ナタリー PowerPush - Do As Infinity

2人のリアルな姿が見える直球ロックアルバム「EIGHT」

絆をテーマにした曲なので丁寧に、大事に

──リード曲となっている「Hand in Hand」では、伴ちゃんがすごく丁寧に歌っている印象がありました。なんか初めて聴く歌声だなと思ったんですよ。

 すごくうれしいです。絆をテーマにした曲なので、とにかく丁寧に、大事に歌おうと思ってました。ここ10年、いろいろなことを経て、今こうしてDo Asでやれてる。そのすべてのことが思い出されるような歌詞。特に「たとえ目に見えなくたって 心の手が放さないよ」という絆に対する思いを歌った部分が大好きなんです。信頼関係って本当にそういうものだなと。

インタビュー風景

大渡 伴ちゃんの2サビの後のDメロで、僕も歌ってるんですよ。

──そうですよね。新しいDo Asな感じがすごくします。

 面白い構成の曲ですよね。

大渡 声を張り上げて歌った後ですかさずギターソロに入るところを、ライブでどうしようかなと今から心配しております(笑)。

──ほかにもいくつか印象的な曲を上げてみますね。まず、「1176時間」は「魔法の言葉 ~Would you marry me?~」を彷彿とさせるオシャレなナンバーだなと。

 ずっと温存してて、やっと今回カタチになった曲です。

──女性らしさが感じられる曲。

 そうですね。だって「愛してる」なんて歌詞、初めてじゃないかな。最近、けっこうマッスル、ファイティング系の歌詞が多かったので、たまにはこういうフェミニンな曲もいいですね。ま、ちょっと照れくさいですけど(笑)。

──亮さんのソロも渋くてカッコいいです。

大渡 大人な感じでしょ? ホントにいろんなタイプの曲を演奏するグループだなと思いますよ(笑)。ギター弾きとしてはこの上なくうれしいことです。

言いたいことを歌詞にするのは難しい

──「Fly to the Freedom」は今回いちばんロックな感じかな。

大渡 王道ギターリフでゴリゴリいく感じですね。ディストーションサウンドの音作りにはかなり凝りました。

──伴ちゃん作詞の「Dear memories」は心が温かくなる曲ですね。

インタビュー風景

 デモを最初に聴いたとき、小っちゃい頃、父親と手をつないで歩いた場面がなぜか思い出されたので、そこから素直に書いてみようと思いました。私のように田舎から出てきて1人暮らしをしていると、家族と一緒にいるとき普通に言っていた「いってきます」や「いってらっしゃい」、「ただいま」や「おかえり」が、なんだか遠くなるんですね。実家で「おかえり」が聞けるのが1年ぶりとかで、しばらくしたらまた次いつ帰るかのあてもなく「いってらっしゃい」と東京に送り出される。そのときいつも、私は気持ちを切り替えるんですね。覚悟するみたいな感じかな。それをこの曲に表してみました。

大渡 ああ、伴ちゃんの感性だ、ほっこりするなぁと思いましたね。この世界観は、伴ちゃんが書くからこそ唯一アリになるというものなんじゃないかな。

──「Special」は、逆に亮さんだからこそ出せる味ですよね。

大渡 アメリカ西海岸を感じさせるこのポップなメロディが、けっこう僕は好きなんですよ。そこに、伴ちゃんが言いそうな日本語を乗っけたらイケそうだなとは思ったんですが、まぁ、難産でしたね(笑)。結果的に書けたことは誇らしいんですけど。

 言いたいことがあっても、歌詞にするって本当に難しいです。

大渡 毎回死ぬ思いです。言葉は無限にありますからね。まぁでも、1年に1曲だけでも、自分の感じていることを踏ん張って書ければなと。書きたいことが書けたと自負している「本日ハ晴天ナリ」を、ライブでみんなが歌ってくれるのを見ると、ああ、この曲愛されてるんだな、と泣きそうになるんですよ。苦労して書いて良かったと心底から思えるそういう瞬間があるから、また、がんばって書こうと思えるんでしょうね。

 私にとっては、今作に収録されてる「Everything will be all right」がそうですね。あの曲に合わせてみんながワイパー(手を左右に振る動作)やってるのを見てると、私でもまだイケるんじゃないかなと思えてくる。それが原動力なんです。言葉のチョイスはもっともっと勉強しなきゃいけないけど、苦労の先にあるその喜びをまた味わいたいがためにがんばれてるんだと思います。

アルバムタイトルはこれっきゃない

インタビュー風景

──アルバムタイトルを「EIGHT」にしたのは?

大渡 今回は裏の意味なし(笑)。ご存知の通り、ウチらのアルバムはタイトルがアルファベットしりとりになってまして、前回が「ETERNAL FLAME」だったので次は「E」。「EIGHT」ってよくない? 8枚目だしと。

 もうすごく早い段階から、これっきゃないと決まってました。

大渡 潔いでしょ?

──「八」は末広がりで縁起がいいし。

 「8」を横にすると「∞」だし。

──ワッ、ホントだ!

大渡 このアルバムを引っ提げて、早くツアーに出たいですね。

 これ1枚でライブを構成してみたいって、亮くんいつも言ってたもんね。モチベーションは満タン。

大渡 うん。ライブにいい起承転結がつけられる気がしてます。

 とにかく明るいメッセージいっぱいのアルバムです。ぜひ聴いてみてください!

インタビュー風景

ニューアルバム「EIGHT」 / 2011年1月19日発売 / avex trax

  • [CD+DVD] 3990円(税込) / AVCD-38139/B / Amazon.co.jpへ
  • [CD] 3059円(税込) / AVCD-38140 / Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. Baby!Baby!Baby!
  2. Special
  3. 1/100
  4. Hand in Hand
  5. ワンダフルライフ
  6. 僕が描いてた僕
  7. JIDAISHIN
  8. Everything will be all right
  9. Fly to the Freedom
  10. Dear memories
  11. 1176時間
  12. 君がいない未来
DVD収録内容
  1. 1/100 (MUSIC VIDEO)
  2. Hand in Hand (MUSIC VIDEO)
  3. 君がいない未来 (Music Clip)
  4. 映像特典「Do As Infinity LIVE 2010 -Documentary-」
Do As Infinity(どぅあずいんふぃにてぃ)

1999年に結成されたロックバンド。デビュー前より渋谷ハチ公前などで精力的なストリートライブを行い、注目を集める。同年9月にシングル「Tangerine Dream」でメジャーデビュー。2000年より現在の伴都美子(Vo)、大渡亮(G,Vo)の編成となる。2002年リリースのベストアルバム「Do The Best」がミリオンセラーを達成するなど、幅広い層から高い人気を得るが、2005年9月に解散した。そして2008年8月に開催されたイベント「a-nation'08」にサプライズ出演し、再結成を発表。同年9月より本格的に活動を再開し、リリースや全国ツアーを展開している。