ナタリー PowerPush - 私立恵比寿中学
メンバー&職員が語るこれまでとこれから
「売れているタレントが見る景色」を見せてあげたい
──先日はついにDefSTAR Recordsから「仮契約のシンデレラ」でメジャーデビューすることが発表されました。
藤井 3月4日にラゾーナ川崎でデビューイベントを開催します。そこから先のスケジュールはオフィシャルサイトなどで発表していきます!
石崎 表題曲「仮契約のシンデレラ」はエビ中らしく変化球な、かつエビ中としては直球の曲です。そして前山田健一さんの「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」。当然これも前山田さんにしかできないエビ中らしい曲ですが、破壊力は一番かもしれないです。ほかに3曲、CDには3形態で計5曲の新曲が収録されます。正直、タダもんじゃない並びになってます。「エビ変わったな」とは言わせませんよ!
──エビ中公式サイトではメジャーデビュー発表日までの日数が「ゆとりCOUNTDOWN」として表示されていました。メジャーデビューというと「モラトリアムの終わり」を連想させますが……。
石崎 よくある「2万枚売らないと解散」みたいな、そういうのはしたくないねって話してて。
藤井 むしろ売れ過ぎないほうがいい。例えばオリコンで1位を穫ったら、次に何をしたらいいかわからないですからね。
石崎 お客さんも応援するモチベーションがなくなっちゃうし。サザン、ミスチル、ドリカムのような方々がどれだけすごいかってことですよ。
藤井 ただ、アイドルブームはチャンスなので、今の段階である程度は形にしないといけないですね。まずは「エビ中」というグループ名の知名度を上げたい。メンバーはまだ「売れているタレントが見る景色」を見ていません。それを見ると人生観が変わるんですよね。彼女たちがやると決めた以上は、その景色を見せてあげたい。それがタレントを目指す彼女たちのためになると思っています。
「モラトリアム」はエビの根幹
──メンバーも「頂点を穫りたい」と言っていますね。元々スターダストのグループって、ももクロより前は育成機関の意味合いが強かったし、エビ中も当初はそういう存在でした。「いつなくなるかもわからない」という刹那的な感覚とモラトリアムな雰囲気が、エビ中の魅力を形成している大きな要素だったと思います。それが「この9人で売れるんだ」というベクトルを持つとどうなるのか、特に旧来のファンは危惧しそうです。
藤井 そうでしょうね。「終わりの始まり」って言われるんだろうな……。でもメジャーデビューするにあたって、いくつかの会社からお声がけいただいて、その中で選び抜いたところとやるので。長い間お話をして、現場を何度も見ていただいて。我々の方針に沿ったやり方で行きます。
石崎 話が来たレコード会社全部に、最初に「これを変えるつもりないから」って言ったんですよ。それでもいいっていうところとやるということです。
藤井 それと、確かにエビ中はもう育成機関ではなくなります。それじゃあお客さんも納得しないですし。1位を獲りたくないって言ったのと矛盾しますが(笑)、でもなんらかの結果は求めてやりたいですね。ただ、「モラトリアム」感はエビ中の根幹として残します。
近藤 そうですね。
石崎 学芸会も外せないよね。
藤井 それ取っちゃうと何も残らないから。アイドルブームがいつまで続くかわからないけど、やれるところまでやります。
「もうアイドル戦国時代は終わった」?
──戦国時代と言えば、昨年6月のイベントで「アイドル戦国時代は今日で終わりです。これからのアイドル新時代の幕開けは、わたしたちエビ中が引っ張っていきます」と宣言していました。エビ中的には「もうアイドル戦国時代は終わった」という認識でいいのでしょうか?
近藤 まあ、そのときに言いたくなっちゃっただけというか(笑)。でも僕としてはエビ中って戦国時代に入っていく必要がない、戦わなくてもいいグループだと思うので。例えばアイドル好きのぁぃぁぃ(廣田あいか)がいろんなアイドル現場に行ってアイドル同士をつなぐ。みんな仲良くすればいいじゃん、よくわかんない位置にいれば、みたいな。まあ、宣言は行き当たりばったりだったけど、でも「終わらせた」という認識を持ってます。
藤井 うん、それでいいよ(笑)。
近藤 本人たちもほかのアイドルが好きだし。ライバル心を持つような子たちじゃないし。我々としては「戦国時代を勝手に終わらせて、勝手にほかのところに行ってますよ」という感じですね。
──確かに別次元の存在という雰囲気はありますね。校長が自分の誕生日を祝うためにステージで歌うって、エビ中でなければありえないですし。
藤井 いや、あれはたまたま誕生日が近くて、別にやりたいって言ったわけじゃなくて。僕がやりたくてやったと見てる人もいるかもしれないけど、協議の結果なんです!
石崎 もしメンバーがイヤがってたらやらないですからね。
藤井 メンバーが誰よりも笑ってましたよ!
近藤 メンバーが喜ぶならやろうっていうことなんですよ。爆笑してるメンバーを見て、お客さんも楽しんでくれててっていう、このアットホームな感じを、今後は濃度を変えずに広げていくのが課題です。
石崎 勝手に思ってるんですけど、エビ中のユルい空気って、校長のキャラだと思うんですよね。そういうのって「誰がまとめてるか」っていうのが一番反映されるものじゃないかな。
「今日からお前はサブカル校長だ」って
──ちなみに「サブカル校長」とも呼ばれていますが、どの辺りがサブカルなんでしょう?
藤井 元々若い頃にはサブカルっぽいものが好きだったんです。ももクロが「クイックジャパン」に出たときはうらやましすぎてショックでした。川上さん(川上アキラ / ももいろクローバーZ、早見あかりマネージャー)に「これだけは悔しいですよ」って伝えて。でも今は全然サブカル好きじゃないんですよ。
近藤 サブカルの扱いって今は微妙で、特にアイドル好きな方からすると揶揄する意味合いが強いですよね? で、エビ中が変なことをするたびに「校長はサブカル好きだ」ってファンの方に言われ始めたんですよ。それを面白がって、理事長が「今日からお前はサブカル校長だ」って言い出したんです。
藤井 若いときは僕もサブカルってカッコイイなと思ってたんですよ。サブカルってなんなんですかね?
石崎 メインとは違う流れにあるものですよね?
藤井 売れてる人たちが好きじゃないって人もいますけど、僕は売れてほしいと思ってますから。
近藤 メインに乗り切れないからサブカル、というか。
藤井 ほんとはメジャーになりたい(笑)。
近藤 踏み外して結果サブに行ってる(笑)。
──「サブドル」というのは?
藤井 言いたいだけです。基本言いたいだけとか、響きがいいとか、そういうのが多い(笑)。そこに関しての深い意味はなくて。誰も言ってないからそれをやろうという。キャッチコピーって大事で、それで違和感を持ってもらえば御の字かなって。
──では最後に、インタビュー冒頭の「オレたちは出たがりじゃない!」の詳しい説明をお願いします。
藤井 メンバーは学校があってレッスンもあって、デビューすれば今後はますます負担が増えます。だからその負担をなるべく軽減するために、告知に関する部分は我々がやってもいいんじゃないかと思ってるんです。本人たちが告知しなくても、情報としては変わらないですから。それと、お客さんが観られる時間を考えると、どうしても遅い時間になってしまう。中学生なので早く家に帰したいんですよね。
石崎 ただまあ、批判が集まるのもわかります。お客さんはメンバーを観たいでしょうし。
藤井 でも川上さんも僕もそうですけど「本人たちのためになるなら、なんでもやります」ということなんです。メジャーデビューしてさらに面白くなっていく私立恵比寿中学の応援を、ぜひともよろしくお願いします!
収録曲
- 仮契約のシンデレラ
- 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX
- 揚げろ!エビフライ
- 仮契約のシンデレラ (Less Vocal)
- 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX (Less Vocal)
- 揚げろ!エビフライ (Less Vocal)
※トレーディングカード9種のうち1種ランダム封入
収録曲
- 仮契約のシンデレラ
- 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX
- 歌え!踊れ!エビーダダ!
- 仮契約のシンデレラ (Less Vocal)
- 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX (Less Vocal)
- 歌え!踊れ!エビーダダ! (Less Vocal)
※トレーディングカード9種のうち1種ランダム封入
収録曲
- 仮契約のシンデレラ
- 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX
- 結果オーライ
- 仮契約のシンデレラ (Less Vocal)
- 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX (Less Vocal)
- 結果オーライ (Less Vocal)
※初回プレス仕様あり
私立恵比寿中学(しりつえびすちゅうがく)
スターダストプロモーション芸能3部に所属するアイドルグループ。2009年8月4日の結成以降、数人の転校(脱退)と転入(加入)を繰り返し、現在は瑞季、真山りか、杏野なつ、安本彩花、廣田あいか、星名美怜、鈴木裕乃、松野莉奈、柏木ひなたの9名が所属している。2010年2月14日に初のシングル「朝のチャイムがなりました!」を発表。2011年4月には事務所の先輩であるももいろクローバー(現・ももいろクローバーZ)の中野サンプラザ公演にゲスト出演し、前山田健一プロデュース曲「チャイム!」「ザ・ティッシュ~とまらない青春~」を披露した。2011年10月5日には6枚目のシングル「もっと走れっ!!」をリリース。同月8日には東京・Shibuya O-EASTにて初のワンマンライブを行い、大成功に収めた。「King of 学芸会」の異名を持つ個性あふれるパフォーマンスで人気を集め、2012年5月5日にはDefSTAR Recordsよりシングル「仮契約のシンデレラ」でメジャーデビューを果たす。