デジナタ連載 Technics「SL-1500C」「SC-C70MK2」特集 岩井勇気(ハライチ)と斉藤壮馬がスタジオジブリ作品のアナログレコード体験

どんなインテリアにも合いそう

──ここからはお二人にTechnicsのターンテーブル「SL-1500C」と、コンパクトステレオシステム「SC-C70MK2」を体験していただければと思います。このターンテーブルとステレオを見て、お二人はどんな印象を受けましたか?

岩井 すごくスタイリッシュですよね。これがあったら家に人を呼びたくなりそう。

斉藤 シンプルでどんな方向性のインテリアにも合いそうな気がします。

岩井 この2つが部屋にあったらカッコつく感じあるよね。

斉藤 ありますよね。例えばミニマリストの方の部屋にポンってあっても「音にはこだわってんすよ」みたいな感じを醸し出せそう。

岩井 確かにレコードを売ってるおしゃれな店って、こういう機材が3つぐらいしか置いてない気がする(笑)。

斉藤 確かに。「スペース広!」みたいな店ですよね(笑)。

──今回はアナログレコードイベント「アニソン on VINYL 2021」を機にリリースされたスタジオジブリ作品関連のアナログレコードの中からお好きなものを選んでいただいて、ターンテーブルとコンパクトステレオで試聴していただければと思っています。お二人はジブリ作品はご覧になっていますか?

岩井 ほぼ観てますね。

斉藤 同じくです。

──好きなタイトルは?

岩井 「魔女の宅急便」が一番好きですね。

斉藤 いいですね。僕は「もののけ姫」だな。

岩井 世代によって好きな作品が違ってきそうだよね。

斉藤 ですね。最初に観たのは「となりのトトロ」でした。

岩井 俺も「トトロ」かも。

手前から「崖の上のポニョ」について語る斉藤壮馬、爆笑する岩井勇気(ハライチ)。

斉藤 「トトロ」、子どもに見せる作品としてめちゃめちゃ強いですよね。あとは高校の卒業式のあとに「崖の上のポニョ」を観ました。卒業式のあとってみんなで残ってワイワイ話すと思うんですけど、僕はまっすぐ家に帰って「ポニョ」を観てました(笑)。

岩井 最高の時間じゃん!(笑)

斉藤 当時ネットで「ポニョ」を神話学的に読み解くというのが流行っていて。そういう視点で観ると、「ポニョ」にはいろんな魔法がかけられていると。それを卒業式前日に知ったから「確かめなきゃ!」と思って(笑)。

岩井 俺は放課後、家に帰って夜メシまでの間にジブリのビデオを観るのが最高の時間だったな。

斉藤 めちゃくちゃいいですよね。本当に豊かな時間。

ジブリもオーディオ機器も“せん”が肝

──先ほど配線について少し話していただきました。今回体験いただくオーディオ機器は、ターンテーブル「SL-1500C」にフォノイコライザーが内蔵されているのでコンパクトステレオ「SC-C70MK2」のアナログ入力端子とオーディオケーブルでつなぐだけで聴ける状態になります(※「SL-1500C」「SC-C70MK2」ともにオーディオケーブルは未付属)。

岩井 最高じゃないですか!

斉藤 すごい!

岩井 線1本じゃないですか! (「千と千尋の神隠し」に登場する湯婆婆ふうに)千!

斉藤 「贅沢な名前だね」って感じですね(笑)。

岩井 やっぱり“せん”が肝ですからね。ジブリは。

斉藤 ターンテーブルって設定や操作が複雑なんじゃないかというイメージも持っている方が多いと思うので、シンプルな配線ですぐに聴けるというのは、入り口としてはすごく助かりますね。

岩井 確かにボタンとかも少なくていいよね。これ以上あると一生使わないボタンが出てきそう。

斉藤 本当ですよね(笑)。

左から「交響組曲 もののけ姫」「風立ちぬ サウンドトラック」「魔女の宅急便 サントラ音楽集」のアナログレコード。

──ではご試聴いただきましょう。岩井さんには「魔女の宅急便」のレコードを選んでいただきましたが、どの曲にしましょうか。

岩井 じゃあ「ルージュの伝言」、聴いちゃいますか。

斉藤 “名曲of名曲”ですからね。

岩井 (「ルージュの伝言」が流れる)やっぱりアナログならではのよさがあるね。

斉藤 わかります。僕、ユーミン(松任谷由実)さんがめっちゃ好きなんですよ。

──このコンパクトステレオには「Space Tune(TM) Auto」という機能が付いていて、部屋の広さや置く場所に合わせて最適な音質に自動調整してくれるんです。さらにAI機能が備わっていて、反射を学習するので長押しだけで設定ができます。オーディオ機器は壁との距離で響き方が変わるので、そこを補正してくれるという。

斉藤 え? 自動で?

岩井 確かに音に奥行きがありますもんね。

斉藤 めっちゃいい。もう購入を決めました僕は……(笑)。

岩井 (続けて「やさしさに包まれたなら」が流れる)エンディングだ! 僕は「魔女宅」の登場キャラの中では最初のほうに出てきた先輩魔女さんが好きで。「あなたもがんばってね」と去っていく女の子ですね。魔女感がすごくて好きなんですよ(笑)。

斉藤 わかります。(「風立ちぬ」のレコードを手にして)なんだかもっとユーミンさんを聴きたくなっちゃったな。

──では「ひこうき雲」をかけてみましょうか(曲を流す)。

斉藤 松任谷正隆さんはユーミンさんが作った「ひこうき雲」のサビのコード進行を聴いて結婚を決めたとか決めないとか言いますよね。

部屋の隅で「ひこうき雲」を聴く斉藤壮馬。

岩井 いい話だなあ!

斉藤 (部屋の隅に移動して)離れて聴いてもクリアな音ですね。

岩井 音のよし悪しがあまりわからない人でもわかりそうなくらい、いい音ですよね。

斉藤 あまり耳が疲れなさそうな感じもいいですね。

岩井 うん。音が柔らかい。

長時間聴き続けられそう

──TechnicsはDJ機器としておなじみな印象がありますが、このターンテーブルは家で聴くことに特化している機種なので、余計なボタンがないんです。あとはレコードの再生が終了すると自動的にトーンアームを持ち上げるオートリフトアップ機能が付いていたり。聴きながら寝落ちしても安心な機能ですね。

岩井 最高じゃないですか。

──続いて斉藤さんに選んでいただいた「もののけ姫」のレコードから、「アシタカせっ記」を聴いていただきましょうか(曲を流す)。

岩井 臨場感すごいっすね。

斉藤 マジで欲しいな……。

岩井 ナマ感がすごいですね。「アシタカせっ記」のような壮大な曲を聴くと、途中で止めちゃいけないんじゃないかという気持ちになってきますね(笑)。

斉藤 確かに。本当にその場で演奏をしてもらっているかのような(笑)。

岩井 もうね、1曲聴き終わったら拍手しちゃいそうな感じですよね。

左から岩井勇気(ハライチ)、斉藤壮馬。

斉藤 ドンシャリ系のスピーカーは例えるなら、味が濃くて最初はおいしく感じるけど、ずっとは食べ続けられない、みたいな感じがしますけど、このステレオは本当に長時間聴ける感じがしますね。空間に程よく音が馴染んでいて。でももっといろいろ自宅で試してみないとわからないこともあるかと思うので、今日はこれを持ち帰ろうと思います。

岩井 (笑)。俺は川のせせらぎとかをこれで聴きたいな。

斉藤 合いそう!

岩井 それを聴きながら寝たい(笑)。

──聴き疲れしないというのが一般的にアナログの魅力として挙げられることが多い部分なので、まさにそれを体感できるのではないかと思います。スピーカー一体型のターンテーブルもありますが、やはりアンプにつないだほうがいい音が出ますし。

斉藤 ですね。僕はスピーカー一体型のものを持ってるんですけど、全然違いますね。

岩井 そうか。スピーカー一体型だと本当の音を聴けてないかもしれないということなんですね。家にあるレコードをこのターンテーブルとステレオで聴いたらまた違うんでしょうね。

──またこのコンパクトステレオでは、アナログレコードだけではなくCDも聴くことができます。

斉藤 このおしゃれな蓋、CD用だったんですね!

──さらにSpotifyなどの音楽ストリーミングサービスに対応していますし、ステレオシステムそのものが「Chromecast built-in」に対応していてWi-Fi経由での操作もできます。

斉藤 Chromecastが内蔵されてるんですね。ということは僕の曲もかけられる……?

岩井 最高じゃないですか! 今ってCD聴くのもめちゃくちゃめんどくさい時代ですよね。

斉藤 確かに。手軽にCDも聴けるのはありがたいですよね。

岩井 Bluetoothスピーカーは持っているんですけど、CDを聴くとなるとゲーム機でしか聴かない(笑)。

斉藤 めっちゃわかります(笑)。そう思うと、このコンパクトステレオにいろんな機能がまとまってるのはありがたいですね。

岩井 (Spotify経由でスピッツの「渚」が流れる)おー、いいっすね! このバージョンの「渚」はわりと低音がしっかりしてますけど、このコンパクトステレオはガツガツ低音が響くわけじゃないから、スピッツに合っている感じがします。

斉藤 (草野)マサムネさんの声にめっちゃ合ってますね。

岩井 うん、めちゃくちゃ合ってる。

斉藤 (斉藤壮馬の「carpool」が流れる)あっ、僕の曲です。

岩井 作曲までしてるのすごいね。何で作曲してるの?

斉藤 ギターとパソコンで作ってます。わ、すごい聴きやすいな。

岩井 低音がグサッとこないですね。

これを機にレコードの入り口に立ってみてほしい

──改めてこの2つの機器のビジュアルや音質で何か感じたことや気になることがあればおっしゃってください。

斉藤 空間や部屋に合わせて音質を調整してくれる機能があると知って、いろんな広さの部屋で試してみたいなと思いましたね。この部屋はけっこう広いので、自宅だったらどう聴こえるのかなとか。

岩井 「アナログレコードは昔のもの」みたいな感覚の人が多いですけど、このターンテーブルとコンパクトステレオで曲を聴いていたら、そんなふうに思ってるほうが古いんじゃないかと思わされましたね。僕としては逆に新しいコンテンツみたいな感覚です。

斉藤 確か去年、アメリカでレコードの売り上げがCDを抜いたんですよね。30年ぶりくらいに。

岩井 そうなんだ!

──最近は若い人の間でもアナログレコードに興味を持つ方が増えてきていますよね。アニソンが好きでレコードに興味を持っている人に、レコードの魅力を伝えるとしたらどんなところがあると思いますか?

左から岩井勇気(ハライチ)、斉藤壮馬。

岩井 今日聴いたようなサントラとかをいい機材で聴いてみたら、本当におしゃれな感じでアニソンを聴ける。アニソンという枠に囚われている人にも一度体験してみてほしいし、これを機にレコードの入り口に立ってみてほしいですね。

斉藤 そうですね。僕もそうなんですけど、アニソン好きの方って深く知識を吸収したり自分のこだわっているディティールを突き詰めていったりするのが好きな方が多いのかなと思っていて。先ほど岩井さんもおっしゃっていましたが、アニソンやアニメのサントラを入り口にして、さらにその曲や作品についての知識を深めていけるんじゃないかなと思います。アニソンに限らずですが、興味はあるけど手を出せていないものってたくさんあると思うんです。少なくとも自分は今日お話を聞いたり体験させてもらったりして、これならすぐにレコードが身近なものになるだろうなと感じました。そしてあんなことも試してみたい、この曲も聴いてみたいという展望や、自分が実際に家でこのターンテーブルを使っているビジョンが見えたので。この対談を読んで同じように感じていただけたらうれしいですね。

Technics「SL-1500C」

Technics「SL-1500C」

Technicsによる、シンプルなビジュアルと操作方法が魅力のダイレクトドライブターンテーブルシステム。フォノイコライザー内蔵、カートリッジ同梱で初心者でもすぐにレコード再生を楽しむことができる。レコードの再生が終了すると自動的にトーンアームを持ち上げるオートリフトアップ機能付。

Technics「SC-C70MK2」

Technics「SC-C70MK2」

新開発のスピーカーユニットや音響レンズの最適化によって明瞭でスケールの大きなサウンドを堪能できるTechnicsのコンパクトステレオシステム。部屋の広さや置く場所に合わせて最適な音質に自動調整する「Space Tune(TM) Auto」機能を搭載している。アナログ音源のみならず、音楽ストリーミングサービス、ハイレゾ音源、CDなどの幅広い音楽コンテンツに対応。「Chromecast built-in」に対応しているアプリを使用してさまざまなサービスが楽しめる。

アニソン on VINYL 2021

「アニソン on VINYL 2021」ビジュアル

昨年8月に開催された「CITY POP on VINYL」に続く、東洋化成によるジャンル縛りのアナログレコードイベント「on VINYL」シリーズの第2弾。今回はアニメソングがテーマで、人気アニメのテーマソングやサウンドトラックなどのアナログ作品を、店頭とオンラインで3月13日、4月24日の2回に分けて一斉に販売する。LiSA「紅蓮華 / 炎」、TM NETWORK「Get Wild」「BEYOND THE TIME(メビウスの宇宙を越えて)」、いきものがかり「BAKU」のほか、アニメ「みなしごハッチ」「機動戦士ガンダム」「きまぐれオレンジ☆ロード」やジブリ映画のサントラ関連作品など38アイテムがラインナップされている。