現在配信中のdTVのオリジナルライブ番組「Roots」第4回にももいろクローバーZが出演している。4人はそれぞれグループに縁のあるさまざまな場所でインタビューに答えるほか、結成当初に頻繁にイベントを行っていた秋葉原UDXシアターにてライブパフォーマンスを披露。さらに番組では今年1月に千葉・幕張メッセで行われた「ももいろクローバーZ 13周年記念コンサート~再び、その先へ~」の映像も届けられる。音楽ナタリーでは、秋葉原UDXシアターでのライブ収録を終えたばかりのメンバーにインタビューを行い、秋葉原での思い出や結成当初の秘蔵エピソードなどを語ってもらった。
取材 / 近藤隼人文 / 丸澤嘉明
初めてのレコーディングは怖さのあまり号泣
──まずは番組への出演が決まったときの感想を聞かせていただけますか?
百田夏菜子 自分たちのルーツって節目の年に振り返ることが多いと思うんですけど、特にそういう時期でもないときに出演させていただくということで最初話を聞いたときはびっくりしました。でも私たちも忘れていたことがたくさんあって、この番組をきっかけに「いろんなことがあったね」ってみんなで盛り上がれたのでよかったです。
玉井詩織 私たちがここまで続けてきたからこそ振り返ることができると思うので、そういう過去があるのはすごくうれしいですね。私はインタビューパートで、昔路上ライブをやっていた代々木公園のケヤキ並木に行ったんです。今日も思い出深い秋葉原UDXシアターでのライブ収録でしたけど、普段はあまり来ることがない場所を改めて訪れる機会をいただけてありがたいですね。
高城れに 私はインタビュー収録で、結成当時通っていたレコーディングスタジオに行きました。
百田 あそこに行ったんだ! 変わってた?
高城 まったく変わってなかった! 今日歌った「走れ!」と「オレンジノート」をレコーディングしたのもあのスタジオだったよね。
佐々木彩夏 「ももいろパンチ」とか「未来へススメ!」も録ったよね。
高城 そうそう。初めてのレコーディングで怖さのあまり全員号泣するっていう(笑)。
百田 あまりいい思い出がない(笑)。
──当時はレコーディングが怖かった?
一同 怖かったー。
佐々木 一番嫌いでした。スタジオが駅から遠くて、歩いて通っていたんですけど、めちゃくちゃ足が重かったよね。
百田 スタジオに着いてからも、レコーディングブースの扉を開けたくなくて(笑)。
高城 ブース内にカメラが付いていて、映像が外にいるみんなに見えるんですよ。
玉井 オーディションを受けているみたいで、なんとも言えない気持ちになるという(笑)。グループ名を決める投票をしたのもそのスタジオだったよね。レコーディング以外にも思い出がたくさんある。
──メンバーやスタッフしか知らないけど、ももクロにとってはちょっとした聖地なんですね。
高城 そうですね。
「お手洗いに行きたい」と言ったら「汗で出せ」
──当時この秋葉原UDXシアターでイベントをやっていたときのことって今でも覚えていますか?
玉井 もちろんです。私たちの活動の中でも特に濃い時間を過ごしたので。
高城 みんな学生だったから制服で通っていて、特典会でファンの方に渡すお手紙をここの楽屋で書いたこともあったよね。
佐々木 このUDXシアターでやっていたのは結成1、2年目で、会場のキャパは175人くらいなんですけど満員にならなくて。恥ずかしくも懐かしい思い出ですね。みんな元気かな。
玉井 客席を見たら顔がわかるくらいの距離感だったからよく覚えてるよね。
百田 テレビで話したこともありますけど、「お手洗いに行きたい」と言ったら川上(アキラ / マネージャー兼プロデューサー)さんに「汗で出せ!」って返されたのはこの場所です(笑)。1日6回公演とかやっていて、合間に着替えもしなきゃいけなかったから本当に時間がなくて。
佐々木 楽屋にお手洗いがなくて会場の外まで行かなきゃいけなかったから。
高城 時間ないのに唐突に川上さんが「次の公演はパジャマでやったらいいんじゃないか」とか言い出して、スタッフさんが近くのドン・キホーテに買いに行ったこともあったよね。
百田 てんやわんやだった(笑)。ホントいろんな思い出があるね。
「走れ!」を初披露
──当時の秋葉原はももクロ以外にも東京女子流が定期公演を行うなど、アイドルシーンが盛り上がり始めていた時期ですよね。
玉井 なんと言ってもAKB48さんの劇場がありますから。劇場の外にいっぱい人がいるのをいつも見ていたんですよ。あっちは路上にあふれるくらい人が集まっているけど、私たちはUDXシアターを埋められるかなって思いながら。
百田 「私たちも観に行きたいね」なんて言ったりして。
高城 確か指原(莉乃)さんがももクロの話題をAKB48劇場で出してくれたことがあったよね。それをこの楽屋で聞いてみんなですごく喜んだ思い出がある。
佐々木 AKB48さんの劇場の抽選に外れた人たちが舞い込んできてくれないかなと思って、この建物の下の広場でイベントをやったこともあったよね。
高城 あったあった。そこで「走れ!」を初披露したんじゃない?
──今日の取材のためにファンの当時のブログをいくつか読んできたんですが、まさに「『行くぜっ!怪盗少女』のカップリング曲がお披露目されて、それがめちゃくちゃいい曲で奇跡的な瞬間に立ち会えた」と書いている人がいました。「走れ!」という曲名は発表されなかったみたいで、「曲名はわからないけど、とにかくいい曲だ」って。
玉井 すごい! 曲名を発表しないって(笑)。
佐々木 でもありえるよね(笑)。
──そういうさまざまなエピソードを聞くと、やはり秋葉原はももクロのルーツにふさわしい場所と言えますね。
百田 本当によくお世話になっていた場所ですね。期間はそんなに長くないけど、すごく濃かったから鮮明に覚えています。今、私たちは通販サイトMAILIVIS内に「はるえ商店」というWebストアを構えてグッズを販売していますけど、それもこの秋葉原の一角で「はるえ商店」という店を出して特典会をやっていたのが由来なんです。
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それぞれのアイドルとしてのルーツ