ナタリー PowerPush - Droog
大分発・本能のパンクロック ついにメジャーシーンへ進出!
大分県出身のフォーピースバンド、Droogがミニアルバム「LOVE SONGS」とともにメジャーデビューを果たす。オーセンティックなパンクロックを2011年のロックミュージックとして体現するバンドサウンド、そして、グラマラスで危ういカタヤマヒロキのボーカルは、ここからさらにスキャンダラスな衝撃を与えることになるだろう。「LOVE SONGS」の成り立ちを中心に、現在のDroogの状況についてカタヤマと荒金祐太朗(G)にたっぷり語ってもらった。
取材・文/森朋之
地元のときはずっと同じライブハウスばかりだった
──前回ナタリーでインタビューさせてもらったのが去年の夏くらいだったんですよね。
カタヤマヒロキ(Vo) そうです。もう1年近く経ったのか……。前回のインタビュー、怖かった思い出がありますね。ぶるぶる震えてた。
荒金祐太朗(G) 俺らがな(笑)。今も慣れてないけど。
カタヤマ 全然慣れん。お手柔らかにお願いします。
──いえいえ(笑)。去年から今年にかけて、かなりライブをやってましたよね。
カタヤマ はい、すげえやりました。初めてやる場所も多かったし、刺激的でしたね。
荒金 その県に行くのも初めて、とか。
カタヤマ 地元のときはずっと同じライブハウスばかりだったので。3つくらいしかライブハウスがないんですけど、そこをグルグル回って。ただまあ、どこでやっても変わらないですけどね。「初めての場所だから、こうしよう」っていうのもないよな?
荒金 うん。
カタヤマ この前、THE STAR CLUBと対バンさせてもらったときは、「NEW ROSE」(THE DAMNEDの1stシングル。THE STAR CLUBはアルバム「GOD SAVE THE PUNK ROCK」でこの曲をカバーしている)をやりましたけど。うれしかったですね、一緒にやれて。
荒金 ちょっとビビッてましたけどね(笑)。
カタヤマ (笑)。でも、話したら、すごくいい方たちで。
──Droogの名前も確実に広まってますよね。
カタヤマ うーん…。SEが始まった瞬間、「ワーッ!」となることは増えてきましたけど。まだ、よくわからんですね。
そのときに聴いてる音楽が少なからず反映される
──そして8月3日には新作「LOVE SONGS」がリリースされます。Droogの持つ色気というか、グラマラスな部分が増幅されているように感じましたが、どんなイメージで制作したんですか?
カタヤマ (荒金に向かって)今回はアレよね。(デヴィッド・)ボウイとかイギー(・ポップ)とか。
荒金 そのときに聴いてる音楽が少なからず反映されるんですよね。今回はちょうどデヴィッド・ボウイとかを聴いてて。
カタヤマ 今、持ってるCDを7インチのレコードで買い直すっていうのにハマってるんですよ。
──……オッサンか。
荒金 ハハハハハ! でも、レコードで欲しいんですよね。
カタヤマ 今年の5月に、大貫憲章さんのイベント「LONDON NITE Special Kensho's 60th Anniversary ~KAN-WRECKIN' CREW DYNAMITE!!!~」に2人で行ったんですけど、すげえ楽しかったんですよね。THE WHOとかを爆音でかけてて、すげえ刺激的で。そっからですね。昨日、大分から東京に来たんですけど、そのまま御茶ノ水に行ったんですよ。そしたら、600円以下のレコードが全部100円になってて。いっぱい買いました(笑)。
──100円か……。盤の状態、確認した?
カタヤマ あ、開けてないな。
荒金 盤の状態とかはそんなに気にしないんで。
カタヤマ こっちに来ると、レコードが聴けないんですよ。泊まってるところにレコードプレイヤーがなくて。昨日もポータブルのプレイヤーを探したんだけど、いいのがなかったんですよね。でも、東京はレコード屋が多くていいですよね。いつも興奮します。
1曲1曲に対して「こうやりたい」っていうイメージがあった
──そして、聴いてる音楽の影響がバンドの音にも反映される、と。
荒金 そうですね。
カタヤマ “アンサー”だったりするんですよね、俺らの曲は。1stミニアルバム(「Droog」)にはTHE DAMNEDを聴いて感じたことを表現した曲もあるし。感じ方も変わってきますからね、そのときによって。
荒金 デヴィッド・ボウイは最近好きになったんですよね。
カタヤマ 毛嫌いしてた部分があったからな。
荒金 うん。でも、「ZIGGY STARDUST」を聴いたら、めちゃくちゃカッコよくて。
カタヤマ イギーからルー・リードにいって、そこからデヴィッド・ボウイを聴き始めて。あとはMOTT THE HOOPLEとか。それでできたのが「LOVE SONGS」かな。
──でも、完璧にオリジナルですよね、このミニアルバムは。何かの真似じゃなくて、ちゃんと2011年のDroogの音になってる。
荒金 今回は1曲1曲に対して、「こうやりたい」「こういう音で録りたい」っていうイメージがあって、それを目標にした感じですね。思いどおりにいったのもあれば、ちょっといかなかったのもあるんですけど。
カタヤマ (笑)。
荒金 頭の中で鳴ってる音とはちょっと違うなっていうこともあって。でも、それがなんなのかはわからないっていう。
カタヤマ より良いものを目指すっていうのは変わらないですからね。
Droog(どるーぐ)
カタヤマヒロキ(Vo)、荒金祐太朗(G)、多田拓斗(B)、右田智弘(Dr)による4人組ロックバンド。メンバー全員大分県別府市出身。小学校6年生のときに原型となるバンドを結成し、2007年よりバンド名をDroogに変更。大分県内のライブハウスを中心に活動を始め、2010年2月にリリースした1stミニアルバム「Droog」は地元タワーレコード大分店で週間総合チャート1位を記録する。その夏「PUNKSPRING」「ROCKS TOKYO」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「SUMMER SONIC」「AOMORI ROCK FESTIVAL」「ロッケンロー☆サミット」といった大型ロックフェスに次々と出演。2010年10月に2ndミニアルバム「Violence」をリリースした。2011年にはエイベックスへの移籍を発表し、同年8月にメジャー1stミニアルバム「LOVE SONGS」をリリース。