先輩・浅野真澄との初コラボで歌う声優の心得

──「勇者へのミサ・ブレイヴィス」は「RPG教会風」という設定ですけど、アルバムの中では異色の空気感を持っていますよね。

高野　イントロから聖なる雰囲気を漂わせていますけど、勇者の傷を癒す使命にあるシスターの曲なので、途中の曲調が変わるところできっと救命処置を施しているんだと思います。

長久　うんうん。頭の中でかけたよね、黒魔術。

高橋　白魔術じゃないかな（笑）。蘇生系だよ。この曲は歌の掛け合いが多くて、パート分けが細かいです。

長久　3人でユニゾンしてないのは初めてだもんね。サビも2-1になってたりとか。

──ここで蘇生してからの「プロ根！ ～地獄の一丁目特訓！の巻～」ですが。

高野　あさのますみ（声優の浅野真澄。作詞家名義はひらがな）さんに歌詞を書いていただいたんですけど、あさのさんならではの声優としての心得と言いますか、私たちの努力をきれいに書いてくださって。

高橋・長久　蹴散らせ！ 弱い自分！

──本来ならスポ根モノで使うような表現をすべて声優に当てはめているという。

高橋　そうですね。このぐらいの覚悟は必要よ！というあさのさんの強い思いが入っているんだと思います。

──あさのさんから3人への檄が。

高橋　はい。でも私たちはお仕事が好きだから、「今から仕事千本ノックだ！ 覚悟はいいか！」というあさのさんのセリフのあとに「はいコーチ、お願いします！」って言うんですけど、「千本も仕事していいんですか？ お願いします！」って気持ちになっちゃう（笑）。

高野　初めてのあさのさんとのコラボ曲だから、思い入れのある1曲になりました。

イヤホンズのこれから

──「お買物めっちゃええねんチャンネルのうた」ですが、アルバムのクライマックスにこんな曲が出てくるというのもすごいですよね。

長久　面白いです。ギャグ曲なので（笑）。「リボ払い」を10回連呼するところは、仮歌が「リボ払い、リボ払い、リボババイ」みたいな感じで……。

──本当はちゃんと10回言えるんですよね？

長久　本当は言えます。……言えますよ！

──今、言ってもらってもいいですか？

長久　リボ払い、リボ払い、リボ払い、リボ払い、リボ払い、リボ払い、リボ払い、リボ払い、リボ払い、リボ払い。……えっ？ 何この「言えちゃったよ」みたいな空気！

高橋　がっきゅ（長久）ってそんな言える子だっけ？

長久　言えるよ！ すももだけ言えないの。

高野　キャラクター的に言えていいの？

長久　キャラクターじゃないから！ っていうか言えない人いるのかな。

高橋　まりんか行ってみようか。

高野　私、言えなさそうだなあ。リボ払い、リボ払い……リボ払い。言えた。

高橋　じゃあ私も。リボ払い、リボ払い……リボ払い。言えた！

一同　おおおお（拍手）。

長久　もしかしたら私たち、成長してるのかな？

高橋　途中ぐだぐだでしたけど、私たち、声優でした（笑）。

──そして最後はシングル曲「光の先へ」でビシッと締めると。デビューからこれまでを総括する充実したアルバムになったと思いますが、皆さんはこれから先、イヤホンズをどんなグループにしていきたいと思いますか？

高橋　まりんか、どう？

高野　このアルバムを作って、イヤホンズの可能性がグッと広がったと思うんですよ。これまで出してきた3枚のシングルは「それが声優！」という作品のもと、声優としてがんばる私たちが皆さんを元気にするというものだったと思うんですけど、アルバムではさらに表現の幅が広がって。このアルバムからもさらに飛び出していきたいですし……アルバムのツアーもしたいです。このアルバムの曲を皆さんの前で歌ってこそ、さらなる階段が踏めたんだなという一歩を踏み出せた証になると思うので。どんどん皆さんの前で歌って、皆さんを元気にして、盛り上がっていきたいと思っております。

高橋　うんうん。

長久　全部言ってくれましたね。

高橋　がっきゅ（長久）に振らなくてよかった。

長久　オイ！