DIALOGUE+「DIALOGUE+3」特集|著名人8人が3rdアルバムの新曲を1曲ずつレビュー (2/2)

堀江晶太(PENGUIN RESEARCH)

堀江晶太(PENGUIN RESEARCH)

「DIALOGUE+3」新曲レビュー

「これは訓練ではない」

[作詞・作曲:林直大(SOVA) / 編曲:林直大(SOVA)、Nor、堀江晶太]

林さんの爆発力溢れる創作を起点に、Norくんと自分も編曲に参加しつつ
更なる爆発による調和を目指した楽曲です。
エクストリームなスポーツのような刹那の急転換に物怖じせず立ち向かうような、
毅然としたメンバーのボーカル表現が爽快であり、
カオスの嵐の最中を貫く一筋の晴れ間のようなコントラストが非常に印象的な楽曲です。

DIALOGUE+のお気に入り曲

「透明できれい」

(1stアルバム「DIALOGUE+1」収録曲)
[作詞:田淵智也 / 作曲:瀬名航 / 編曲:伊藤翼]

静謐でやわらかなサウンドキャンバスの上に
親しく語り掛ける旋律と表現が踊るような、
触れがたい神聖さと人懐っこいエモーショナルが共存した素晴らしい作品です。
如何なる技巧もギミックも、最後に美しさに結ぶのは心であり人である、
というクリエイティブのAtoZを優しく体現した楽曲のように想います。

プロフィール

堀江晶太(ホリエショウタ)

2011年にボカロP・kemuとしてニコニコ動画に楽曲の投稿を開始。2013年の独立以降は数多くのアーティストに楽曲を提供している。DIALOGUE+に関しても、3rdアルバム「DIALOGUE+3」の新曲「これは訓練ではない」など複数の楽曲制作に参加。PENGUIN RESEARCHのベーシストとして、2016年1月にシングル「ジョーカーに宜しく」でメジャーデビューした。

宮野弦士

宮野弦士

「DIALOGUE+3」新曲レビュー

「凍てついて秒速」

[作詞:田淵智也 / 作曲・編曲:照井順政]

クレジット情報を見る前にまず曲を聴いて、「あれ? これって……」と思ったのですが、やはり。笑
切り裂くように進んでいくスピード感、
複雑なアプローチの中にもどこか憂いや美しさを感じるハーモニー感覚。
そしてその構築された音の情景を引っ張っていく力強い歌詞。
聴いていてヒヤヒヤするような危うさが漂っています。
そして、こんな難曲でも真ん中にいてくれる歌のチカラというのはすごいです。
これを待ってたすべての人たちに届きますように……。

DIALOGUE+のお気に入り曲

「プライベイト」

(1stアルバム「DIALOGUE+1」収録曲)
[作詞:大胡田なつき / 作曲・編曲:睦月周平]

個人的な好みとしても単純にこういうミッドテンポ・ファンクのグルーヴがほんとに大好きなんですが、
この曲は本当にメロディの運び、歌のニュアンスも含めて本当に秀逸ですね。正直やられました。
こういう曲調ってどうしても大人っぽくというかクールな方向になりがちだと思うんですが、
それよりも清々しさやスピード感があるのは、
きっとこのアンサンブルのソリッドさゆえなんでしょうね。ずるいです。
今からでも僕がつくったことにならないかな?

プロフィール

宮野弦士(ミヤノゲント)

作曲家、編曲家。フィロソフィーのダンス、東京女子流、SAWA、寺嶋由芙、杉山清貴らに楽曲を提供してきた。1970~80年代の音楽を主なバックグラウンドとして、楽器演奏、作編曲、ミックス、マスタリングと複数の分野での制作を行う。5人組バンド・7セグメントのメンバーとしても活動している。

森保まどか

森保まどか

「DIALOGUE+3」新曲レビュー

「dialogue+kawaii」

[作詞・作曲・編曲:Neko Hacker]

とにかく可愛い!
ふわふわ、あまあま、糖度高め曲です。
少しサイバーっぽい感じの衣装に身を包んだ8人が歌い踊る姿を勝手に期待して、きっと可愛いんだろうなぁぁぁぁと1人妄想が膨らみます。(⚠個人の意見です)

曲調も全体的に無重力感があって、グロッケンやオルゴールのような音、雫が落ちるようなポチャン音などチャーミングなサウンドがたくさん使われていて楽しいです。

1A'(Bメロ扱いかも)でウーアーが入りどんどん音が厚くなっていくのに、サビ前でスンっと落ちるところも好き。これだけ可愛い曲なのに対して、問いかけるような歌詞というのもギャップ。
恋愛ソングにすると甘さ100%になるので、そのバランス感覚が私は好きでした!

みんなkawaii!!のは勿論ですが……特に内山悠里菜ちゃんの愛嬌抜群な声と相性がよく、彼女の声質が活きている曲だなと感じました。2000年代アニメのEDって確かこんな感じじゃなかったっけ……と少しノスタルジーな気持ちにもなる曲です!

DIALOGUE+のお気に入り曲

「誰かじゃないから」

(10thシングル「イージー?ハード?しかして進めっ!」収録曲)
[作詞:大胡田なつき / 作曲・編曲:成田ハネダ]

どこか懐かしさを感じるセンチなメロディ、等身大で希望を感じる歌詞、“らしさ”を感じる掛け合い……どれをとっても印象的なこの曲をセレクトします!
先日のDIALOGUE+学概論@TDCホールで聴いたときも感激しました。
前の曲が「僕らが愚かだなんて誰が言った」で格好よすぎたのですが、振れ幅の大きさに惚れ惚れしたことを覚えています。

DIALOGUE+は8人のメンバーそれぞれが個性的なことから、色んな面や要素を見せてくれてるなと常々感じます。それが魅力の1つだと思いますが、この曲はDIALOGUE+皆の“温かみ”の部分を感じられるような気がします。自分も鍵盤を弾くので、いつかこの曲のピアノパートをカバーしてみたいなという気持ちです。

そして……飯塚麻結ちゃんの落ちサビが素晴らしい! まゆゆん! ライブで聴くともっっとよかった!!

プロフィール

森保まどか(モリヤスマドカ)

14歳のときにHKT48の1期生としてデビュー。2021年6月にHKT48を卒業した。女優、ラジオパーソナリティ、イベントMCなどとして幅広く活動中。特技のピアノを生かし、ピアニスト、キーボーディストとしても活躍している。趣味のサウナが高じて、サウナ・スパ健康アドバイザーの資格を取得。

吉田尚記

吉田尚記

「DIALOGUE+3」新曲レビュー

「everything!」

[作詞:竹内サティフォ / 作曲・編曲:ONIGAWARA]

この夏はUNISON SQUARE GARDEN武道館3DAYS全通し、
先日はONIGAWARAフェスにも行ってきたユニゾンガワラーガチ勢の私。
ラジオマンとして、番組楽曲を発注したことがあるのは、田淵智也とONIGAWARAとドラムで参加しているゆーまおくんのヒトリエだけ!

「夜が明けないのを誰かのせいにしてるやつは もうどっか行ってしまえ」
という歌詞が、UNISON SQUARE GARDEN「cody beats」にありますが、
約束されてないけど未来があるだけで問答無用でわくわくしてきちゃう、
1ミリの不安があるけどそれを知った上で、
そんな自分すらにやけてきちゃう世界を生きているのはまさにONIGAWARA!

おじさんが歌ってリスナーをニヤニヤさせちゃう人が、
女の子のために曲を書いたときの破壊力たるや!!

5年のキャリアで磨き上げた表現力で容赦なく
歌ってるのがプロの声優さんたちですよ…!!
アガらないわけが!! ない!!!

DIALOGUE+のお気に入り曲

「大冒険をよろしく」

(ミニアルバム「DREAMY-LOGUE」収録曲)
[作詞・作曲:田淵智也 / 編曲:堀江晶太、本間将人]

アニメとアイドルの両現場に30年いる私ですが、
すごいアニメは1期のOP曲が必ず名曲で、
そして素晴らしいアイドルはキャリアの初期に、
必ず代表曲がある!

それはいずれも、その思想性を担うものだから!!

DIALOGUE+の
「深刻ぶって辛そうな顔をしているやつには用がない」
といういま、どのアイドルよりも、湿っぽくない感じ、

大変なコトがあっても、
一人で仕事できるのが前提の声優さんという個人事業主たちの
生きてやるぜ!!という
自由さとわくわくが、この曲には充満しているのです!

プロフィール

吉田尚記(ヨシダヒサノリ)

1975年生まれ、ニッポン放送アナウンサー。2012年に「第49回ギャラクシー賞」DJパーソナリティ賞を受賞。現在は毎週日曜夜23:30から放送中の「ミューコミVR」を担当している。アニメ、マンガ、アイドルといったカルチャーに精通し、年間100本以上のアニメイベントの司会を務めている。2024年、東京大学大学院に合格。2025年春から大学院生になる予定。

プロデューサー田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)によるプレイリスト

とにかくいい音楽を心を込めて作っているので騙されたと思って聴いてほしい、という一心です。声優音楽は在りし日の黄金時代に比べると個性や魅力はなくなりました。他にも素晴らしいカルチャーが沢山出てきたので。それでも「声のいい人が一生懸命音楽をやるとかっこいい」という僕が青春時代に受けた感動を、飽きて音楽辞めるまで諦めずにやり続けようと思います。聴いて刺さらなかったらそれでいいんで、1秒でもいいから聴いて欲しいです。 DIALOGUE+という声優ユニットです。

DIALOGUE+ 公演情報

DIALOGUE+「チャンバワンバjourney!!」

  • 2024年10月13日(日)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
  • 2024年10月27日(日)宮城県 SENDAI GIGS
  • 2024年11月17日(日)神奈川県 KT Zepp Yokohama

プロフィール

DIALOGUE+(ダイアローグ)

2019年6月に結成された声優ユニット。メンバーは内山悠里菜、稗田寧々、守屋亨香、緒方佑奈、鷹村彩花、宮原颯希、飯塚麻結、村上まなつの8人からなる。音楽プロデュースは田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)が担当。グループ名は、会話やセリフを意味する英単語「Dialogue」から着想を得て付けられ、声優であることの強みを生かした楽曲を世に送り出したいという意味が込められている。2019年10月にデビューシングル「はじめてのかくめい!」、2020年4月に1stミニアルバム「DREAMY-LOGUE」、2021年9月に1stアルバム「DIALOGUE+1」を発表。2024年1月には神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールにてワンマンライブ「DIALOGUE+ LIVE 2024『LIFE is EASY?』」を開催し、9月に3rdアルバム「DIALOGUE+3」をリリースした。