売れたい

──以前お話を聞いたとき（参照：DISH//「I Can Hear」インタビュー）はメジャーデビューシングル「I Can Hear」のリリース直前だったので、デビューに対して期待と不安が半々ですという話をされていましたね。その気持ちは変わりましたか？

MASAKI　デビューした直後は、気持ち的にあんまりデビュー前と変わらないなーって思ってたんですよ。でも最近になってテレビ収録が増えてきて、少しずつDISH//がテレビの前の皆さんにも知られていくんだなあって思うと実感がだんだん湧いてきました。そこで歌もダンスもこんなんじゃまだダメだ、もっとやらなきゃって気を引き締めましたね。

──じゃあ不安はまだ消えてないんですね。

MASAKI　まだありますね。この先うまくいくのかなっていう不安は、僕の中ではデビュー前よりも増えました。売れたいんですけど、売れるために何をしなきゃいけないのかっていうことがまだ手探りの状態で。

──そういえば皆さんあるときからものすごく「売れたい」と言うようになったみたいですが、何かきっかけがあったんでしょうか？

TAKUMI　「売れたい」って言い出したのは、あるときスタッフさんから「口に出してれば叶うもんだよ」って言われたので、「よし言おう！」と。そのあとのライブから言うようになりました。

To-i　僕も曲中に言うくらい言ってます。なんとなく不安はありますけど、言ってたらほんとにいつか叶うんじゃないかなと思って。

MASAKI　もしかしたら不安がなくなることってこの先ないのかもしれないですね。僕らは常に新しいことをやろうとしてるから、「このネタはお客さんに受けるのかな」っていう不安がずっと付いてまわるんで。だから、DISH//の活動を続けていく上ではたぶん不安とはずっと闘ってなきゃいけないなあと思います。

──RYUJIくんはデビュー前と今とで気持ちの変化はありましたか？

RYUJI　僕は、不安はまったくなくなったわけではないけどデビュー当時よりかは減ったんですよ。今後いろんな仕事がどんどん増えてって、DISH//のファンも増えて、大きい舞台に立つところを想像すると、この先がほんとに楽しみだなっていう気持ちのほうが大きいです。

To-i　（RYUJIに向かって）「不安と快感が入り混じったライブ作ってます」って言ってよ。決めゼリフ。

RYUJI　To-iが言えよ（笑）。

To-i　なんだよ、照れてんのか？ お前さっき言ってたじゃん、「不安と快感が入り混じったライブをいつも作ってます」って。

RYUJI　なんでそれぶっこんできたんだよ（笑）。

To-i　見出しに書いといてください（笑）。

伸び悩み中

──メジャーアーティストとしての自覚は出てきましたか？

TAKUMI　出てきたと思います、きっと。お客さんの数も増えて、ブログでのコメント数も多くなってっていうところで手応えは感じてて。メジャーで大御所さんたちと戦っていくっていう覚悟が徐々に固まってきました。

──おお、頼もしいですね。デビューして最初の壁にはまだぶつかってない？

TAKUMI　最初の壁かあ……。今、伸び悩んでるんじゃないかなって思う、DISH//。

To-i　俺もそれ言おうとした。

──伸び悩んでる？

To-i　歌唱力だったりパフォーマンス力だったりっていうスキル的な部分で。やっぱメジャーになるとすごい方々が立ちはだかっててまだまだその人たちにかなわないレベルなんで、それをどうしたらいいのか考えてます。

TAKUMI　「ギブミーチョコレート！」あたりからここまで急激に成長してきたんですけど、今「晴れるYA！」のリリースツアーが始まって、ライブを難しく感じるようになってきました。

To-i　自分たちの中でしっくりこないことが多くなったんですよね。ライブは盛り上がって周りの人たちから「よかったよ」って言われるんですけど、自分たち的には「なんなんだろうね、この感じ」っていうのがあって。

──自分たちにしかわからないモヤモヤしたものがあるんですね。

To-i　序盤にいろんなネタを後先考えず全部バーッとやっちゃったのがちょっと間違いだったなって思います。ネタ切れっていうことをまったく考えてなくて。まあハードルを上げるっていう面ではいいのかもしれないですけど。

TAKUMI　ネタ切れという壁にまずぶち当たったよね。こんなん永遠に浮かぶだろ俺ら、っていうスタンスでいたら、やっぱり……。

To-i　寸劇を考えるのが僕たち自身も面白かったし、それがウケるんでさらに面白くて。バンバンやりまくってたら、もう、ね。

RYUJI　やりすぎたっていうのはありますね。

TAKUMI　今は曲中に鬼のように煽ってるんですけど、僕らの中に衝撃的なほど大きな変化がないまま進んでる気がする。早く打開しないといけないんですけど。

──どう打開していったらいいと思いますか？

TAKUMI　難しいですよね……。やっぱり新しいものを取り込んでいかないと、僕ら自身のテンションも上がんないから。「DISH//のライブは歌って踊ってお客さん盛り上げてっていうだけじゃなくて、こんなこともするんだ！」って思ってもらえるようなライブを作っていかなきゃいけないなって思います。