「僕たちの決断」は「Field of dreams」の続編

──カップリングには「僕たちの決断」というナンバーも収録されています。こちらはタイトル曲から一転、温かなサウンドと郷愁感のある歌詞が心地良い雰囲気です。

大渡　この曲は「アリアドネの糸」の後に作ったんですよ。何曲か候補があったんですけど、やっぱりタイトル曲とテイストが違う感じのものが良かろうと。で、星村（麻衣）さんの曲を選んで。

伴　歌詞は、私たちのことをすごく昔から知ってくれてる川村サイコさんにお願いしました。これはもう短編小説のような雰囲気がありますね。「Field of dreams」っていううちらの楽曲があるんですけど、その続編みたいな詞世界はどうだろうっていう話があって。時を経ても、いつまでも青春まっしぐらみたいな、そういうところが切なくてキュンとくる内容になりましたね。楽曲にもすごく合ってるし、これもまたうちらの中にあるテイストのひとつとして、“らしい”曲ができたなって思います。

──バンドをやっていた仲間たちのストーリーや歌詞に出てくる「12年間」というフレーズに触発されて、自分たちのデビューからの12年間を振り返ったり、なんてことはなかったですか？

大渡　デビュー前、売れない、しかも売る努力もしないグループをやっていた頃のことを思い出しましたよ。僕は音楽を続けたんですけど、あいつが辞めて、こいつも辞めて、仲間がどんどんいなくなっていくっていう。音楽を続けるって言ってたくせに直前になって「公務員になる」とか言いはじめたヤツもいたよなあとか（笑）、そういう切ない思い出が出てきましたね。

伴　私はデビューした頃のことを思い出しました。とにかくもうガムシャラだった時期。そこから12年経つなんて早いですよねえ。

──当時は今の状況を予想したりは？

伴　先のことは全然見てなかったですね。干支が1周したと思うとすごいですよね。ここから12年後はどうしてるんだろう。

大渡　俺、52（歳）だ！

伴　アハハハハ（笑）。

12周年記念ライブを野外でできるなんて贅沢

──もう1曲、「アリアドネの糸」のリミックスも。声ネタで思いっきり遊んで、デジタル色が強くなったサウンドがものすごくカッコいい。

大渡　リミックスバブルの頃は僕らも会社の方針でリミックスを出さざるを得ない時期があったんですけど、今は自分たちの意志でリミックスをやってみたいなと強く思ったんですよね。で、過去の作品でマニピュレーターをやってくださっていた中山さんという方にお願いしたんです。中山さんはJ-POPというフィールドで、ほんとに前衛音楽スレスレみたいなことを平気でやってのける方なので（笑）、今回も素晴らしい仕上がりにしていただけましたね。

伴　すごくカッコいいと思います。アルバムの曲なんかでも声を使ってかなり遊んでくれていたんですけど、このリミックスもいろいろやってくれています。もっとやっちゃってくれても良かったんですけどね（笑）。

──そして10月2日にはデビュー12周年を祝うライブ「FREE SOUL! FREE SPIRITS! ～Vol.3～」が日比谷野外大音楽堂で開催されます。このタイトルを掲げたライブは2004年、2008年に続いて3回目ですが、Do Asにとってはどんな意味があるものなんでしょう？

伴　心をオープンにして勝手にやろうぜっていう意味合いのライブですかね（笑）。野外ですし、それぞれで楽しんでいただければ。

大渡　フルライブを野外でやるっていう意味で大事なものなんですよ。フェスなんかだと3～4曲で終わっちゃうけど、ここではたっぷりやれるので解放的な気分を長く満喫していただけるんじゃないかと。過去の経験だと、虫の声が曲と織り交ざる瞬間がたくさんあって、すごく豊かな気持ちになれたので今回も楽しみですね。

──亮さんが欲するアースパワーも野外ならたっぷり吸収できそうですしね。

大渡　ですね。自分たちもそうですけど、やっぱり12年間応援してきてくれた方々に対してのメッセージも放ちたいので、振り返れるような内容になるといいなと思ってます。

伴　私もすごくワクワクしてます。12周年記念ライブを野外でできるなんてすごく贅沢だと思うので。雨が降らなきゃいいんですけど（笑）。