ナタリー PowerPush - DIR EN GREY
Die&Shinyaが明かす 激動の半年間と海外展開の意味
海外でも日本みたいなステージセットでライブをしたい
──DIR EN GREYは2000年代半ばから海外での活動が増えましたが、バンドにとっての海外での活動はどういう位置付けに当たるものなんでしょうか?
Die 最初の頃は海外に行くたびに刺激が多かったし、それが音楽性にも強い影響を与えてきたと思うんです。でも5年経ち、6年経ち、それぞれがいろんなフェスやツアーを経験したことで、刺激も前ほどはなくなってきて。実際ツアーだけを考えたら、やっぱり日本でやるほうが気持ち的にも楽なんですけど……ただ、向こうでは日本でのツアーのようにステージセットを組んでライブをやれてないんですよ。ああいったことをやっぱり海外でもやりたいなと思っているし、それがやれるところまでいかなあかんなと。それに加えて、やっぱりファンが向こうにちゃんといてくれてるんで。しんどいことは多いけど、観てくれる人がいるところには行きたいなっていう思いはあります。それに地元のバンドと一緒にツアーを回れば常に刺激を受けますし、なるべくそういうことはやっていけたらと思うんですけどね。日本とは違って、何バンドかでツアーを回るのは海外では多いじゃないですか、フェス形式のツアーとか。そのほうが盛り上がるし、バンド同士の横のつながりもできていいと思うんです。
──海外のファンの中にも、例えばDVDやYouTubeを通じて日本でのライブ映像を観てる人も多いと思いますし、実際に日本でやってるフルセットのライブを海外でもやったら、今以上のリアクションがあると思いますよ。
Die そうなんですよねえ。もっとスケールの大きいことがやれるようにならないといけないですね。そう考えると、まだまだやっていかなあかんのかなと。
──でもそういった演出面がなくてもツアーをするたびにライブに来てくれるのは、やっぱり音の力が強いからだと思うんです。ちゃんと伝わっているというか。
Die 最近は日本でも外国人のお客さんが前より増えたような気がしていて。最初の頃と比べたら状況は変わってきたし、どんどん世界が近くなってるのかなっていう気はします。
純粋なロックファンがツアーにも来てくれるようになった
──今回の映像の中で一番印象的だったのが、確かToshiyaさんが言ってたと思うんですけど、最初に海外に行き始めた頃と最近とで、日本のカルチャーに対するウェルカム感が少しずつ薄れてきた気がするということ。Dieさんも同じことは感じますか?
Die そうですね。海外に行き始めた頃は、自分たちのコスプレをしてるファンがすごく多かったんですよ。その頃ってもう自分たちはそういった格好はしてなかったし、日本でもコスプレするファンはだいぶ減っていたので、そこに一番ビックリしました。しかもそのビジュアルの頃の曲もすでにプレイしてなかったんです。だから1、2年ぐらいかな……そういったことが好きな海外のファンは1回観たらOKっていうか、次からはライブに来なくなったのかな。そういう点ではウェルカム感が薄れてきてると言えるかも。逆に海外のフェスに何度も出ることで、純粋なロックファンが自分たちのツアーにも来てくれるようになって、最初の頃とはステージから見える景色がだいぶ変わりましたね。
──ああ、確かに。このDVDに収録されているライブ映像を観ても、お客さんは本当に普通のロックファンっていう印象でしたし。
Die 若い子だけじゃなくて、おじさんもいるし。なんか……単純にいいなって思います。
武道館で「DUM SPIRO SPERO」のすべてを出し切らないと
──まだ先の話になりますが、来年1月にはニューシングル「Sustain the UNtruth」がリリースされます。すでに制作は始まっているんですか?
Die そうですね。絶賛制作中です。今年の夏はずっと、このシングルの曲作りやアレンジを進めたなっていう印象で。2013年の夏の思い出です、次のシングルは(笑)。
──夏の思い出が年明けに出るわけですね(笑)。
Die 曲がなかなかできなくてね。しかも完成しかけてたものをひっくり返して、また新たに作り直したりして、すごく時間がかかってます。
──そして2014年3月8、9日には日本武道館での単独ライブも決まりました。武道館でのライブは2010年1月以来ですね。
Die 4年ぶりですか? けっこう間が空いたな。でも気が付けばアルバム(「DUM SPIRO SPERO」)を出してからもかなり経つんですよね。
──2011年8月発売ですから、すでに2年経ってます。特にこの2年はいろんなトラブルがあって、活動が止まったりしましたし。
Die スケジュール的にはそこでだいぶ変わったんですけど、それはもう仕方ないことで。でもういうトラブルがあったから生まれた曲もあるので、いい方向に考えて次のアルバムについても進めていかないとね。
──武道館公演のタイトルが、ズバリ「DUM SPIRO SPERO」なわけですが。
Die アルバムをリリースしてから幾度となく、いろんな場所でライブを重ねてきたんで、ここで確実に決めないといけないっていうライブですね。バシッと。「DUM SPIRO SPERO」のすべてをここで出し切らないといけないな。でもこうやってライブのタイトルが発表されると、ちょっとプレッシャーですね(笑)。
──あははは(笑)。
Die アルバムタイトルを掲げられたらね……演奏はもちろんのこと、ステージセットや照明を含めての完成度を高めなければいけないので。まあまだ先のことなんで、いろいろ考えます。
Shinya 今はこのツアー(9月18日からスタートした国内ツアー「TOUR2013 GHOUL」)のことでいっぱいいっぱいなんで(笑)。
- ドキュメント映像作品「TOUR12-13 IN SITU-TABULA RASA」 / 2013年9月25日発売 / FIREWALL DIV.
- 初回限定盤 [DVD3枚組] / 8800円 / SFBD-0042~4
- 通常盤 [DVD2枚組] / 7140円 / SFBD-0045~6
- 通常盤 [Blu-ray Disc] / 8190円 / SFXD-0004
通常盤
<DVD>
DISC 1:ドキュメント映像(約105分)
DISC 2:LIVE映像(約110分)
<Blu-ray>
ドキュメント映像・LIVE映像(約215分)
TOUR2012 IN SITU 12.25 東京国際フォーラム・ホールA
- 狂骨の鳴り
- DIABOLOS
- LOTUS
- 凌辱の雨
- 冷血なりせば
- VANITAS
- 激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇
TOUR2013 IN SITU -The Depiction of Reality- 2.01 新木場STUDIO COAST -「a knot」&ONLINE only-
- DOZING GREEN
- LIE BURIED WITH A VENGEANCE
- THE IIID EMPIRE
- C
- Machiavellism
TOUR2013 TABULA RASA 5.16 新木場STUDIO COAST
- 狂骨の鳴り
- 業
- DIFFERENT SENSE
- Unknown.Despair.Lost
- 輪郭
- Bottom of the death valley
- INWARD SCREAM
- かすみ
- Unraveling
- THE FINAL
MINI ALBUM『THE UNRAVELING』【完全受注生産限定盤】購入者限定LIVE TOUR2013 TABULA RASA -揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- 5.24 渋谷公会堂
- 鴉
DOWNLOAD 6.14 Donington Park -Derby / UK-
- OBSCURE
初回限定盤付属DVD
LIVE映像 (約30分)
TOUR2012 IN SITU 12.25 東京国際フォーラム・ホールA
- Deity
TOUR2013 IN SITU -The Depiction of Reality- 2.01 新木場STUDIO COAST -「a knot」&ONLINE only-
- 蝕紅
- 艶かしき安息、躊躇いに微笑み
- CLEVER SLEAZOID
TOUR2013 TABULA RASA 5.16 新木場STUDIO COAST
- 蜜と唾
- CONCEIVED SORROW
- 霧と繭
DIR EN GREY(でぃるあんぐれい)
京(Vo)、薫(G)、Die(G)、Toshiya(B)、Shinya(Dr)からなる5人組バンド。1997年に現メンバーがそろい「人間の弱さ、あさはかさ、エゴが原因で引き起こす現象により、人々が受けるさまざまな心の痛みを世に広める」という意志の元に結成。ミクスチャー / ヘヴィロック的な要素をゴシック的な様式美の中で表現する世界観が評価され、日本のみならず海外でも大ブレイク。2002年にアジアツアーを成功させたのを機に、アメリカ、ヨーロッパ各国にも進出し、熱狂的なファンを多数獲得する。2008年にアルバム「UROBOROS」を世界16カ国で同時期にリリース。同作はアメリカのBillboard Top 200で114位、インディーズアルバムチャートBillboard "TOP INDEPENDENT ALBUMS"で9位、新人アーティストを対象としたチャートBillboard "Heatseekers Chart"で1位という快挙を達成する。その後、2008年末から2010年にかけて「UROBOROS」を携えたライブツアーを国内外で展開。2010年1月に日本武道館公演を2日間にわたり開催し、ロングツアーを締めくくった。2011年8月には約3年ぶりのアルバム「DUM SPIRO SPERO」をリリース。発売直後からヨーロッパや北米、中南米などで海外ツアーも行った。2012年1月には大阪城ホールで「UROBOROS -that's where the truth is-」と題した一夜限りのライブを敢行。しかし2月からは京の声帯不調を理由に表立った活動を休止していたが、10月よりライブ活動を再開。同年12月にはニューシングル「輪郭」、翌2013年4月にはミニアルバム「THE UNRAVELING」をリリースした。同年6月には2年ぶりとなるヨーロッパツアーも実施。この海外公演や2012年末の国内ライブの様子を収めたドキュメンタリー作品「TOUR12-13 IN SITU-TABULA RASA」が、2013年9月に発売される。