Mirage Collective×Technics|解釈はプロデューサー次第、リミックスというアプローチの魅力に迫る (2/2)

オリジナルに勝ちたい

──番組を拝見していて、プロデューサーの解釈次第でリミックスの仕上がりが全然違っていたことや、皆さんが作り手の生活を思い浮かべながら音源をチェックする姿勢が興味深かったです。リミックスという手法の醍醐味、魅力はどういった部分にあると思いますか?

STUTS うーん、作り手の視点で言うと、原曲を自分好みに変化させることができるのがやっぱり楽しい。リスナー視点なら「こういう解釈があったのか」という発見があるとうれしいですね。

荒田 僕がリミックスするときはオリジナルに勝ちたいと思いながら作業してます。リスナーとして気にする部分も結局そこで、やっぱり比べちゃうんですよね……俺って心が狭いのかな(笑)。

一同 (笑)。

左からSTUTS、荒田洸(WONK)、KM。

左からSTUTS、荒田洸(WONK)、KM。

KM 僕も荒田さんと聴き方が近くて、例えばアルバムに自分の好きなビートメイカーのリミックスが入っていたりすると「お! やってくれんのかな?」「どんな感じにリミックスするんだろう?」と考えちゃう。そのプロデューサーの私生活まで想像しながらリミックスを聴くのが好きですね。あとは地域性みたいなのも表れるんですよ。デトロイトのプロデューサーの作品はデトロイトの音がするし、ニューヨークのプロデューサーの作品はニューヨークの音がする。そうやって想像しながらチェックすると楽しくなると思います。

shakke それ、わかります(笑)。今回は逆に情報がブラインドされていたから、こっちが勝手に想像する面白さみたいなものがありましたよね。このリミックスを作った人は寒い地域に住んでるのかな?とか、なんとなく音のニュアンスで想像するのが楽しかったです。

shakke

shakke

楽曲をあるべき姿のまま再生するワイヤレスイヤフォン

──今回の番組のスポンサーである、Hi-Fiオーディオ・DJ機器ブランドのTechnicsにはどんなイメージをお持ちですか?

STUTS やっぱりターンテーブルですよね。あとはB-BOYと言えばTechnicsという(笑)。

STUTS

STUTS

荒田 うん、B-BOYの象徴な感じはしますよね。

KM ターンテーブルはTechnicsじゃなきゃダメみたいなね(笑)。

──皆さんにはTechnicsの完全ワイヤレスイヤフォン「EAH-AZ60」を事前に試していただきましたがいかがでしたか?

KM まだ他社のイヤフォンと聴き比べができてないんですけど、ローがしっかり出てるというか、それでいて下品な音になってない感じはしました。

Technics「EAH-AZ60」

Technics「EAH-AZ60」

荒田 僕もまさにそれです。

一同 (笑)。

荒田 いや、本当ですよ?(笑) 低音はめっちゃ出ているんだけど柔らかい。でも、モコモコした感じはしないんですよね。それこそディレイとかリバーブが、低音がっつり系のイヤフォンだと上の残響があまり美しく聴こえてこないんですよ。でもこのイヤフォンに関しては、リバーブとかディレイ、残響音もきれいに聞こえていていいなと思いました。

KM 若い子に響くマーケティング的な部分があるのかもしれないけど、低音を強調しがちなメーカーが多いじゃないですか。でも「EAH-AZ60」の場合は楽曲をあるべき姿のまま再生するのはもちろん、全帯域の粒が見えるような音作りになっていてよかったです。

KM

KM

荒田 僕はアプリ(Technics Audio Connect)で音質などを調整できる点もいいなと思いました。これは全メーカーが取り入れてほしい。このイヤフォンはドルビーアトモスに対応しているんですか?

Technicsスタッフ いえ、していないんです。純粋にオーディオを鳴らすためのイヤフォンとして作っているので。

荒田 男らしいですね(笑)。そこもTechnics感あるわ。

左からshakke、STUTS、荒田洸(WONK)、KM。

左からshakke、STUTS、荒田洸(WONK)、KM。

新しい世界を開いてくれる

──STUTSさんは前回のインタビューで「EAH-AZ60」を“クラブミュージックを楽しく聴けるイヤフォン”と表現していましたが、取材後はこのイヤフォンでどういった音楽を聴かれていますか?(参照:STUTS×Technicsコラボライブ開催記念特集

STUTS 普段使いのイヤフォンと聴き比べするときに試したりするんですけど、「EAH-AZ60」は音の定位がはっきり見えるので、ジャズやアコースティック系の音楽が面白く聴けるなと思いました。

荒田 僕は試してみてヒップホップとの相性がよさそうだと思ったけど、STUTSくんが言うようにアコースティック系の音楽を聴くと新しい発見がありそうですね。イヤフォンってメーカーによって色が違うから、普段使ってるイヤフォンを変えると音源に対して新しい発見がある。「EAH-AZ60」はそういう意味で新しい世界を開いてくれるんじゃないかなと思います。

荒田洸(WONK)

荒田洸(WONK)

──ちなみにイヤフォンの着け心地はいかがでしょう?

shakke 僕は普段、外音をシャットアウトするためにイヤフォンを付けたまま寝るんです。「EAH-AZ60」はいつも使っているイヤフォンと比べて、長時間着用していても耳が全然痛くならなかったですね。まあ、そもそも間違った使い方だとは思うんですけど(笑)。

──「EAH-AZ60」は人間工学に基づいて設計されていて、フィット感と遮音性を両立しているんですよ。

shakke あー、そうなんですね。

STUTS 確かに着け心地いいですよね。装着しているのを忘れちゃうくらい。前回の取材でノイズキャンセル機能の性能のよさであったり、通話中に自分の声をクリアに届けることができる機能(JustMyVoice)が付いていることも教えてもらったので、日常的にハンズフリーで会話する人にオススメしたいです。

STUTS

STUTS

shakke あとはワイヤレスイヤフォンがこれだけ普及して、そろそろ別のモデルを試したいと考えている人もいると思うんですよ。そういう人はセカンドワイヤレスイヤフォンじゃないけど、「EAH-AZ60」を一度試してみてほしいです。

KM 確かにワイヤレスイヤフォンを探すときの選択肢が1つ増えた感じはします。あとイヤフォンやケースの見た目もいいですよね。ロゴがバーンっと入ってるだけで“安心のブランド・Technics”という感じがするし、世代なのでどうしても目が行っちゃいます(笑)。

左からshakke、STUTS、荒田洸(WONK)、KM。

左からshakke、STUTS、荒田洸(WONK)、KM。

「Mirage Remix Meeting - supported by Technics」ノミネート楽曲一覧

Technics「EAH-AZ60」

Technics「EAH-AZ60」

TechnicsがHi-Fiオーディオ機器の開発で長年培われた音響技術の粋を注いだ完全ワイヤレスイヤフォン。音楽が持つ表現や豊かな空間を再現する高音質を実現させた。ハイレゾ音質の伝送が可能なLDACに対応することで、ワイヤレスでありながらハイレゾ音質が楽しめる。


「Mirage Remix Meeting」使用オーディオセット

プロフィール

Mirage Collective(ミラージュコレクティブ)

STUTSがプロデュースを手がけ、ドラマ「エルピス—希望、あるいは災い—」の主題歌「Mirage」を担当した音楽集団。「Mirage」ではSTUTSが作曲・編曲・プロデュース、YONCE(Suchmos)が作詞・歌唱、butajiが作詞・作曲を務め、ドラマの主演・長澤まさみもボーカルとして参加している。「エルピス」では回を重ねるごとに同楽曲のバージョン違いがオンエアされて話題を集めた。昨年12月にはアルバム「Mirage」をリリース。本作にはSTUTS、YONCE(Vo)、butaji(Cho)、長岡亮介(G, Cho / ペトロールズ)、ハマ・オカモト(B / OKAMOTO'S)、荒田洸(Dr / WONK)、高橋佑成(Rhodes, Piano)、武嶋聡(Sax, Flu)、佐瀬悠輔(Tp)、大田垣“OTG”正信(Tb)、須原杏(Vn)、林田順平(Vc)の12名が参加したバンドバージョンや、tofubeatsやSUMIN、Omar Sが手がけたリミックスバージョンなどが収録されている。