音楽ナタリー Power Push - あやぺた(Dizzy Sunfist) × SUGA(dustbox)
追っかけからステージで戦うライバルに
Dizzy Sunfistが1stフルアルバム「Dizzy Beats」をリリースする。
メロディアスなパンクサウンドと女性2人によるキュートなツインボーカルで人気を集める彼女たち。楽曲だけでなくあやぺた(Vo, G)の天真爛漫なキャラクターや3人のアグレッシブなライブパフォーマンスも武器に、各地のパンクキッズを沸かせている。音楽ナタリーでは「Dizzy Beats」の発売を記念して、あやぺたと、彼女が「崇拝している」というdustboxのSUGA(Vo, G)との対談を企画した。メロディックパンクシーンで活躍する先輩と後輩による、和やかで熱い会話を堪能してほしい。
取材・文 / 荒金良介 撮影 / 小原啓樹
あやぺた、SUGAを崇拝
──あやぺたさんはSUGAさんを尊敬しているとお聞きしました。
あやぺた(Vo, G) はい、崇拝してます!
SUGA はははは(笑)。
あやぺた 初めてバンドの追っかけをしたのもdustboxなんですよ。Tシャツとかパーカもめっちゃ持ってます。
──dustboxのどの作品のときに追っかけを始めたんですか?
あやぺた 「SEEDS OF HOPE」あたりですね。
SUGA 「Seeds Of Rainbows」ね。「SEEDS OF HOPE」はSiMでしょ?(笑)
あやぺた あっ、そうや!
SUGA あやぺたっぽいわあ!
──dustboxの「Seeds Of Rainbows」は2007年8月発売ですね。
あやぺた ウチが高校2年のときですね。「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」でも最前列でdustboxを観てました。
dustboxは教科書
──dustboxを知ったきっかけはなんだったんですか?
あやぺた 同級生だった、いやま(Vo, B)に教えてもらいました。カッコいいバンドがいるよって。それから好きになりましたね。
──最初に聴いた作品は覚えてます?
あやぺた 「13 Brilliant Leaves」ですね。それからほかの作品をたどっていきました。
SUGA 「13 Brilliant Leaves」を出したときに高校生だったのか。若いなあ。
──「13 Brilliant Leaves」の発売とDizzy Sunfistの結成は同じ2006年ですね。あやぺたさんは、dustboxのどこに惹かれました?
あやぺた 曲です! 耳に入ってきやすいんですよね。歌詞もスッと入ってくるし。高校生の頃、いやまが授業中に「Bitter Sweet」の歌詞の和訳をノートにひたすら書いていたのを覚えてますね。私もネットの書き込みにdustboxの歌詞をつぶやいてました。……めっちゃ恥ずかしいっ!
SUGA なんか俺も恥ずかしくなるわ(笑)。
あやぺた うちのバンドのドラム(もあい)もdustboxめっちゃ好きなんですよ。彼がDizzy Sunfistに加入したのは4年前なんですけど、その前は広島で別のバンドをやってて、そのバンド名が「ALL UP TO ME」(dustboxの曲名)。しかも主催していたイベント名が「TRIANGLE」(dustboxが2004年10月にリリースしたミニアルバムのタイトルは「triangle」)なんです。
SUGA ははははは(笑)。
あやぺた もあいはdustboxのドラムもほとんど叩けますからね。ウチも、自分で曲を作ってるとき「dustboxすぎる」って理由でボツにすることがあります。
SUGA じゃあ、それちょうだい!
あやぺた ええー! ほんまにコード進行とか同じなんですよ(笑)。
──“dustboxすぎる曲”を作っていたのは初期の話ですか?
あやぺた いや、今回のアルバムの曲作りでもです。HEY-SMITHのメンバーからも「◯曲目の仮タイトルはdustboxやろ?」と言われて、「正解です」って(笑)。
──ちなみにどの曲ですか?
あやぺた 「The Magic Word」です。「Try My Luck」を少し意識しました。掛け合いの部分とか。あとギターソロも「こういうのよくない?」って。すいません!
SUGA はははは(笑)。
あやぺた 私にとってdustboxは教科書みたいな存在ですね。
SUGA すごくうれしいですね。最近、いろんなバンドからdustboxに影響を受けたと言われることが多いんですけど、俺らがやってきたことに対して反応してくれる人がいて、そういう人が音源を出して活躍しているというのは、俺らがHi-STANDARDを観て、カッコいいなと思って、ああいう曲を作ろうと思った気持ちと同じですからね。つながっているんだなあと思うとうれしいです。
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- Dizzy Sunf ist 1stフルアルバム「Dizzy Beats」 2016年3月16日発売 / 2484円 / CAFFEINE BOMB RECORDS / Fried Rice Inc. / CBR-72
- 「Dizzy Beats」
収録曲
- We Can!!
- The Magic Word
- Dizzy Beat
- Piece Of Cake
- Jorking
- Fall Song
- Drug Music
- To True
- Can You Tell Me?
- Fly To The Moon
- My 10h
- Your Choice
- Tonight.Tonight.Tonight
収録曲
- Rise Above
- Carry On
- First Of May
- Reflection
- Someday & Somewhere
Dizzy Sunfist(ディジーサンフィスト)
2006年に大阪にて結成されたスリーピースバンド。メンバーチェンジを経て、現在はあやぺた(Vo, G)、いやま(Vo, B)、もあい(Dr, Cho)の3人で活動している。2013年にCAFFEINE BOMB RECORDSより1stミニアルバム「FIST BUMP」を、2014年に2ndミニアルバム「SUPER DELICIOUS」を発売。同年「京都大作戦2014 ~束になってかかってきな祭!~」に出演し、一気に知名度を上げた。2016年3月に1stフルアルバム「Dizzy Beats」をリリース。3月25日からは47都道府県を回るレコ発ツアー「"Dizzy Beats" TOUR」を開催する。
dustbox(ダストボックス)
1999年にSUGA(Vo, G)、JOJI(B, Cho)、REIJI(Dr)の3名により結成されたバンド。2001年9月に1stミニアルバム「Promise you」をリリースして以降、毎年コンスタントに作品を発表してきた。2013年6月にはHAWAIIAN6、locofrankとのスプリットアルバム「THE ANTHEMS」を発売。2014年7月には結成15年を記念して東京・東京晴海客船ターミナル特設ステージにてワンマンライブを成功させている。2015年3月にREIJIが脱退し、YU-KI(Dr)が加入。2016年2月に新体制初の作品としてミニアルバム「skyrocket」をリリースした。