2018年は旅に

──お二人にお伺いしたいのですが、昨年はどんな年でしたか？ そして今年はどんな年にしたいですか？

あやぺた　去年は人生で一番濃かった年なんですよ。初めてのシングル（「THE DREAM IS NOT DEAD」）をリリースして、その発売直前に機材の盗難にあって。でもその次の日のミュージックビデオの撮影があって「どうしよう」って言ってたら健さんのギターを借りられることになって。で、MVの撮影が終わったあとに自分の機材が全部戻ってきた。かと思えば、次は機材車が壊れて……結果、夢だった一番大きいハイエース、グランドキャビンに乗り替えることもできた。で、アルバム作って、HAWAIIAN6のツアーに出させてもらって……振り返ったら本当に濃い1年やったなって。

HATANO　今年もっと濃くなるんじゃない？ 去年濃かったっていうことはそれだけの人と出会ったってことだからね。

あやぺた　そうですね、今年は去年を超えたい。

──アルバムのレコ発ツアーもありますしね。ツアーでは47都道府県すべてを回ります。

HATANO　50何本でしょ？ いやあ、がんばるわ。

あやぺた　お客さんに「なんでここ来ないんですか？」って言われるのが嫌なんですよ。

HATANO　俺たちも「ACROSS THE ENDING」のツアーで47都道府県ツアー回ったけど、2カ月間家から出っぱなしだったから、メンバー同士の仲は最悪で、危うくバンド解散しそうになった（笑）。でも「日本でツアーやってる」って言うんだったら47都道府県回ってみたいよね。俺たちは単純にそういう気持ちでやった。いい旅になるんだろうね。

あやぺた　いい旅にしたいですね。

──HATANOさんは去年はどんな1年で、今年はどんな年にしたいですか？

HATANO　去年は結成20周年で、1年中レコーディングとツアーをしてたような気がするんだよね。おかげで何してたんだろうって思うくらいの速さで終わった。まあまだツアー中なんだけど。でも大義名分があってありがたかったなと。基本的に俺は「周年」って好きじゃないんだけど、節目で自分たちと俺たちを応援してくれた人が同じ喜びを持てるんだったら20周年を押し出して、それを理由にみんなで飲むのもいいかなって（笑）。

──いい1年だったんですね。

HATANO　そうね。でも今年も初めて対バンする人たちとのライブが決まってたりして、すごくドキドキワクワクしてる。まだ出会わせてもらえて、まだ挑戦させてもらえるってうれしいよね。ある先輩が前に「同じことを繰り返して、同じ仲間と毎日同窓会みたいに酒飲むだけが理由のライブだったらやめてるよ。更新するためにやるわけで、繰り返すためにやるわけじゃない」って言ってて、俺もそう思うんだよね。だから今年もまた更新できるんだなと思うとうれしい。まあ、その前に人間ドック行こうってメンバーと話してるんだけど（笑）。

あやぺた　ヤバいですね（笑）。

あやぺたちゃん、キラキラしてる！

──先ほどあやぺたさんは「毎日夢を叶えていきたい」と言っていましたが、バンドとして今一番叶えたい夢はなんですか？

あやぺた　ツアーを全会場ソールドアウトさせることですかね。いつ、どこに行ってもお客さんが来てくれるようなバンドになりたいです。

──ではいつか叶えたい、バンドとしての大きな夢はありますか？

あやぺた　もっと3人が切磋琢磨して、ライブで1人ずつが輝いて、最高に輝くバンドになりたい。オリオン座みたいな……わからんけど（笑）。

HATANO　いやあ、あやぺたちゃん、いい！ キラキラしてる！

あやぺた　いやいやいや（笑）。

HATANO　ENTHとか、Dizzy Sunfistと同世代のバンドといくつか知り合ったけど、その人たちで何か1つのシーンじゃないけど、何かが生まれる瞬間を見れそうな気がしてワクワクしてるんだよね。今、日本にフェスって増えたじゃん。いいか悪いかは別にして、フェスを中心に今の音楽シーンの一部が回ってる。でも俺たちはライブハウスの住人であって、ライブハウスがなかったら生きていく意味がなくて。その感覚を持ってるヤツらが前に出てきたからすっげえワクワクする。

──逆に今までは下の世代にそういうバンドがいない印象がありました？

HATANO　いや、いない印象って言うか、大人がそういう風潮に操作し始めて、バンドが飲み込まれてる感じがしてた。フェスに出るための活動、フェスに出るためのリリースとかをやり始めて。それを続けていくとバンドシーンは崩壊しちゃう。あくまでも、さっきあやぺたが言ってたように「来てください」って言われるところに行くっていう、それがバンドの一番大事なところで、そういうバンドを支持してくれた人たちがフェスに2万人集まるみたいな感じじゃないといけないと思ってる。そういう“バンドくさいバンド”がどんどん全国のライブハウスを耕していってくれることがうれしいんだよね。

──前回のインタビューでも言っていましたが（参照：Dizzy Sunfist「Dizzy Beats」発売記念 あやぺた（Dizzy Sunfist） × SUGA（dustbox）対談）、あやぺたさんはずっと同世代を盛り上げていきたいと言っていますよね。

あやぺた　その気持ちはずっとあります。そういう先輩たちを見てきたし。

HATANO　そうだよね。俺たちも「AIR JAM」観てそう思ってたもんね。「『AIR JAM』に呼ばれたいんじゃない。『AIR JAM』を超えるイベントを自分たちで作るのが目標だ」って仲間たちと話してて。そんな話を居酒屋でしてたバンドも今じゃ1割くらいしか残ってないんだけど。あやぺたたちはきっと今がそういう時期なんだよね。そのときが一番バンドがギラギラしてる時間だと思う。いやー、いいな。今度飲もう！ 泣いちゃうかもしれないけど（笑）。

あやぺた　はい！ 飲みます！