ナタリー PowerPush - DOES
新曲は劇場盤「銀魂」主題歌 “驀進”するDOES流ダンスロック
祭囃子とアフロビートの融合のようなものをやりたかった
──今回の「バクチ・ダンサー」は、そういうDOES独特のビート感がすごく表れた曲だと思うんです。サビのリズムは、アフロビートと祭囃子が一緒になったような感じですが、あれはどういうふうにして生まれたんでしょう?
ワタル もともとリズムの面白いバンドは大好きなんですよ。シカゴのデトロイトサウンドとか、最近で言うなら、VAMPIRE WEEKENDがアフロビートをポップに融合させている感じとか。でも「The World's Edge」に向かうにあたっては、ロックの王道をやりたいと思っていて、そういうところを見失ってた。だから「バクチ・ダンサー」は、そういう自由さを持った音楽を今の身体でやろうと思って、生まれたんですよ。で、最初はああいうビートじゃなかったんです。ちょっとインパクトが弱いと思って変えたリズムがあれなんですよね。そしたらやたら強くなった。逆にバランスが悪いんじゃないかと思って危惧したんだけど、どんどん面白くなってきた。こういうのって、最初はいいのかどうか、よくわかんないんですよ。いい感じになるだろうなって予感があるものって、得てして“いい感じ”にはならないんです。予想がつかないからこそ、よかったんだろうなって思う。これが冒険ってことだろうし。
──日本のシーンを見回してみても、ダンスロックとされるものって大概が四つ打ちで、ハウスやテクノの要素を取り入れたものだったりする。「バクチ・ダンサー」みたいな曲でダンスロックだって打ち出せるのって、DOESだけかもしれない。
ワタル そこなんですよ、まさしく俺がやろうとしたのは。ハウスっぽい音を入れたり、アンビエントな音を入れたりするのはすごく簡単なんです。でも、祭囃子とアフロビートとか民族音楽的なリズムの融合、これは今絶対にないから。そういうものをいち早く国内でやっておかなきゃって思ったわけです。
「曇天」の二番煎じのような曲はやりたくなかった
──しかも、そういう意欲的なことをタイアップのシングルでやるというのも痛快ですよね。
ワタル 曲を作るにあたっては「銀魂」の監督とも話したんですけれど、僕らの姿勢を気に入ってくれて一緒に仕事してくれているスタッフなので、今回も「好きにやってください」と言われた。「曇天」みたいな曲が欲しいと言われるのかな? と思ったら、「今やりたいことをそのままやってください」と。正直僕も、8ビートのいわゆるDOESらしい曲という、「曇天」の二番煎じのような曲はやりたくなかったんです。自分がやりたい、新しいと思っているものが、アニメという媒体を通してより多くの人に伝わるのは痛快だし。だからすごくいい機会でしたね。
──改めて「銀魂」というアニメとDOESのかかわり合いを振り返って訊きたいんですけれども。最初に主題歌をやるという話がきたときは、どう思いました?
ワタル 最初はよくあるタイアップ話といった体で、フォーマットができている感じだったんですよ。僕らもアンダーグラウンド上がりだったから、それを毛嫌いする気持ちが正直あったんだよね。でも「銀魂」を観たら、そこにはアンチテーゼというか、何かに対する反骨心が一貫してあった。ギャグマンガとしても面白いし、「JACKASS」みたいなところもあるし、ちょっとしたパンク的な要素があると思ったんだよね。なので断る理由はなかったです。
──「修羅」や「曇天」を作るにあたって、アニメの制作サイドからの注文はありました?
ワタル 全くゼロですね。自分たちがメジャーにきて、バンドというものを見直そうという考えになり、1回骨身まで削ぎ落としたサウンドをやろうという感じになって作ったのが「明日は来るのか」とか「修羅」とか「曇天」だったんです。それがたまたま使われただけだから。
下手したら解散してたかもね(笑)
──じゃあ、今回もバンドが変革をしようとしたタイミングに「銀魂」の話がきたわけですね。
ワタル そうそう。実は、高松監督も同じようなことを考えてたそうなんですよ。「銀魂」としても変革を求めていたときにうちらの音を聴いて「これだ」と思って採用したと。だからお互いのターニングポイントが妙にリンクしていたんでしょうね。
──もし、去年のケーサクさんが辞める辞めないでゴタゴタしているときにこの話があったとしたら……。
ワタル どうなっただろうね。下手したら解散してたかもね(笑)。
ヤスシ そうだね。
ワタル ああいうことがあって、もうやるしかないという状態だったから、まっしぐらに進んでいくしかないんだって気持ちになれたし。それが「邁進していく、まっしぐらに進むさま」という意味の「驀地」という言葉にもつながったんでしょうね。
──そして5月からは「独歩行脚 ~初歩的衝動編~」というツアーが始まります。これもライブバンドとしてのDOESを強く打ち出していくという意志の表れですね。
ワタル そう。「独歩行脚」は、シリーズとしてやっていくライブにしようと思う。リリースをしたらライブをするということじゃなくて、バンドがライブをやるというシンプルな理由で定期的に地方を回る。そういうルールが欲しかったんです。もちろんリリースに即したライブもやるけれど、そうじゃないライブもやる。ぬるま湯に慣れちゃうとどうしてもつまらなくなる。とにかく僕らが何をやっているかという、その空気や匂いが一番わかるのがライブだからね。
初回仕様限定盤 収録曲
- バクチ・ダンサー
- 僕たちの季節
※初回仕様特典:「銀魂」描き下ろしアナザージャケット
初回生産限定盤 収録曲
- バクチ・ダンサー
- 僕たちの季節
- 曇天
- 修羅
※初回生産限定特典:「銀魂」描き下ろしデジパックジャケット
全国ツアー「独歩行脚 ~初歩的衝動編~」
- 2010年5月15日(土) 千葉LOOK
OPEN18:00/START18:30 - 2010年5月19日(水) 神戸STAR CLUB
OPEN19:00/START19:30 - 2010年5月21日(金) 大分TOPS
OPEN19:00/START19:30 - 2010年5月22日(土) 福岡VIVRE HALL
OPEN18:00/START18:30 - 2010年5月24日(月) 高松DIME
OPEN19:00/START19:30 - 2010年5月25日(火) 岡山PEPPER LAND
OPEN19:00/START19:30 - 2010年5月27日(木) 心斎橋CLUB QUATTRO
OPEN18:30/START19:30 - 2010年5月28日(金) 名古屋CLUB QUATTRO
OPEN18:30/START19:30 - 2010年5月30日(日) 静岡Sunash
OPEN18:00/START18:30 - 2010年6月02日(水) 仙台MACANA
OPEN19:00/START19:30 - 2010年6月03日(木) 青森Quarter
OPEN19:00/START19:30 - 2010年6月05日(土) 札幌BESSIE HALL
OPEN18:00/START18:30 - 2010年6月06日(日) 函館club COCOA
OPEN19:00/START19:30 - 2010年6月08日(火) 盛岡CLUB CHANGE
OPEN18:00/START18:30 - 2010年6月10日(木) いわきCLUB SONIC
OPEN19:00/START19:30 - 2010年6月12日(土) 新潟CLUB RIVERST
OPEN18:00/START18:30 - 2010年6月13日(日) 富山Soul Power
OPEN18:00/START18:30 - 2010年6月25日(金) LIQUDROOM ebisu
OPEN18:15/START19:00
DOES(どーず)
2000年に結成された、福岡出身のスリーピースロックバンド。クラブイベント出演や音源製作を中心に、精力的な活動を展開する。数度にわたるメンバーチェンジを経て、2005年8月より現在の編成となる。2006年には活動拠点を東京に移し、初となる全国ツアーを敢行。同年9月にはシングル「明日は来るのか」でメジャーデビューを果たす。2007年5月発売のシングル「修羅」はオリコン初登場9位を記録。現在人気急上昇中のバンドとして注目を集めている。