ナタリー PowerPush - Do As Infinity
9thアルバム「TIME MACHINE」をメンバー2人が全曲解説
07. 御伽話
伴 結構怒ってるというか(笑)、私のそういう一面を歌詞で表現してみました。こうなったのは曲から受けた印象が大きいかな。グリム童話とかもそうですけど、御伽話ってちょっと怖い部分があるじゃないですか。そういうダークな部分は私の中にもあるなと思ったんですよね。1行目からパッと思い浮かんでスラスラ書けました。
大渡 僕にとっては一番身近に感じられる曲ですね。こういうロックなサウンドで育ってきたんで、演奏は自分の本音をぶつけた感じです。とはいえ、全体を構築する上でずいぶん細かく考えたところもあったけど、それらが全てうまく表現できたんじゃないかなって思います。
08. 恋歌
大渡 映画「私の叔父さん」に、笑っちゃうくらいリンクした内容になってます。試写会で映画を観たんですけど、スクリーンから流れてきたときにものすごく恥ずかしくなってしまいました(笑)。それくらいはまってると思います。映画を観る方はより一層楽しんでいただけると思いますよ。
伴 これは今までのDo Asにありそうでなかった曲ですね。私はまだ映画を拝見してないので、そのはまり具合を確認するのが楽しみです。私も恥ずかしくなっちゃうのかなあ(笑)。
09. Sun Shower
伴 曲を聴いたときに雨上がりという印象が浮かんだので、そのイメージで歌詞を書きました。1日の中にはうれしいときや悲しいときがあるけど、その一瞬一瞬が明日につながっていくんだよっていう気持ちを込めました。
大渡 ギターのコードアプローチがかなりトリッキーなんです。それを外すと普通な曲になりすぎちゃうから、そこがすごく重要だったんです。作曲法やアレンジの新しい方法にハッとさせられるところもあったので、かなり面白がりながら弾くことができました。
10. もう一人の僕へ
大渡 パラレルワールドのような歌詞の内容が面白いですね。曲自体の雰囲気も、この歌詞によってグッと引き締まった印象があります。全体的に淡々としているんだけど、間奏で突然3拍子になるところなんかは亀田(誠治)さんのアレンジの作戦なんでしょうね。それで景色を変えるというか。大正解だと思います。
伴 この曲の歌詞は、あのときこうしとけば良かったっていう自責の念がベースになっています。きっとみんな、そう思うことって多かれ少なかれあると思うんですよね。私もよく思いますし。でもやっぱり自分が生きているのは“今”でしかないっていう、ちょっと不思議な世界観を持った曲です。
11. 君の為に今できること
大渡 アルバム制作の佳境のほうで、もう1曲叙情性のある曲がほしいなと思って選びました。Do Asとしてここまでどっぷり黒い印象のバラードは珍しいかもしれないですね。僕らはどちらかというとグレーなバラードが多いので。歌詞は、作家さんからの震災に対してのメッセージみたいなものをすごく感じました。ただ、メッセージの受け止め方は聴き手に委ねたいなと思っています。
伴 昨年の東日本大震災のこともそうですけど、いまだに戦争をやってるところもあるし、テレビやラジオから世界中のいろんな出来事が伝わってくるじゃないですか。そういう情報が多い世の中で、自分にできることなんだろうってすごく考えさせられた曲でした。そこで感じた気持ちは、歌にもちゃんと乗せられたかなって思います。
12. Go Ahead!
大渡 Do Asはやっぱりバラードでは終われないだろうっていうことで、こういう華やかなエンディングになりました。ほんとに爽やかな曲だし、ライブで演奏している画が目に浮かびますね。これが最後の曲で良かったなって思ってます。
伴 勢い良く終わる感じですね。レコーディングはとても楽しめましたし、私も歌っててものすごくライブがイメージできました。こういう曲は何回もテイクを重ねるタイプのものではないので、歌入れも早かったですよ。
CD収録曲
- TIME MACHINE
- アリアドネの糸
- Why?
- PRIDE
- 黄昏
- 誓い
- 御伽話
- 恋歌
- Sun Shower
- もう一人の僕へ
- 君の為に今できること
- Go Ahead!
DVD収録内容
- Do As Infinity 12th Anniversary ~FREE SOUL! FREE SPIRITS! ~Vol.3 LIVE(2011.10.2 at 日比谷野外大音楽堂)
- 誓い-Music Clip-
- アリアドネの糸-Music Clip-
- 黄昏-Music Clip-
Do As Infinity(どぅあずいんふぃにてぃ)
1999年に結成されたロックバンド。デビュー前より渋谷ハチ公前などで精力的なストリートライブを行い、注目を集める。同年9月にシングル「Tangerine Dream」でメジャーデビュー。2000年より現在の伴都美子(Vo)、大渡亮(G)の編成となる。2002年リリースのベストアルバム「Do The Best」がミリオンセラーを達成するなど、幅広い層から高い人気を得るが、2005年9月に解散した。そして2008年8月に開催されたイベント「a-nation'08」にサプライズ出演し、再結成を発表。2009年には結成10周年を迎え、横浜赤レンガ倉庫でのフリーライブや日本武道館での10周年ライブなどを行った。2012年2月に9枚目のフルアルバム「TIME MACHINE」をリリース。