アナログレコードの魅力を伝えることを目的として、毎年11月3日に開催されるアナログレコードの祭典「レコードの日」。アナログレコードプレスメーカーの東洋化成が主催、Technicsが協賛するこの企画では、全国各地のレコード店でさまざまなアーティストの作品のアナログ盤が販売される。
今回音楽ナタリーでは、「レコードの日」に合わせて著名人12名のレコードにまつわるコメントを掲載。好きなレコード作品やレコードにまつわる思い出について教えてもらった。
構成 / 中川麻梨花
SL-1200GR
アナログレコード再生の楽しみを音楽ファンに届けることをコンセプトにした、Technicsのダイレクトドライブターンテーブルシステム。世界中のユーザーに愛用されたSL-1200シリーズの新たなスタンダードモデルで、SL-1200Gのよさを継承しつつ、新たに開発された専用のコアレスダイレクトドライブモータを搭載している。
レコードの日
毎年11月3日に開催されるアナログレコードの祭典。アナログレコードの魅力を伝えることを目的として、アナログレコードプレスメーカーの東洋化成が主催、Technicsが協賛している。イベント当日は全国各地のレコード店でさまざまなイベントが行われるほか、この日のために用意された豊富なラインナップのアナログ作品が販売される。
アイナ・ジ・エンド(BiSH)
好きなアナログ盤3枚
- PUNPEE「Syn Chrono Ized EP」
- PUNPEEが好きだから選びました。「Syn Chrono Ized」っていうタイトル名も、なんだかいいたくなるリズムで、好きです。
- MONDO GROSSO「ATTUNE / DETUNE」
- MONDO GROSSOさんと初めてコラボさせてもらいとても嬉しかったので記念です。トラックとメロディが本当にかっこいいです。
- エミネム「Stan」
- 手紙を書くペンの音がサンプリング音にされていて初めて聴いた時衝撃的でした。音がステキでずっと聴いています。
アナログレコードに関する思い出
近所の古着屋さんに行った時、かけてくれて、楽しいなって思いました。
どんどん削れていく感じも儚くて音楽を聴いてる時間を大事にしようと思いました。
あと、中古の家具屋さんに知り合いがいて、そこではいつもアナログレコードをたくさん置いていて、飾りとしても可愛くて、おうちに、飾りたくて、私は家で聴けもしないくせに買う!!と言っていました。優しい家具屋さんだったので、プレゼントしてくれました。いい思い出です。
Technics製品に対する印象
音飛びがほんとになくて良いです。
いろんな製品を使わせていただいていますが、ヘッドフォンだと本当に音の幅が広がるし、楽しい気持ちになります。自分では持っていないので、レコードプレイヤーが欲しいです。
- プロフィール
- “楽器を持たないパンクバンド”BiSHのオリジナルメンバーで、楽曲の振り付けを担当する。2016年5月にBiSHとしてシングル「DEADMAN」でメジャーデビュー。2018年5月に神奈川・横浜アリーナで開催したワンマンライブ「BiSH "TO THE END"」のチケットが即完。「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」など全国の大型フェスにも多く出演した。9月に自身作詞・作曲による楽曲「きえないで」を収録したセントチヒロ・チッチとの両A面シングル「夜王子と月の姫 / きえないで」でソロデビューを果たす。10月よりBiSHとして初のホールツアー「BRiNG iCiNG SHiT HORSE TOUR」を行い、12月に2万人規模のワンマンライブ「BRiNG iCiNG SHiT HORSE TOUR FiNAL "THE NUDE"」を千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールで開催する。
奥田民生
好きなアナログ盤3枚
- Faces「Long Player」
- The Beatles「Revolver」
- Led Zeppelin「Led Zeppelin」
- 理由:いい録音
アナログレコードに関する思い出
Cheap Trickの「Dream Police」はポテトチップスくらいゆがんでいた。音もうにょうにょだった。
Technics製品に対する印象
シンプルで基本の音な気がします。
- プロフィール
- 1965年生まれ、広島県出身。1987年にユニコーンのボーカリストとしてデビューし、1993年のバンド解散までに「大迷惑」「すばらしい日々」など多数のヒット曲を発表した。1994年にシングル「愛のために」でソロアーティストとして本格的に活動を開始し、以降はマイペースに作品を発表し続けている。また、O.P.KING、THE BAND HAS NO NAME、地球三兄弟、サンフジンズに参加したり、井上陽水とのユニット井上陽水奥田民生として活動したり、PUFFYのプロデュースを担当したりと多角的に活躍。2009年にユニコーンが復活して以降は、ソロと並行してバンド活動も行っている。
小野武正(KEYTALK)
好きなアナログ盤3枚
- Steely Dan「Aja」
- 若かりしラリー・カールトンの攻めたプレイに痺れます。
アナログで聴くとより臨場感があってわくわくしますね。 - Cameo「Knights of the Sound Table」
- ファンキーすぎて体がうずきます。
1曲目から前のめりなグルーヴが気持ちいいのですがこれまたアナログじゃないとこのスリリングな前進感が味わえないのです。 - Dinosaur Jr.「Bug」
- この轟音サウンドこそアナログでスピーカー爆音で聴き倒したいですよね。
奥底に潜む自分の中の何かが疼きだします。
アナログレコードに関する思い出
デジタル版で聴いていたアルバムをアナログで聴いた時にサウンドがこうも違うのか、と感動しました。その場で演奏してるかのような臨場感、立体感、特にレコーディングもテープで録ってる音源は如実にそれが出ていると思います。お酒がすすみます。じゅる。
Technics製品に対する印象
高級で重厚なイメージがあります。
使ったことないので今度トライさせてください。
- プロフィール
- 1988年生まれ、埼玉県出身。KEYTALKのギタリストとして、2013年11月にシングル「コースター」でメジャーデビュー。キャッチーな楽曲とテクニカルなプレイで人気を集める。2015年10月には東京・日本武道館でワンマンライブ「KEYTALKの武道館で舞踏会 ~shall we dance?~」を開催。2017年9月10日に神奈川・横浜アリーナ公演「10th anniversary KEYTALK 横浜アリーナ ワンマンライブ 俺ら出会って10年目~shall we dance?~」を行い、翌2018年9月に千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールでワンマンライブを開催。幕張メッセ公演の模様を12月に映像化する。
角張渉(カクバリズム)
好きなアナログ盤3枚
- ダニー・ハサウェイ「Live」
- このアルバムを初めて聴いた時の興奮は忘れられないです。ずっと聴いてました。ソウルミュージックでの音楽的な興奮を感じた初めてのレコードだと思います。
- ルウ・ロンドン「Swingtime In Springtime」
- em recordsからの再発で初めて知って、その内容がめちゃくちゃ最高で一時期ずっと聴いていたのですが、Philoからの再発盤のアナログも札幌で去年見つけて、嬉しくて嬉しくて。アナログで聴いてもやはり馴染みが良くてご機嫌になるので、大好きな1枚です。
- The Morning Benders「Big Echo」
- 現在はバンド名がPop Etcに改名してますが、こちらは2010年の作品で、当時1曲目の「EXCUSES」はDJをやらせてもらう時とかには必ずかけてました。当時のインディポップの煌びやかさを感じながらも案外曇っているみたいな感触が好きで、けだるいまでいかない感じも凄い好みです。
アナログレコードに関する思い出
友達が新宿VINYLでお金を貯めに貯めて購入した初期パンクのXpress「Junked-Up Judy」のオリジナル盤7inchが少し盤ソリしていたので、直そうとちょっとだけ力を入れたらパキンと真っ二つに割れたこと。
Technics製品に対する印象
若い頃は憧れで、価格的に全然手が届かなかったですね。ついに手に入れた時はめちゃ嬉しかったですね。その使用感に慣れてしまいますと、やはりずっとこれですね。
- プロフィール
- 音楽レーベル・カクバリズム代表。1978年生まれ、宮城県出身。2002年3月にカクバリズムを設立し、YOUR SONG IS GOOD、SAKEROCK、キセル、二階堂和美、MU-STARS、cero、(((さらうんど)))、VIDEOTAPEMUSIC、片想い、スカート、思い出野郎Aチーム、在日ファンク、mei eharaなど多彩なアーティストの作品を次々と世に送り出す。2018年7月に初の著書「衣・食・住・音 音楽仕事を続けて生きるには」を上梓した。
後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
好きなアナログ盤3枚
- Wilco「Kicking Television: Live in Chicago」
- ニール・ヤング「Live at the Cellar Door」
- The Band「Last Waltz」
- 最近はレコードで聴くライブ盤にハマっています。CDよりもそれぞれの楽器や観客の空気が馴染んでいて、臨場感があるように感じます。
アナログレコードに関する思い出
吉祥寺の露店で買ったターンテーブルとスピーカーをつないで、わくわくしながらレコードに針を落としたんですけれど、蚊の鳴くような音しか聞こえなくてがっかりした思い出があります。18歳の頃です。当時はフォノイコライザーの存在を知りませんでした。
Technics製品に対する印象
ターンテーブルはとてもスマートで使いやすい印象です。
- プロフィール
- 1976年生まれ、静岡県出身。ASIAN KUNG-FU GENERATIONのフロントマンとして2003年にメジャーデビュー。2009年にインディーズレーベルonly in dreamsを立ち上げる。2012年8月に7inchアナログ「LOST」をGotch名義で発表し、2014年4月に1stソロアルバム「Can't Be Forever Young」をリリース。また新聞「The Future Times」の編集長を務めたり、著書に「凍った脳みそ」「YOROZU~妄想の民俗史~」を上梓するなど音楽以外の活動も展開している。ASIAN KUNG-FU GENERATIONとしては2018年9月にシングル「ボーイズ&ガールズ」を発売。11月3日には同作の7inchアナログ盤をリリースする。
福永浩平(雨のパレード)
好きなアナログ盤3枚
- Jónsi & Alex「Riceboy Sleeps」
- どんな時にだって聴けるレコード。
このレコードを流してる時は自分の生活の所作さえもより有意義に感じられます。 - Robert Glasper Experiment「Black Radio」
- どこまでも格好好い思い出のレコード。
上京当初は何回も何回も聴いてました。 - Bon Iver「22, A Million」
- この三枚の中ではかなり新譜。
個人的に新譜ばかり聴いてしまうので持っているレコードも大体ここ5、6年にリリースされたものばかりです。
このアルバムは特にお気に入りです。
アナログレコードに関する思い出
十代の頃に地元の先輩がアナログでDJをしてて先輩の家でよくいろんな音楽を聴かせてもらってました。
Technics製品に対する印象
ワールドスタンダードですよね。
- プロフィール
- 鹿児島県出身。2013年に自身がボーカルを務めるバンド・雨のパレードを結成。ポストダブステップ、80'sポップ、インディR&B、エレクトロハウス、アンビエント、トラップなどを取り入れた音楽性が持ち味で、アナログシンセサイザーやサンプラー、ドラムマシンなどによるバンド形態にこだわらないサウンドメイクで注目を集める。2018年3月にはメジャー3枚目となるオリジナルアルバム「Reason of Black Color」をリリース。2018年3月よりワンマンツアー「COLORS」を行い、東京・日比谷野外大音楽堂でファイナルを迎えた。
2018年11月7日更新