NTTドコモ&吉本興業の新ガールズグループ創出プロジェクト始動 浦野秀太(OWV)×山田知弘(統括プロデューサー) “経験者”と“運営”それぞれの視点からオーディションを語る

「参加者にはこちらからオファーした方もいる」

──このオーディションのもう1つの大きな特徴として、事務所に所属している方やプロの方の応募も可能にしている点があると思います。これはどういった意図から?

山田 経験豊富な方が参加することで、より表現の幅が広がりそうですし、デビュー後も自由に活動を続けていただきながら、並行してこのプロジェクトで自分磨きをしてもらえたらと思っているんです。大きな話になってしまいますが、これからのグループはそうなっていくんじゃないかなって。最近は活動を終えたあと、別のグループで再デビューする方も増えていますし、それぞれがステップアップを目指していろいろなグループで活動していくのも、新しい形なんじゃないかなと。

──すでにグループに所属している方が、デビュー後に掛け持ちすることも可能ということですか?

山田 両者が合意できるなら、全然ありかなと思います。とはいえ自分たちの描く稼働量としては、最初は数年レンタルくらいの気持ちでこちらに集中してもらえたらありがたいですが(笑)。でもそれくらい、これまで非常識だったことが常識になっていくんじゃないかなと。僕らは新参者なので、枠にとらわれず、柔軟にやりたいですね。中にはこちらからオファーして参加していただく方もいるので、楽しみにしていてほしいです。

左から浦野秀太(OWV)、山田知弘。

左から浦野秀太(OWV)、山田知弘。

──画期的ですね。浦野さんは「日プ」に参加するとき、それまでに所属していた事務所を辞められたんですよね。

浦野 「日プ」はそうしないと応募できなかったので、辞めてから受けましたね。掛け持ちできるというのは、すごく新しいですね。

山田 選手がレンタルで数年別のチームに行くって、サッカーなどスポーツの世界では全然あることじゃないですか。その期間にそのチーム同士で戦うこともある。そんな感じで、メンバーが所属するグループ2つが歌番組で共演することがあっても面白いかなと。グループの活動期間は決めていないですが、もし「2年経ったら元のグループに戻ります」と言われてもOKだし、新しいメンバーを入れることもあるのかな、と思います。いろんな意味でカメレオンなグループですね。

──ちなみに詳細はまだ明かせないかもしれないですが、トレーナーはどんな方が参加するんでしょうか?

山田 皆さんの期待を裏切らないような、ボーカルやダンスの第一人者としてイメージする方をお招きできるよう調整しているところです。参加者が音楽の本質を理解するために、作曲の第一線にいる方もお呼びしたいし、ビューティケアやボディメイクなど、多岐にわたるスペシャルトレーナーを迎える予定です。

浦野 ビューティケアまで! 太っ腹ですね。ボーイズだったら僕も入りたかったです(笑)。

──ボーイズオーディションだったら、浦野さんも応募資格があったわけですもんね。

浦野 いやあ、受けたいです! でも僕は実家暮らしで家事ができないので、共同生活で生活力のなさを評価されたら、怖いですね。そこは審査しないですよね?

山田 大丈夫です(笑)。絶望的なレベルだと心配になりますけど。家事能力ゼロからの飛躍的な成長が見られることもあるかもしれないですね(笑)。

浦野 共同生活というスタイルに抵抗がある人もいそうですが、そういう方にはどんな心持ちで応募してほしいですか?

山田 なぜ共同生活を送ってもらうかというと、短い期間でいかにグルーヴを高め合えるかを見たいんです。やっぱり人間って、1人では生きていけないじゃないですか。どんなにゴーイングマイウェイな人でも、裏では誰かが合わせてくれていたり、自分がどこかで妥協していたりするから生きていけるわけで。グループの中でやっていくには、やはり協調性がないと崩壊してしまうと思うんですね。そういう部分を見たいという思いはあります。

浦野 グループで活動するうえでは、協調性はめちゃくちゃ大事ですからね。お互いを深く知っていて仲がいいグループは、パフォーマンスにもそれが反映されると思います。OWVはそれぞれが住む家は別々ですけど、一緒にいる機会も話をする機会も多いので、つながっているなという一体感は常にあります。

山田 最近OWVで一体感を感じた出来事は?

浦野 うーん。この間、仕事が深夜2時に終わったんですけど、実家暮らしの僕が途方に暮れていたら、中川(勝就)が「俺の家来る?」って言ってくれたんです。いつもは一番に帰るのに、そのときに限ってうろうろしていて。僕を待っててくれたんですね。そのあとは僕が、お礼に牛丼屋さんで中川の分も一緒にお会計しましたよ(笑)。そういう小さなところでも、助け合っている感覚はありますね。

浦野秀太(OWV)

浦野秀太(OWV)

経験者が語る、応募動画のアドバイス

──浦野さんは、オーディションに参加したことでご自身にどんな変化がありましたか?

浦野 自分の強みを伸ばしたり、新たな発見ができたことですかね。僕はOWVではメインボーカルを担当しているんですけど、「日プ」に参加するまで、自分の強みはダンスだと思っていたんですよ(笑)。応募用紙のポジションの項目にも、ダンスにマルを付けてました。でも、いざ参加したら、周りから「お前はダンスより歌を伸ばしたほうがいい」と言われて。オーディションに参加しないと自分のボーカルの魅力には気付けなかったので、参加することで新たな自分に出会える可能性は高いと思います。

山田 あと浦野さんは、ライブとかでトラブルがあってもいい意味であまり動じない印象があって。オーディションを経て「動じない精神力」も手に入れられたのかな、と感じていました。

浦野 確かに。“なんとかなる”精神は鍛えられたかもしれないですね。

──浦野さんには、オーディションへ応募する方へのアドバイスもぜひ教えていただきたいです。応募には歌とダンスの動画が必要となりますが、「こういう動画を撮るといいよ」などの秘訣はありますか?

浦野 ポピュラーな曲や人気のある曲ではなく、自分の強みをよりアピールできる曲を選ぶことが大事だと思います。高い音域が得意な人だったらそこを存分に見せられる曲を選んだほうが絶対にいいし、ダンスでも自分のよさが出るジャンルを選んだほうがいい。それで「この子ちょっと面白いな」「R&Bに特化した子なんだな」というのが伝わったら、勝ちだと思います!

──ありがとうございます! では最後に、応募を迷っている人の背中を押すひと言をそれぞれお願いできますか?

浦野 今日お話を伺って、幅広い方にチャンスがあるオーディションだなと思いました。人生を変えたい人や、ダンス&ボーカルグループの一員としてデビューしたい熱量のある人は、みんな応募してみてほしいです。あとは「私こそキュート!」「我こそはクール!」と、自分のコンセプトに自信のある方はぜひアピールしてもいいんじゃないかなと思います。

山田 日本にこれまでなかったグループが誕生すると思っています。そういうことを面白がってくれる人にどんどんチャレンジしてほしいですし、多様性やカラフルさを表現できる自信のある人は、ぜひ踏み出してみてもらえたらうれしいです。

左から浦野秀太(OWV)、山田知弘。

左から浦野秀太(OWV)、山田知弘。

プロフィール

浦野秀太(OWV)(ウラノシュウタ)

1997年6月17日生まれ。神奈川県出身。2019年、CJ ENMと吉本興業が手がけるサバイバルオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」に参加し、翌年4月、同番組の出身者4名からなるボーイズグループ・OWVのメンバーとしてデビュー。グループのメインボーカルとして活躍する傍ら、2024年2月上演の舞台「FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS 幻影戦争 THE STAGE」に出演し、2024年6月上演の舞台「WORLD BROKER」では初主演を務めるなど、近年は役者としても活動の幅を広げている。

山田知弘(ヤマダトモヒロ)

株式会社NTTドコモ・スタジオ&ライブ在籍のチーフプロデューサー。新卒で音楽業界に入社して以降、17年間にわたりダンス&ボーカルグループを中心にバンド、ソロアーティストなど数多くのアーティストの制作、プロモーションに従事。2024年10月にスタートする、NTTドコモ・スタジオ&ライブが手がける新ガールズグループ創出プロジェクトの責任者を務める。