音楽ナタリー Power Push - あやぺた(Dizzy Sunfist) × SUGA(dustbox)

追っかけからステージで戦うライバルに

ハードコアテイストな曲はあやぺたの声に合う

──あやぺたさん、dustboxの新作「skyrocket」は聴きました?

あやぺた 聴きました。最高っすね、dustbox節全開で! 「Rise Above」のイントロがすごいなと思って。Aメロもポップやし。

SUGA 今度、俺が好きな曲を集めて渡すよ。それを聴くと、俺が何を意識して作ったかがわかると思うよ。

あやぺた マジですか? めっちゃ聴きたいです! 「triangle」にSkid Rowのカバー「I remember you」が入ってるじゃないですか。高校生の頃、その原曲を聴きたいと思ってCDを借りに行ったんですよ。で、聴いたらSUGAさんの声っぽいなと思いました。

SUGA そう?

──確かに歌い方は似てますよね。

SUGA 俺、あの世代のメタルアーティストの歌い方を超マネしてましたからね。この高い声はどうやって出してるのかなって。

あやぺた 今回の作品に入ってる「First Of May」(Bee Geesのカバー)もカバーとは知らずに聴いてました。原曲も聴きたいです。

──SUGAさんはDizzy Sunfistの1stアルバム「Dizzy Beats」を聴いて、どう思いました?

SUGA 最初のアルバムらしい、勢いのある作品だなと。

あやぺた ライブで再現できるように今がんばってるんですよ。

SUGA 2ビートで攻めるだけじゃなくて、面白い曲調もあるでしょ。それがまたいいなと。

──そこはdustboxの音楽性とも通じますね。

あやぺた はい。dustboxにはハードコアっぽい「Neo Chavez 400」みたいな曲もあるじゃないですか。今回はそういう曲も入ってますからね(笑)。

SUGA(dustbox)。

SUGA 俺、Dizzy Sunfistのハードコアテイストの曲が好きなんだよね。言ったら一番好きかもしれない。

あやぺた マジですか!

SUGA あやぺたのハスキーな歌声とすごく合うんだよ。

あやぺた ハードコアだけどサビではちゃんとメロディを歌ってる。そこはdustboxを意識しました(笑)。

SUGA はははは(笑)。俺はもともとハードコアが大好きで、dustboxとは別にそういうバンドをやりたいと思っていた時期もあったんだよ。だけど、dustboxでやっちゃおうと吹っ切れて「13 Brilliant Leaves」のときに、初めてハードコアっぽい曲をやったのかな。曲作りしてるときに飽きちゃって、適当に遊ぼうというノリだったと思うんだけどね。

フルアルバムってこんなにしんどいんや

──SUGAさんからDizzy Sunfistに何かアドバイスはありますか?

SUGA このまま突っ走っていけばいいと思うよ。で、やりたくなったらいろんな挑戦もしてみたらいいんじゃないかな。

あやぺた まあ1枚目のアルバムですからね。そもそもフルアルバムってこんなにレコーディングがしんどいんやなって思いました。何枚も作ってる人たちはすごいなって。今回13曲録ってみて、何度も心が折れそうになりましたもん。

──dustboxは3年連続でフルアルバムを出していた時期もありましたね。(「13 Brilliant Leaves」「Seeds Of Rainbows」「Bloomig Harvest」)

あやぺた すごいですよね! しかもあの3部作は内容もすばらしくて。

SUGA 今考えると、よくやったなと思いますね。Dizzy Sunfistも今ならできるよ! まだ若いから。

あやぺた(Dizzy Sunfist)

あやぺた いやいやいや。来年またフルアルバムなんて、考えるだけでヤバいですね。

──あやぺたさんは今回のレコーディング、何が大変でした?

あやぺた 歌録りが一番大変でしたね。ライブとレコーディングの連続だったので、声も万全の状態ではなくて。歌は自分の体調とか、全部出ますからね。

SUGA 13曲を全部歌うのは大変だね。俺はレコーディング中は絶対ライブを入れないよ。

あやぺた 歌詞は事前に覚えてからレコーディングします?

SUGA ああ、もちろん。俺は自宅でプリプロもやるから、家で何度も歌えるし、それで覚える感じかな。あとは歌い方のニュアンスとかまで全部頭の中に入れたら、早くレコーディングが進むんだけどね。昔、1つのサビを何十回も歌っちゃって、そしたら喉を痛めてその後にレコーディングできないこともあったから。

“ロコダストシックス”のような存在に

──先ほどSUGAさんから「いつかいろんな挑戦をしてみてもいいかも」とのアドバイスがありましたが、例えば日本語詞を歌ってみたいという考えはありますか?

あやぺた いや、ずっと英語詞でメロディックパンクをやっていきたいと思っています。自分はそういうバンドばかり聴いてきましたから。

──ちなみによくあやぺたさんは「“うちらジェネレーション”を盛り上げていきたい」ということをライブのMCなどで言っていますが、“うちらジェネレーション”つまり同世代のバンドというとどのあたりですか?

あやぺた My Hair Is Badとか39degreesとか……大阪だったらDYINGDAYあたりですかね。少し上の世代にWANIMAや04 Limited Sazabysがいて。これからも同世代のバンドをどんどん盛り上げていきたいですね。

──自分たちだけではなく?

あやぺた はい。みんなで一緒にシーンを作り上げたいというか。何かあったときに助けてくれるのは仲間やと思うし、一緒にいい景色を見たいですね。“ロコダストシックス”(locofrank、dustbox、HAWAIIAN6)って同世代なんですか?

SUGA 世代的には一緒になるかな。

あやぺた その3バンドはメロディック3大王みたいなイメージがありますからね。ウチらも周りのバンドと一緒にそういう存在になりたいですね。で、ウチらを聴いた人たちが、バンドをやり始めました!と言ってくれたらうれしいですね。

左からあやぺた(Dizzy Sunfist)、SUGA(dustbox)。
Dizzy Sunf ist 1stフルアルバム「Dizzy Beats」 2016年3月16日発売 / 2484円 / CAFFEINE BOMB RECORDS / Fried Rice Inc. / CBR-72
「Dizzy Beats」
収録曲
  1. We Can!!
  2. The Magic Word
  3. Dizzy Beat
  4. Piece Of Cake
  5. Jorking
  6. Fall Song
  7. Drug Music
  8. To True
  9. Can You Tell Me?
  10. Fly To The Moon
  11. My 10h
  12. Your Choice
  13. Tonight.Tonight.Tonight
Dizzy Sunfist(ディジーサンフィスト)
Dizzy Sunfist

2006年に大阪にて結成されたスリーピースバンド。メンバーチェンジを経て、現在はあやぺた(Vo, G)、いやま(Vo, B)、もあい(Dr, Cho)の3人で活動している。2013年にCAFFEINE BOMB RECORDSより1stミニアルバム「FIST BUMP」を、2014年に2ndミニアルバム「SUPER DELICIOUS」を発売。同年「京都大作戦2014 ~束になってかかってきな祭!~」に出演し、一気に知名度を上げた。2016年3月に1stフルアルバム「Dizzy Beats」をリリース。3月25日からは47都道府県を回るレコ発ツアー「"Dizzy Beats" TOUR」を開催する。

dustbox(ダストボックス)
dustbox

1999年にSUGA(Vo, G)、JOJI(B, Cho)、REIJI(Dr)の3名により結成されたバンド。2001年9月に1stミニアルバム「Promise you」をリリースして以降、毎年コンスタントに作品を発表してきた。2013年6月にはHAWAIIAN6、locofrankとのスプリットアルバム「THE ANTHEMS」を発売。2014年7月には結成15年を記念して東京・東京晴海客船ターミナル特設ステージにてワンマンライブを成功させている。2015年3月にREIJIが脱退し、YU-KI(Dr)が加入。2016年2月に新体制初の作品としてミニアルバム「skyrocket」をリリースした。