ナタリー PowerPush - 私立恵比寿中学
ヒャダイン&たむらぱんが語るエビ中の魅力+PV監督アンケート(「仮契約のシンデレラ」家泉英明 / 「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」フカツマサカズ)
エビ中楽曲ができるまで
──エビ中の楽曲ってどんなふうに作られるんですか?
まず職員陣から発注が来るんですよ。大前提で普通の曲を作ろう、とはならないですね。だったら僕以外の正統派な曲を作る人に任せればいいと思うので。
──ももクロの曲作りと対比するとどうですか?
ももクロちゃんの悪ふざけした部分をもっと加速させたのがエビ中ですね。あとは単純に人数が約2倍なので、ギミックも2倍になります。メンバーのキャラは知り尽くしているので、今は作りながら「このパートはこのメンバーで行こう」というのをほぼ想定しています。
──楽曲によって、まだ多くのお客さんに伝わっていないキャラをわかりやすく伝えよう、という意図もある?
そうですね。僕の楽曲ではキャラ立ちは絶対させるので。その上でさらに彼女たちも自分のキャラを自覚して、より強く個性が出るようになるという。プラスのスパイラルに向かって行くんだと思います。
エビ中の“応戦布告”
──新曲の「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」はどのように作られたんですか?
まず「『放課後ゲタ箱ロッケンロール』という言葉を思いついた」と言われて(笑)。続けて「春だから新学期。新学期に学校に行って帰ろうと思ったら靴を隠されてる曲にしましょう!」って言われて。ひいひい笑いながら「じゃあゲタ箱に果たし状入れます!」なんて提案して。
──アイドルでヤンキーテイストだから、AKB48の「マジスカロックンロール」、ハードロックだからさくら学院のユニット・BABYMETALを意識されたのかなとも思いました。
全然意識してなかったですね。でもそれは面白いかもしれない。「果たし状」というモチーフは、メジャーデビューにあたってほかのアイドル陣営から「最近調子ぶっこいてるらしーな。メジャーに来たら痛い目にあわせてやる。身のほどを思い知らせてやる」ってケンカを売られるっていうイメージなんです。メジャーデビューに対するエビ中の意気込みの曲ですね。例えば真山の「どーにかこーにか手に入れた 最強のMAXチャンス」とか、ひなたの「気合は十分だ」とか、意気込んでますよね。別に誰にケンカを売られたってわけじゃないんですけど(笑)。勝手に売られたことにして。もはや当たり屋ですよね。「かかってこいやー!」って(笑)。
──エビ中は「戦国時代は終わって、今は誰もが複数のアイドルが好きで当たり前だから、戦う必要なんてない時代なんだ」というスタンスだと思うので、その態度は面白いですね。
ですね。だから宣戦布告ではなく、応戦布告なんです。
安本彩花だけは変わってほしくない
──メジャーデビュー曲「仮契約のシンデレラ」のCDに収録された、ご自身以外の楽曲についてはどうですか?
すごいですね。色とりどりの曲が揃ってて。いいと思います。今回はいろんなエビ中の魅力を知ってほしい、というのがあったので。
──ほかの楽曲から刺激を受けたりは?
それは特にないですね。一番メンバーの魅力を引き出してるのは自分だろうなっていう自負があるので。
──エビ中について、今までで一番印象に残っていることは何でしょう?
去年の4月10日、早見あかりが抜けたももクロの中野サンプラザライブのあと、お疲れ会での出来事ですかね。すっごい狭いところで、エビ中とももクロが並んで座ってたんですね。で、その真ん中になぜか大人で僕1人だけが座らされて。もう地獄絵図ですよ(笑)。他の大人は30人くらいみんな立ってるし。ももクロ&エビ中とはなんの会話もなく。そこで初めてエビ中メンバーと交わした会話を鮮明に覚えてます。りななんだったかな。「匂いつき鉛筆があるからかいでみて」って。「これうまい棒!」とか「これスルメイカ!」って渡されました(笑)。エビ中って、一人ひとりは大人っぽいんですけど、群れたときはただのダメな子供なんですよね。ひなたなんて3、4歳の幼女ですよ。
──では、これからのエビ中にはどんな曲を提供していきたいですか?
人数が多いのでユニットとか、ソロ曲を作ってもいいかもしれないですね。そこで若干えこひいきをするもアリかなと思ってるんですよ。それによってほかのメンバーも悔しく思って努力するでしょうし。例えばあいかとひなたはすごく仲がいいけど、ライバルだと思ってる部分もあるでしょうし。切磋琢磨してほしいので、そういうものを仕掛けていっても面白いのかなと思います。
──エビ中には今後どうなってほしいですか?
エビ中の面白さって「自由奔放な子たちに自由奔放な方針でやらせる」ことだと思うんです。さくら学院が優秀な私立だとすると、エビ中は私立って言いつつも、そんなに偏差値の高くない公立、というイメージがあります(笑)。そういう等身大の部分を変わらずに持ち続けてほしいなと。中でも安本彩花だけは変わってほしくなくって。彼女によってグループの色が決まっている部分があると思うんです。それはももクロにおける百田夏菜子と一緒で。夏菜子が全く差別なく明るい笑顔で変わらずにいるから、グループとしてブレないんですよね。彼女が発するオーラにほかのメンバーが感化されている部分が大きいんですよ。それと同じで、安本彩花が変わらないことによって、ほかの8人を含めて、グループとして軸がブレないんじゃないかなと。「学芸会」というコンセプトを支えるのは彩花だと思うんです。彼女はエビ中の宝です。タレントとして、芸能界でどうなってほしいという希望は特にないですね。本人にとって一番いい形になればいいなと。どんな形であれ、スターダストは彼女たちを自由にさせたまま、幸せな形に持っていきます。無理強いは絶対にさせないので、最終的にはきっといい形になると、僕は信じてます。
前山田健一(まえやまだけんいち)
1980年7月4日生まれのソングライター。3歳でピアノを始め、作詞・作曲・編曲を独学で身につける。京都大学を卒業後、2007年に本格的な音楽活動を開始。前山田健一として、倖田來未×misono「It's all Love!」、東方神起「Share The World」などのヒット曲を手がける一方、ニコニコ動画などの動画投稿サイトに匿名の「ヒャダイン」名義で作品を発表し大きな話題を集めた。2010年5月にはヒャダインのブログにてヒャダイン=前山田健一と告白。その後も、ももいろクローバー「行くぜっ!怪盗少女」やアニメ「みつどもえ」関連楽曲などのヒット曲を量産し、2011年4月にシングル「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C」でヒャダインとしてメジャーデビュー。2012年5月9日には通算4枚目のソロシングル「Start it right away」をリリースする。
収録曲
- 仮契約のシンデレラ
- 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX
- 揚げろ!エビフライ
- 仮契約のシンデレラ (Less Vocal)
- 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX (Less Vocal)
- 揚げろ!エビフライ (Less Vocal)
※トレーディングカード9種のうち1種ランダム封入
収録曲
- 仮契約のシンデレラ
- 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX
- 歌え!踊れ!エビーダダ!
- 仮契約のシンデレラ (Less Vocal)
- 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX (Less Vocal)
- 歌え!踊れ!エビーダダ! (Less Vocal)
※トレーディングカード9種のうち1種ランダム封入
私立恵比寿中学(しりつえびすちゅうがく)
スターダストプロモーション芸能3部に所属するアイドルグループ。2009年8月4日の結成以降、数人の転校(脱退)と転入(加入)を繰り返し、現在は瑞季、真山りか、杏野なつ、安本彩花、廣田あいか、星名美怜、鈴木裕乃、松野莉奈、柏木ひなたの9名が所属している。2010年2月14日に初のシングル「朝のチャイムがなりました!」を発表。2011年4月には事務所の先輩であるももいろクローバー(現・ももいろクローバーZ)の中野サンプラザ公演にゲスト出演し、前山田健一プロデュース曲「チャイム!」「ザ・ティッシュ~とまらない青春~」を披露した。2011年10月5日には6枚目のシングル「もっと走れっ!!」をリリース。同月8日には東京・Shibuya O-EASTにて初のワンマンライブを行い、大成功に収めた。「King of 学芸会」の異名を持つ個性あふれるパフォーマンスで人気を集め、2012年5月5日にはDefSTAR Recordsよりシングル「仮契約のシンデレラ」でメジャーデビューを果たした。