1台買ったら一生もの
──今日はTechnicsのターンテーブル「SL-1200MK7」を使って聴いてもらいましたが、こういうレコードショップで聴くと家とはまた違った響き方がしますよね。
あの 聞こえてくる音もだけど、環境も含めて新鮮です。
──Technicsの「SL-1200」シリーズは皆さんもいろんな場所で目にしていると思います。あのさんは「SL-1200」シリーズに触れるのは今日が初めてだそうなので、デザインや使い勝手を含めた「SL-1200」シリーズの魅力をぜひ中山さん、前田さん、畝狭さんからプレゼンしていただけたらと思います。
あの お願いします。
中山 まず、「SL-1200」シリーズは非常に丈夫で、なかなか故障しないそうなんです。モノによっては40年以上もつみたいなので、1台買ったら一生ものです。
あの すごい。
前田 本体価格は税込12万円とちょっとお高いですけど、40年以上持つと考えたら……お買い得です(笑)。DJの現場もTechnicsのターンテーブルが主流なんですよね。耐久性に優れているからこそどの現場で使われている。僕も次に買い換えるなら、「SL-1200」シリーズにしようと思っているほどです。
畝狹 デザインもカッコよくて、このブツブツの部分(ストロボスコープ)も高級感があるし。
あの うんうん。
中山 あのちゃん、実際に触ってみてどうだった?
あの 高級そうに見えるから最初触るのも日和っちゃったんですけど、実際に触ってみたら使いやすそう。あと、自分が前に使っていたターンテーブルは壊れちゃったりしたので、壊れにくいのはいいなって思いました。レコードもそうだけど、ターンテーブルも使っていると愛着が湧くだろうから、長持ちするのはいいですね。
──家庭用のレコードプレーヤーだとベルトが摩耗してしまうこともありますが、「SL-1200」シリーズはベルトを使っていない、ターンテーブルのプラッターとモーターが直接つながったダイレクトドライブ方式なので、スクラッチしたり激しく使ったりしても故障しにくいんです。
あの なるほど。こうやってほかのターンテーブルに触れる機会ってそんなにないけど、いろいろ話を聞きながら実際に触ってみるといろいろ納得です。
──僕の実家にあるターンテーブルもTechnics製で、しかも40年近く前のものなんですが、いまだに現役ですからね。
あの すごい。僕は自分でメンテナンスとかできない人間なので、それだけ壊れないとありがたいですね。
「頼むぞ!」って場面でどっしり構えている
──Technicsというブランドに対するイメージはいかがでしょう?
あの プロっぽいイメージ。「頼むぞ!」って大事な場面に必ず存在して、いつもどっしり構えている、そういう安心感があります。
中山 確かに。スタンダードっていう印象が強いですよね。DJや制作の現場にTechnics製品があると、ホッとしますし。
畝狹 プロの現場にあるものっていう感覚かな。
前田 楽器でいうとFenderとかGibsonみたいな。
畝狹 DJ現場に行くとターンテーブルは大体Technicsの「SL-1200」シリーズなんですけど、僕はこれまでちゃんとブランドとして認識できていなかったところがあって。こういう機会にお話を聞くことで、改めて深く知ることができました。
──ラジオ局でも「SL-1200」シリーズが使われていることが多いそうですし。
あの やっぱり、大事な場面に必ずあるのがTechnicsさんの製品なんですね。今日触ってみてより身近に感じられたので、自分も使っていいんだなと思えるようになりました。次に買い換える機会がきたら「SL-1200」シリーズを候補に入れたいです。これから手を出してみようと思っている人も使いやすいと思いますし。
──初心者だからと安いものでそろえるのではなくて、一生ものとして「SL-1200」シリーズを手にしてみてもいいのかなと。
あの 本当にそうだと思います。
前田 ターンテーブルを買い換える機会って、人生でそう何度もあるわけじゃないので。だったら最初にこれを買っておけばいいのかなと。
──あのさんは「RECORD STORE DAY JAPAN」の一環で、昨年12月に発売された1stアルバム「猫猫吐吐」のアナログ盤をリリースします(参照:ano 1stアルバム「猫猫吐吐」特集|参加クリエイター7人からのメッセージ)。あのCDジャケットが大きくなるだけでも、かなりのインパクトですよね。
あの そうですね。しかも、青い縁取りの部分がメタリックになるそうなんです。これがレコードショップに並ぶと考えると、すごくうれしいです。
──アナログ化されることで、CDや配信で聴いていたときとはまた違った響き方や感覚も味わえるのかなと思います。
あの アナログ用にリマスタリングされると聞いたので、曲の印象がまた違う感覚で楽しめるのかな。
──アナログ盤で初めて「猫猫吐吐」に触れようと思っているリスナーに向けて、何かアピールポイントはありますか?
あの 正直、今の時代ってアルバムが出せるまでにもすごく時間がかかるんです。anoとしても最初は「デジタルの時代なので、楽曲はデジタルでしか出さない」という話で、なかなか厳しいなと思っていたけど、僕はCDとかレコードとか“モノ”が好きなので、念願叶ってアルバムが出せて、しかもレコードでも出せるというのは簡単にできることではないと実感して。ファンの人はもちろんですけど、少しでも興味がある人にもこの機会にぜひレコードを買って、聴くでも部屋に飾るでもいいので手に取ってほしいなと思います。あと、「猫猫吐吐」には今まで発表した楽曲を全部詰め込んでいるから、これさえ聴いておけばanoとしての活動は全部わかるので、1枚持っておけば安心です。
──加えて、「THE FIRST TAKE」で披露した音源もレコードとして発売されるそうですね(参照:THE FIRST TAKE」が300回!節目を飾るアーティストはano「とても大事な1曲」 / あのちゃん「THE FIRST TAKE」初登場で「ゲロを吐こうと思い歌いました」)。
あの そうです。「ちゅ、多様性。」と「普変」が入っていて。一発勝負で、現場の緊張感もすごかったので、その感じもレコードを通すとYouTubeとは違って聴こえるのかな。そこも楽しみにしていてほしいです。僕もまだレコードで聴いていないので、完成するのが今から楽しみです。
「SL-1200MK7」に触れながら、レコードにまつわるエピソードを楽しげに語り合ったI'sメンバー。取材が終わるとあのたちはたくさんのレコードを抱えてレジに向かい、ほくほく顔で店をあとにした。
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Technics「SL-1200MK7」
⻑きにわたって世界中のDJに愛されているターンテーブル「SL-1200」シリーズの最新バージョン。ダイレクトドライブモーターやプラッター、シャーシなどをすべて一新しながら、トーンアームや各種操作スイッチなどの配置は「SL-1200」シリーズのレイアウトを踏襲し、これまでと変わらない操作性を実現している。
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RECORD STORE DAY JAPAN
毎年4月の第3土曜日に世界で同時開催されるアナログレコードの祭典。2008年にアメリカでスタートし、現在世界23カ国で数百を数えるレコードショップが参加を表明している。日本での運営は東洋化成が担当。レコードショップで数多くのアーティストのアナログレコードの限定盤やグッズなどが販売される。また世界各地でさまざまなイベントも行われ、毎年大きな盛り上がりを見せている。
プロフィール
あの / ano(アノ)
2020年9月にano名義でソロアーティストとして音楽活動を開始。2022年4月に「AIDA」でTOY'S FACTORYよりメジャーデビュー。同年10月にテレビアニメ「チェンソーマン」のエンディングテーマに「ちゅ、多様性。」が選ばれ、2023年末にはTBS系「第65回 輝く!日本レコード大賞」特別賞を受賞し、「第74回NHK紅白歌合戦」にも出場。自身が中心となって結成したパンクバンド I'sでも活動している。音楽活動だけに留まらずタレント、女優、声優、モデルと多岐にわたって活躍中。
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