銃器をテーマにしたシリアスな設定と世界観で人気を集めるiOS / Android向け育成&戦略シミュレーションゲーム「ドールズフロントライン」から、初の公式キャラソンコレクションアルバム「ECHOES」がリリースされた。
本作は、松隈ケンタ率いるSCRAMBLESをはじめ、ヤマモトショウ、上田剛士(AA=)、真部脩一(集団行動)、YURINA da GOLD DIGGER(Magic, Drums & Love)など多彩なクリエイター陣が手がけた全11曲を収録。ゲーム内でのCVを務める田村ゆかり(M4 SOPMOD II役)、小堀幸(SPAS-12役)、加藤英美里(ST AR-15役)、愛美(MDR役)らが歌唱を担当している。
音楽ナタリーでは、収録曲「Sweet♥Guardian」「Alles OK!」の作詞を手がけたみさこ(神聖かまってちゃん、バンドじゃないもん! MAXX NAKAYOSHI)と、同じく「【絶叫】Follow me★!!」「Клятва(クリャートヴァ)」の作詞を手がけた理姫(可愛い連中)へのインタビューを企画。ドルフロの世界観を言葉として落とし込んでいく制作過程のエピソードからアルバム全体の印象まで、じっくり語り合ってもらった。
取材・文 / もりひでゆき
キャラクターはかわいいんだけど、ストーリーがめちゃめちゃ殺伐としてるところにキュン
──今回、「ドールズフロントライン」の公式キャラソンアルバムに作詞で参加されることが決まったときはどんなお気持ちでしたか?
みさこ(神聖かまってちゃん、バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI) 私はゲーム自体のことも存じてましたし、もともと擬人化ゲーム系が好きだったので、めっちゃうれしかったです! あと、コロナの影響で自分の所属してる2つのグループの活動が制限されてしまっている状況の中、以前からずっとやりたかった作詞家としてのお仕事もお受けしていきたいなと思っていたタイミングでもあったんですよ。なので「やったー! ここから作詞家としてちゃんとスタートできるぞ」っていう個人的な喜びもありましたね。
理姫(可愛い連中) 私の場合、最初は不安しかなかったんですけど(笑)。
みさこ えー、そうだったんだ!
理姫 普段ゲームをまったくしないですし、あんまり触れたことのない世界のことだったので、いつもやらせていただいてるような作詞の活動とはちょっと違うのかなと思って。「本当に私ができるのか!?」みたいな。ただ、お声がけいただけたことは純粋にうれしかったので、これはもう不安になってる場合じゃないなっていうか(笑)。いい作品を作れるように全力でがんばろうと思いました。
みさこ 作詞のお話をいただいたあと、私は実際にゲームをプレイさせていただいたりもしたんですけど、理姫ちゃんは?
理姫 私はホントにゲームに疎いので、プレイの仕方とかマジでよくわかんなくて(笑)。なので参加させていただくことが決まった段階で、とにかくネットでいろんな情報を集めましたね。公式の情報はもちろん、ゲームファンの方が立てているオフィシャルではないスレッドなんかもいろいろ見たりしながら。その作業はすごく楽しかったです。
──実在するさまざまな銃器をモチーフにしたキャラクターが登場するドルフロの世界観に関してはどんな印象を受けました?
みさこ 私の場合、無機物を擬人化した作品にはわりと慣れ親しんでいたので、スッと世界観を受け入れられたところはありました。戦闘などに使われる銃器とかわいい女の子っていう組み合わせのギャップがいいなあって。キャラクターはすごくかわいいんだけど、ストーリーがめちゃめちゃ殺伐としてるところにもギャップを感じてキュンときました(笑)。
理姫 うん、私もキュンときました(笑)。こういった作品には初めて触れたし、銃器に関してもまったく知識がなかったので、キャラクターがすべて実在する銃の名前だってことに驚いたりもしましたね。「こんな銃がホントにあるんだ。すごい!」とか思ったりして。
理姫ちゃんのギャル感とギーク感が両方混ざってる
──作詞をするにあたって、制作サイドと細かくディスカッションされたそうですね。
みさこ はい。制作の方といろんなお話をさせていただいたうえでシナリオなどの資料もたくさんいただいたので、それを参考に歌詞を書いていった感じで。私は2曲担当させていただいたんですけど、両方とも第1稿はサクサク書けましたね。ただ、416ちゃんとGr G11ちゃんのユニット曲「Alles OK!」に関しては何度かお直しというか、「ここをこうしてみては?」といったご要望がありました。具体的に言うと、2番のAメロに入ってる“おだまり!”っていうフレーズは先方からの提案だったんですよ。「そっか416ちゃんは『おだまり!』って言うんだ」と思って、歌詞にすぐ盛り込ませていただいたんです。そうやっていろんなご提案をいただけると私はけっこう燃えるタイプなんです(笑)。お直しがくるってことはそれだけ作品に対してのこだわりや愛情が強いってことだと思うので、私も愛情を持って楽しみながら直させてもらいました。
理姫 私も最初の打ち合わせのときにキャラクターについてしっかり説明していただきました。そこで「ではこのような方向性で歌詞を作りたいと思います」とお伝えして、それ以降は特にやり取りをすることなくOKをいただけたんですよね。なので進行としてはすごくスムーズだったと思います。もちろん自分の中でいろいろ試行錯誤する時間はあったんですけど。
みさこ 要望はなかったんですか?
理姫 「Клятва」に関してはタイトルを決めるうえでご相談を受けたりはしたんですけど、それ以外は特になかったですね。なので自分なりにキャラクターの個性を汲み取りながら書いていきました。
みさこ 私が担当させていただいた2曲はどちらも曲がけっこう明るかったので、わりと素直にポップに明るく書かせてもらったんですよ。そのあたり、理姫ちゃんはどうだったんだろう? 理姫ちゃんの曲、めっちゃムズそうだなって思ったから(笑)。
理姫 最初は「ちょっと難しそうだな」って思いもあったんですけど、書き出したら案外そうでもなくて。「【絶叫】Follow me★!!」を歌うMDRちゃんに関しては、「とにかく痛い子で、どうしようもない感じなんですよ」というスタッフさんからの説明があったので(笑)、私なりにそれを言葉にしていったんですよね。痛い子の中にある素直さとか、ちょっとかわいげのある部分を出そうかなって意識しながら。
みさこ うんうん、めっちゃいい歌詞ですよね! 理姫ちゃんのギャル感とギーク感が両方混ざってる感じのカッコいい歌詞になってたから、さすがだなって。