音楽ナタリー PowerPush - DREAMS COME TRUE
祝・デビュー25周年「ATTACK25」特集
中村正人×百田夏菜子(ももいろクローバーZ)対談
「ムカつく!」という共通項
──中村さんはももクロのライブにどんな印象を持っていますか?
中村 すごいと思いますよ。あんなに激しく踊りながら、ちゃんと自分で歌ってるのが偉いよね。
百田 ヘタクソなんですけどね(笑)。でもそこだけは嘘ついてもしょうがないっていうことで、昔から生で歌ってます。
中村 イヤモニで自分の声聞こえてる?
百田 聞こえてます。
中村 両耳入れてるんだよね? 慣れてきたら片方外してもいいかもしれない。
百田 ほんとですか?
中村 そしたらお客さんの声がもっと聞こえるでしょ。
百田 そうなんですよ! 歌のときにお客さんのコールが聞こえにくいときがあって。音響さんがモニタ上げてくれるんですけど、それでもやっぱり……。
中村 俺はもう片方しかしてないよ。生音と自分の演奏してる音がワンワンいってる。耳鼻科の先生はよくないっていうんだけどね。でも外したり浮かしたりしちゃうんだよね。
百田 わかります、やっちゃうんですよ。ずっと付けてろってマネージャーには怒られるんですけど。
中村 うん、でもマネージャーがなんて言うかわかんないけど、特にMCのときはイヤモニ外してもいいんじゃないかな。
百田 そうなんですけど……。
川上マネージャー わかりました。外しましょう!
百田 えっ、あんなに言ってたのに? そんなすぐ?
中村 こんなこと言ってあとで怒られたらごめんなさいね。エンジニアやマネージャーの立場とか考えもあるから難しいんだけど、でもどうにかできる可能性があるなら、それはあきらめないほうがいいと思うよ。
百田 ありがとうございます。
川上マネージャー ありがとうございます!
百田 えっ? ムカつく……!(笑)
中村 あはは(笑)。吉田も同じように「ムカつく」って言いますよ。「昨日まであんなダメだって言ってたのに」ってことでしょ?
百田 そう! もうコロッと気分で変わるから! 気分屋なんですよ。
中村 でもその気分屋が言うことに耐えることで強くなっていくんですよね。結局我々みたいなダークサイドの人間に潰されてしまうようだと、申し訳ないけどこの商売はやっていけない。
百田 んんー、美和さーん……!
中村 それに、耐えるだけじゃなくうまくかわすこともすごく大切ですから。
百田 はい。でも私けっこう対抗しちゃうんです。「やれ!」「できない!」ってぶつかったりもして。でも川上さんは言ってることは正しいんですよ……。
中村 だからなおさらイヤなんでしょ?
百田 そうなんです! 結果、自分にいいことが返ってくるっていうのはわかるんだけど、でも言い方が……!
中村 うんうん、それも同じかもしれない。だから吉田がすごいのは、この僕を相手に25年間やってきてることで。ももクロもすごいよね。潰れずに残ってやり続けていけるのはほんとに優秀な人だけですから。だからもしマネージャーに対して「ムカつく」とか思っても……。
百田 思う思う!
中村 わはははは(笑)。でもそこで負けちゃダメなんですよ。
川上マネージャー あははは(笑)。
百田 「あはは」じゃないですよ! ほんとムカつく! あー、もうダメだ。正人さんのことがもう川上さんにしか見えない! やだー、さっきからずっとマネージャーに言われてる感じ!(目に涙をためながら)
中村 あはは(笑)、泣いちゃったね。
百田 違う違う、泣いて……ないですよ! こんなはずじゃないんだけど。でもなんか……もう川上さんにしか見えなくて。ほんとやだ……。美和さんー!
中村 たぶん吉田はその気持ち全部わかってくれると思うよ(笑)。
自分のため、お客さんのため
中村 でもほんとにね、ステージに立ってる以上、つらいときがあるのは当たり前だから。勝ってる人ってみんなそういう構造なの。本人たちはすごい苦しい思いをして、泣いて、叫んで、もうほんとに「やめてやる!」の連続ですよ。なんでそんな思いをしてまでやってるのかっていうと、やっぱりお客さんがいるからだったりするよね。
百田 そうですね。みんなのためにやってることが自分のためにもなってて、自分のためにやってることが人のためになってて、そういうふうにお客さんとの関係が続いてるのかなっていうのはあります。
中村 そう、そしてお客さんのことも思ってるけど、それだけでもない。俺はやっぱり吉田は吉田のためにやってると思う。彼女は歌いたくて、伝えたくて。自分のためにくぐり抜けてきてたり、乗り越えてきてるんだと思いますね。だから俺も吉田とはもう25年やってるけど、なんべんもクビになりそうになってるから。
百田 クビ?
中村 そう。俺の努力が吉田に負けてるとき。「もうマサさんいらない」って……言葉では言わないけれども。だから努力しなきゃならないんです。
百田 そうですね。
中村 でもそうやってさ、例えば歌が売れたり、ライブにお客さんがいっぱい来てくれたりすると、もう言葉では言い表せないぐらいうれしくない?
百田 うれしいです! ほんっとにうれしいです。あれってなんなんでしょうね。
中村 アドレナリンが出まくるよね。
百田 普段だったら絶対出ないパワーが、ステージに立ってるときだけ出るんですよ。何よりもやっぱりライブが伝わるっていうか、やっぱり一番楽しいです。
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- 中村正人×百田夏菜子(ももいろクローバーZ)対談
- 中村正人×ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)対談
- 中村正人×亀田誠治対談
- 著名人アンケート「私の好きなドリカム」
- 中村正人インタビュー
- ニューアルバム「ATTACK25」 2014年8月20日発売 / UNIVERSAL SIGMA
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 4104円 / UMCK-9725
- 通常盤 [CD] / 3240円 / UMCK-1525
CD収録曲
- THE CHANCE TO ATTACK WITH MUSIC
- ONE LAST DANCE, STILL IN A TRANCE
- あなたにサラダ以外も
- I WAS BORN READY!!
- MONKEY GIRL - 懺鉄拳 - (懺鉄拳の懺は懺悔の懺)
- 軌跡と奇跡
- FALL FALLS
- MORE LIKE LAUGHABLE
- さぁ鐘を鳴らせ
- 愛して笑ってうれしくて涙して
- 想像を超える明日へ - Album Version -
- MADE OF GOLD ―featuring DABADA―
- この街で
- MY TIME TO SHINE
- 愛がたどりつく場所
- AGAIN - Album Version -
初回限定盤DVD収録内容
撮り下ろし&レア映像満載の豪華85分。25周年を記念したスーパーでスペシャルな架空テレビ番組「THE CHANCE TO ATTACK WITH MUSIC」。なんと!あの日本テレビ系列の人気音楽番組「LIVE MONSTER」の制作チームが全面協力!アタックマン、チャンスウーマンの2人が登場し、さまざまなレアコンテンツを紹介!
DREAMS COME TRUE(ドリームズカムトゥルー)
吉田美和(Vo)と中村正人(B, Arrangement , Programming)による2人組バンド。1989年にメジャーデビューし、1992年発売の5thアルバム「The Swinging Star」は当時の日本記録となる300万枚以上のセールスを記録する。その後もシングル、アルバムともにミリオンヒットを連発し、ソウル / R&Bを基軸にしたサウンドが老若男女問わず幅広い層から支持されている。2014年にはデビュー25周年を迎え、同年8月20日に通算17枚目のオリジナルアルバム「ATTACK25」をリリース。8月23日からは全国13都市32公演におよぶ全国アリーナツアーをスタートさせる。なお1991年より4年に1回のペースで「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND」と題したイベントを実施しており、エンタテインメント性を追求した内容で多くのファンを魅了し続けている。
百田夏菜子(モモタカナコ)
1994年生まれ、静岡県出身。5人組アイドル「ももいろクローバーZ」のリーダーとして活躍している。2008年にグループを結成。2012年12月に「NHK紅白歌合戦」初出場を果たし、2014年3月には女性グループとして初となる東京・国立競技場での単独ライブを成功させた。代表曲「行くぜっ!怪盗少女」での振り付け「エビぞりジャンプ」は、その派手なアクションからアイドルファン以外にも広く浸透している。キャッチフレーズは出身地の静岡にちなみ「茶畑のシンデレラ」。
2014年8月19日更新