スクウェア・エニックスのゲーム「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」のHD-2D版が11月14日に発売される。「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」は、「ドラゴンクエスト」シリーズの第3作として1988年に発売されたゲーム。勇敢な戦士だった父・オルテガの遺志を継いだ主人公が、闇の国より現れた魔王バラモスを倒すため冒険を繰り広げる。
発売当時、ゲーム屋や家電量販店に人が殺到し、国内で380万本という驚異的な売上を記録したことでも知られるファミリーコンピュータ版「ドラゴンクエストIII」。36年という時を経て生まれ変わったそのHD-2D版は、美しいグラフィックや臨場感あふれるサウンド、2020年代仕様にアップデートされたキャラクターたちとともに、世界中を熱狂させたRPGの物語に没頭できる内容となっている。
HD-2D版「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」の発売を記念して、この特集では、ゲーム好きを公言し、両親の影響で幼少期からドラクエをプレイしてきたという日向坂46の平尾帆夏のインタビューを掲載する。ドラクエグッズを身にまとって現れた平尾(※取材時は普段の衣装を着用)。そのドラクエ愛がほとばしるトークから、ゲームの魅力を感じ取ってもらいたい。
なお、ナタリーでは「ドラゴンクエスト」シリーズに特化した特設サイト「ドラクエナタリー」を展開中。音楽ナタリーでは今後、平尾を含むゲーム好きの日向坂46メンバーがHD-2D版「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」をプレイする動画企画やインタビューも公開予定なのでお楽しみに。
取材 / 臼杵成晃文 / 中野明子写真 / 関口佳代
ドラクエ婚の両親から生まれた
──平尾さんはご両親から「ドラゴンクエスト」の影響を受けたサラブレッドだと聞きました。
両親が「ドラゴンクエスト」が大好きで、「I」「II」「III」とリアルタイムで遊んでいたそうなんです。好きすぎて結婚式の入場時に「序曲」を流したらしく(笑)。
──“ドラクエ婚”と言えるくらいの。
はい。なので物心ついたときには「ドラゴンクエスト」が身近にあって、英才教育を受けて育った感じです。父が家のテレビでプレイしているのを観ているのが好きで、気付いたら自分も遊んでいました。
──初めて遊んだナンバリングタイトルは?
ニンテンドーDSで「IX」を遊んだのが初めてのドラクエですね。そのときは周りの友達も男女関係なく、みんなで一緒にプレイしていたのを覚えています。
──いろんなゲームをされてきた中で、「ドラゴンクエスト」という1つのシリーズをプレイし続けるに至ったその理由というか、平尾さんが感じた魅力はどういうところですか?
理由を挙げ始めるといっぱいあるんですけど、まずは音楽ですね。もともと私はピアノを習っていて、学生時代は吹奏楽部に在籍していて音楽は好きだったんですが、「ドラゴンクエスト」の楽曲にどハマりして。普段も町の音楽を聴きながらお散歩したり、トンネルに入ると洞窟の曲を聴いたり(笑)。うーん、キャラクターも最高だし……もう全部が魅力です!
──総合的に好きな要素だらけだったと。
はい。「ドラゴンクエスト」によってRPGが大好きになりました。
──ドラクエ婚をした両親からすると、自分たちが好きなゲームに娘がハマっているのは相当うれしいんじゃないかと思いますよ。親子の会話はどんな感じですか?
「ドラゴンクエスト」の話はよくしますね。父とは普段はそんなに話す機会がないんですけど、まさに今日、「ドラクエナタリー」の取材を受けることを報告したらすごく喜んでいました。私は今回プレイさせていただいた「III」と「I」「II」のつながりとか「ロト三部作」についてはあまり知らなかったので、父がバーッとドラクエ史をノートに書いて送ってくれて。ドラクエは親子の会話のきっかけになってますね。
平尾帆夏、ランダムエンカウントにびっくり
──平尾さんは「III」は今日が初プレイでしたか?
はい。でもドラクエ好きとしては、自分がプレイしてきたタイトル以外のことも知っておきたいですし、シリーズのつながりを知ったうえで「ドラゴンクエスト」を制覇したいと思っていたので、このタイミングで「I」「II」「III」のリメイクが出ることがすごくうれしくて。HD-2D版発売のニュースを聞いたときは大はしゃぎしました。
──実際にHD-2D版の「III」をプレイしてみていかがでしたか?
キャラクターは2Dでちょっと懐かしい感じだけど、周りのグラフィックは3Dですごくきれいだし……純粋に感動しましたね。音楽も迫力があって。いい意味でわかりやすいというか。同時にやり込み要素もあるし、戦い方も作戦を練ったりできるし、いろんな楽しみ方があって深いゲームだけど操作が簡単なのがすごい! ストーリーもちゃんと誘導してくれる仕組みになっていて、初心者にも優しいのがいいところだなと思いました。
──プレイして印象的なことはありましたか?
あります! 例えば「XI」とか、私がやってきたナンバリングタイトルでは、町の外に出たらマップ上でモンスターの姿が確認できたんです。だから自分からモンスターを倒しに行くんですけど、「III」は歩き回っていたらいきなり戦闘が始まるので驚きました。
──敵があらかじめ見えているのはシンボルエンカウントと呼ばれますが、「III」はランダムエンカウントなんですよね。オリジナル版をやり込んでいる世代にとってはむしろおなじみのシステムですが、若い世代にとっては新鮮かもしれない。
はい。「XI」で遊んでいるときに敵から逃げることはあまりしてなかったんですが、「III」では「にげる」を選びたくなるときがありますね(笑)。HD-2D版ではストーリーは時系列的に「III」「I」「II」という流れになっているそうですし、そのつながりはプレイしないとわからない部分だと思うので、来年のHD-2D版の「I & II」の発売も待ち遠しいです。
──スクエニさんによると、一連のHD-2D版をプレイすることで、DQファンがびっくりする新しい仕掛けが用意されているとか。
すごい! 「III」はオリジナル版をプレイした人も多いと思いますが、当時は2Dだったわけで。その人たちがHD-2D版を見たら「ここはこんな建物だったんだ」とか新しい発見もあるんでしょうね。
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自分の成長の記録の中にドラクエがある