごいテンションで話せないかも。最初に聴いたときから好きだけど、時間が経ってまた好きなところが増えて。ちょっと歌詞を見せてください。えっと、「走らなきゃ息がとまりそう 君が好きで仕方ないの」(おもむろに歌いながら)のところが好きなんですけど……。
真山 松野ってアナーキーだよなー(笑)。
安本 冷静だから逆に面白い(笑)。大先生感出てるよ。
松野 あのね……(かなりとっ散らかった熱弁のあと)ああダメだ今日! 頭が回らない!(笑)
廣田 いつものは言わなくていいの?
松野 言っときます? 「皆で一緒に帰った日 自販機 ホットのミルクティー “温まるよ”って 君がくれた 小さな宝物」のところなんですけど、ミルクティを自分で買ったら宝物にはならないじゃないですか。だけど「君がくれた」ミルクティは宝物になるんですよ。そこがかわいいなって思います。
──そして最新シングルの「スーパーヒーロー」を経て、最後は「参枚目のタフガキ」です。アルバムに不思議な余韻を残す曲ですよね。
星名 ハイッ! これは私が話します。春夏秋冬と来て、最後になぜ未来に飛ぶような曲がポンと出てくるのか。
真山 なんか松野のテンションを引きずってない?(笑)
松野 バトンタッチ!
真山 何? 松野さん酔ってんの?
松野 アハハハハハ(笑)。
柏木 自分で言って笑ってるんだけど(笑)。
星名 えっと、なぜかと言うと、1回エビ中と過ごす1年は終わったけど、また次の年につながる曲になったんじゃないかと思うんです。それを私たちがちっちゃい頃からお世話になっている前山田さんが書いてくれたというのが、私としてはグッときます。サビにはずっと私たちを見てくれいているからこその応援メッセージが含まれていて、背中をポンと押してくれるような曲になっているので大好きです。
真山 編曲がCMJKさんというのもアツいですね。そうそう、最初に録音したときは、アウトロがこんなに長くなかったんですよ。完成したものを聴いたら長くなっていて。
星名 私たちどんだけ踊んなきゃいけないんだろう?って。
廣田 終わるのかな?アレ、終わんないな……と思ったところで急に終わる(笑)。
甘辛ミックス?なKeikiiiiツアー
──そんな16トラックで構成された「穴空」ですが、エビ中が提言するアナーキーとはつまりどういうことなんですかね?
中山 ……(小林を見て)どういうことなんですかね?
小林 (柏木を見て)どういうことなんですかね?
柏木 (松野を見て)どういうことなんですかね?
松野 エビ中らしさ?
安本 おおー。絶好調だね今日。
松野 センキュー!
真山 私のところまで順番に振られる流れだと思ってたから、松野が答えたんでびっくりしちゃった(笑)。
──そういうバラエティ的なお約束もぶち破るのがアナーキーということでしょうか。
真山 アナーキーっすね松野先輩! 2016年の松野大先生はアナーキーで行くと。
松野 ……。
安本 そこは答えないんだ(笑)。アナーキーだなあ。
──そんなアナーキーな姿勢でアルバムリリース直後から全国ツアーに挑むわけですが、どんな内容になりそうですか?
真山 今回は「Keikiiiiツアー」ということで、景気いいツアーですから。
星名 ロゴがかわいかったので、ステージもかわいくなると思います。
松野 ケーキだからね。
安本 でもアナーキーだからなあ。甘辛ミックスになると思います。
廣田 甘辛ミックス?
安本 甘じょっぱいツアーです。
星名 ツアーで全国を回って、もし今年も年末に大学芸会があるなら、そこで私たちなりの「穴空」を完成させたいと思います。
真山 いろんなところを回るので、エビ中のライブは初めてという人もぜひ来てください。チケットはまだ販売しているところもありますので。あ、ツアー初日は完売ですけど、LINE LIVEで生中継があるんですよ。なので来られない方もぜひ。……私、2016年は告知をがんばろうと思ってるんですよ。ゆくゆくは店舗特典も完璧に覚えたいんです。
廣田 なんかソニーのスタッフさんに見えてきた(笑)。
私立恵比寿中学JapanホールKeikiiiiツアー2016
~the snack bar in gakugeeeekai~
- 2016年4月23日(土)千葉県 市原市市民会館
- 2016年5月1日(日)福岡県 福岡サンパレス
- 2016年5月3日(火・祝)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
- 2016年5月5日(木・祝)大阪府 グランキューブ大阪 メインホール
- 2016年5月8日(日)広島県 上野学園ホール
- 2016年5月14日(土)埼玉県 大宮ソニックシティ 大ホール
- 2016年5月15日(日)香川県 アルファあなぶきホール
- 2016年5月22日(日)北海道 ニトリ文化ホール
- 2016年5月27日(金)東京都 NHKホール
- 2016年6月4日(土)沖縄県 沖縄市民会館 大ホール
- 2016年6月11日(土)新潟県 新潟県民会館 大ホール
- 2016年6月12日(日) 宮城県 仙台サンプラザホール
- 2016年6月19日(日)神奈川県 パシフィコ横浜 国立大ホール
- 2016年6月25日(土)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
- 2016年7月2日(土)東京都 東京国際フォーラム ホールA
- 3rdアルバム「穴空(アナーキー)」 / 2016年4月20日発売 / SME Records
- 初回限定盤A [CD+Blu-ray] / 4800円 / SECL-1844~5
- 初回限定盤B [CD2枚組] / 3600円 / SECL-1846~7
- 通常盤 [CD] / 3000円 / SECL-1848
CD収録曲(共通仕様)
- 埋めてあげたい(Interlude)
[台本・演出:土屋亮一(シベリア少女鉄道)]
- ゼッテーアナーキー
[作詞・作曲・編曲:ABEDON]
- 春休みモラトリアム中学生
[作詞・作曲:尾形回帰(HERE)/ 編曲:尾形回帰(HERE)、西井慶太]
- ポップコーントーン
[作詞・作曲・編曲:田村歩美(たむらぱん)]
- 面皰
[作詞・作曲:吉澤嘉代子 / 編曲:石崎光(cafelon)]
- エビ中出席番号の歌 その2
[作詞・作曲・編曲:前山田健一]
- マブいラガタイフーン(Interlude)
[作詞:MTG(CASIOトルコ温泉)、PKNY(CASIOトルコ温泉)/ 作曲・編曲:MTG(CASIOトルコ温泉)]
- 夏だぜジョニー
[作詞・作曲・編曲:RYO from ORANGE RANGE、シライシ紗トリ]
- MISSION SURVIVOR
[作詞・作曲:首藤義勝(KEYTALK)/ 編曲:鈴木雅也]
- ナチュメロらんでぶー
[作詞・作曲・編曲:田村歩美(たむらぱん)]
- あな秋いんざ夕景(Interlude)
[台本・演出:丸山博久]
- ポンパラペコルナパピヨッタ/五五七二三二〇
[作詞:田中直基 / 作曲・編曲:菅野よう子]
- お願いジーザス
[作詞・作曲:加藤慎一(フジファブリック)/ 編曲:フジファブリック]
- 全力☆ランナー
[作詞・作曲・編曲:杉山勝彦]
- スーパーヒーロー
[作詞:YuReeNa / 作曲:kzm / 編曲:CHOKKAKU]
- 参枚目のタフガキ
[作詞・作曲:前山田健一 / 編曲:CMJK]
初回限定盤A Blu-ray収録内容
- エビ中ヒストリーメドレー@氣志團万博2015(ライブ映像)
初回限定盤B DISC 2収録内容
- 年忘れ大学芸会2015 Live atさいたまスーパーアリーナ(2015年12月12日 埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演のライブ音源を収録)
私立恵比寿中学(シリツエビスチュウガク)
スターダストプロモーション芸能3部に所属するアイドルグループ。2009年夏に結成し、2010年2月には初のシングル「朝のチャイムがなりました!」を発表した。2011年4月には事務所の先輩であるももいろクローバー(現・ももいろクローバーZ)の中野サンプラザ公演にゲスト出演し、前山田健一プロデュース曲「ザ・ティッシュ~とまらない青春~」などを披露。同年10月には東京・Shibuya O-EAST(現TSUTAYA O-EAST)で初のワンマンライブを行った。2012年5月にはDefSTAR RECORDSよりシングル「仮契約のシンデレラ」でメジャーデビューを果たし、2013年7月には初のオリジナルフルアルバム「中人(ちゅうにん)」をリリース。2014年4月に行われた東京・日本武道館公演「私立恵比寿中学合同出発式~今、君がここにいる~」を最後に瑞季、杏野なつ、鈴木裕乃の3名が“転校”(脱退)した。以降は真山りか、安本彩花、廣田あいか、星名美怜、松野莉奈、柏木ひなた、小林歌穂、中山莉子の8人で活動し、2015年1月には2ndオリジナルアルバム「金八」をリリース。同年12月には埼玉・さいたまスーパーアリーナで2DAYSワンマンライブ「私立恵比寿中学 年忘れ大学芸会2015『エビ中のオールアトラクスター』」を開催した。2016年4月に3rdフルアルバム「穴空」(アナーキー)をリリース。