「全巻持ってます」って言われたの初めてですよ

権田　マンガを描くときって、キャラクターデザインとかストーリーとか、全部お1人で考えられるんですよね？

うすた　そうです。全部やらないといけないから、マンガ家って大変なんですよ。だから人によって得意不得意がやっぱりあって。俺、キャラクターデザインがあんまり好きじゃないんです。デザインセンスがないから。なんかもうね、普通の人間の素の姿だけを描きたいんですよ（笑）。

権田　えっ！ でも「普通の人」を描いてるイメージじゃないですよ（笑）。なんかすごい独創的というか、型にはまってないマンガを描いてらっしゃると思ったんで。

うすた　まあそうなんですけど（笑）。俺、デザインが苦手なんです。例えば「ONE PIECE」の尾田栄一郎さんとかはデザインするのが好きなんですよ。でも俺はそもそも絵を描くのあんま好きじゃないから。ホントは誰かに絵描いてもらいたいんです。

小泉　でもギャグを考えるのは好きなんですか？

うすた　好きですね。ギャグしか浮かんでこないっていうか（笑）。だからギャグマンガしか描けない。

小泉　じゃあ昔から「絶対ギャグマンガを描く！」って思ってたんですか？

うすた　いや、ちっちゃいときはストーリーマンガ家になりたかったんです。「北斗の拳」のマネしたマンガとか描いたこともあるけど、結局描きたいシーンを描くだけで、ストーリーを考えるところまでいかなかったんです。だから途中でめんどくさくなって、急にオチを付けて終わらせて。それを繰り返してるうちにだんだんギャグマンガになっていったという（笑）。僕のルーツはそんな感じなんです。

──どるえれの皆さんは自分でマンガを描いたことはありますか？

権田　描いたことあります。

小泉　私も小学生の頃に。

小森　私も「マンガ家セット」みたいなのを買って描いてました。

小島　トーンとか入ってたよね。カッターで切って。懐かしい（笑）。

権田　コピックとか買っちゃって（笑）。

小泉　つけペンが難しくて挫折したんです（笑）。私、ストーリーものを描くのが好きだったんですよ。人格が入れ替わっちゃったりとか。そういうのが好きで、ストーリーが思い浮かんだらすぐ自分で描いてました。

うすた　すごいな（笑）。恋愛モノみたいなのを描きそうなイメージなのに。少女マンガとか。

権田　少女マンガだったらりかぴょんじゃない？

外崎　はい。少女マンガは大好きで、実家には200冊ぐらいあって、よくマンガ家さんのサイン会にも行くんです。私も一応描いてたんですけど、挫折しました（笑）。

うすた　へえー、やっぱり描いてたんだ。

外崎　少年マンガもすごく好きで、「ピューと吹く！ジャガー」も全巻持ってます。うちは5人兄弟なんですけど、家族全員で読んでました。

うすた　マジですか。たぶん俺、アイドルの子に自分のマンガを「全巻持ってますよ」って言われるの初めて（笑）。

仲よくワイワイやってるのを見て微笑んでいたい

──うすたさんがアイドルに対して求めてるものってなんですか？

うすた　なんだろうな、「夢は壊さないでほしい」みたいな（笑）。俺はアイドルに対して幻想を抱いていたい人なんですよ。例えば「実は仲悪いみたい」とか、そういうドロドロした裏事情を一切聞きたくない人なんで。そういうの聞くと俺「あー、なんか嫌いになってきちゃったかも」ってなる（笑）。

権田　私たちは大丈夫です（笑）。

小島　ホントに仲いいんですよ。よく一緒にごはんにも行くんです。

うすた　それはよかったー。仲悪いグループって、けっこうそういう雰囲気が出るからね。人づてに噂を聞いたりすると、もうショックを受けて冷静に観れなくなっちゃうんですよ。「あの2人、今ニコニコしてるけど、仲悪いのかな」みたいな（笑）。

権田　できれば仲がいいグループを応援したいですか？

うすた　うん。ワイワイやってるのを見て微笑んでいたいんです（笑）。でも大事ですよ。お笑いの人でも、仲悪いコンビよりも仲がよさそうなほうが面白く見れるんですよ。さまぁ～ずとか、仲よさそうでしょ？

外崎　マンガ家の皆さんってやっぱり仲がいいんですか？

うすた　まあ仲はいいんですけど、1人で仕事してるからそれほど会わないんで。年に1、2回みんなで集まってワイワイ飲むみたいな感じ。アイドルだとほかのグループにも仲がいい人がいたりするんですか？

小泉　るなぽんは友達多いよね。

小島　前にバイト先で一緒に働いてた仲がいい女の子が、今アイドルをやってて、一緒にごはんに行くことが多くて。そこから交流が広がっていきました。

うすた　そのバイト先いいな、すごく行きたいです（笑）。みんなはバイト経験あります？

権田　私、めっちゃしてました。働くことが何よりも大好きで。

小泉　えっ、そうだったの？（笑）

小島　知らなかった（笑）。

権田　えっと、ファミリーレストラン、居酒屋、接骨院、焼肉屋、本屋、あとはカメラ屋さんとか。現像液でプリントしてたりとかもしてました（笑）。暇さえあれば3個くらい掛け持ちして働いてました。友達が少なかったので。

うすた　あ、ごめんね、なんか湿っぽい話して（笑）。じゃあ何がきっかけでこの世界に入ったんですか？

権田　ずっとアイドルにはなりたかったんです。℃-uteさんが大好きだったんですよ。メジャーデビューシングル「桜チラリ」を聴いて、ショートヘアーの岡井千聖さんがすっごいかわいくて。

うすた　それは筋金入りですね！

権田　ハロー！プロジェクトの皆さんのパフォーマンス力のすごさに感動して「私もステージに立って、ああやって歌って踊りたい」って思ってたんですよ。でもその頃は、無理だと思ってあきらめてて。ハタチのとき、いろんな条件が整って上京できることになったので、滋賀から東京に来たんです。