デラックス×デラックス、沖縄からやって来た総体重540kg超え歌謡パフォーマンス集団 (3/3)

昭和歌謡を現代風に再構築

──“バンドとしてのこだわりを詰め込んだ感”で言うと、個人的には「一夜一夜に人見頃」にもそういうものを感じました。

サクラ あの曲はまさに出発点がそこで、「デラックス×デラックスの名刺みたいな曲を作ろう」というところから始まってるんです。だからベースソロ、ギターソロという流れも最初から入れる前提でしたし。

アサガオ ギターとベースのソロは、ダンスソロのパートでもあって。自分たちの持ち曲にダンスパートのあるものがなかったので、それを作ろうという意図もありましたね。カバー曲だと「ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)」があったんですけど。

サクラ それも勝手にダンスパートにしただけなんですけどね。そういうこともあって、「一夜一夜に~」はライブの定番ラストナンバーになっています。

アサガオ 歌メロの音域も広くてデラデラ史上最も難しい曲なんですけど、ライブの最後にやるからスタミナをそこまで残さなければいけないという(笑)。

サクラ あと、作曲者として推したい1曲は「抱かれてたいのよ」ですね。私としては昭和歌謡によくある「A→B→A」っていう構成が好きで……。

アサガオ サビらしいサビがない、みたいなね。

デラックス×デラックス

デラックス×デラックス

サクラ そういうものを作りたいと思って作り始めたものの、やっぱり今の曲として出すには明確なサビがあったほうがいいということでサビを足して。だから昭和歌謡を現代風に再構築したような曲になっているんです。それがすごくうまくできた手応えがあって……あとギターソロ前のアプローチとかもめちゃくちゃ古くて、「こんなソロの入り方するバンド、ほかにいないだろ」みたいな。

──確かにそうですね。キメがある時点で、今となってはだいぶ珍しいというか。

アサガオ キメの話で言うと、個人的には「イケズなやつさ」がすごく気に入っていて。私はタイポップがすごく好きなんですけど、この曲のデモをサクラちゃんが出してきてくれた瞬間に「これは後半からタイポップにしてくれ!」とワガママを言いまして(笑)。私の好きなインリーっていうタイのアーティストがけっこうキメキメの曲をやりがちなので、そのイメージで「インリーを超えるキメの数を詰め込みたい」とゴリ押ししました。だから後半へ行くにしたがってどんどんキメが……。

──あのアウトロ、ちょっとどうかしてますもんね。

アサガオ そう! そうなの! それを一番言われたかった(笑)。

一同 あははは。

アサガオ うれしい。私はこのキメの多さが面白すぎると思って、ライブでの振付もキメの1音1音にポージングを付けてやってるんですよ。そういうクレイジーな精神というか、「何かを壊そう」という私たちのマインドがあふれている1曲ですね。

最終目標はデラックスタウン

──さて、皆さんは今年2月に活動拠点を沖縄から東京へ移されました。東京での暮らしはいかがですか?

サクラ 快適。

アサガオ 沖縄より住みやすいなって。

──あ、本当ですか。

サクラ ルームシェア自体はもう5、6年やってますし。むしろ部屋数が増えて、マネージャーさんも含めた8人にちゃんと1部屋ずつ割り当てられている今のほうが快適ですね。前までは5部屋の家に7人で住んでいたこともあったから。

スズラン 逆に、1人部屋がちょっと寂しいもん。

サクラ 2人部屋の経験者はそうかもね(笑)。今は私の部屋が地下にあって、音を出し放題なんですよ。バンドマンにとっては一番うれしい環境。

アサガオ 週イチの配信もその部屋でやっています。

デラックス×デラックス

デラックス×デラックス

──じゃあ今後はもっとバンドの規模を大きくして、さらなる快適な暮らしを求めていきたい?

サクラ 1人1部屋を超えて、1人1世帯まで欲しいよね。8世帯のマンションとかに8人で住みたい。

スズラン デラックスマンション。

サクラ デラハからデラマンになって、最終的には1人1棟持ったりとかね。デラックス分譲地。

アサガオ デラックスタウンね。

サクラ これは自分だけかもしれないですけど、常にみんなが近くに住んでいてほしい気持ちがあるんですよ。今の距離感は保ったまま、規模を大きくしていけたらいいなと思いますね。

──住宅の規模を。

サクラ もちろんバンドの規模もですけど(笑)。両方が比例するように拡大させていきたいです。

──ありがとうございます。……すみません、今回はアルバムのインタビューということでバンドの皆さんにはたっぷりお話を伺ったんですけど、せっかくおいでいただいたSPお三方の発言がまったく誌面に載らないことになりそうで……。

シダ(SP)

シダ(SP)

ラシ(SP)

ラシ(SP)

コク(SP)

コク(SP)

シダ(SP) ああ、でもそのくらいの扱いで大丈夫です。

ラシ(SP) (無言でうなずく)

コク(SP) 「(笑)」くらい載ってればいいです。

一同 あははは。

デラックス×デラックス

デラックス×デラックス

ツアー情報

廻れ!!百花繚乱ツアー(追加公演)

  • 2023年6月3日(土)東京都 Spotify O-Crest
  • 2023年6月11日(日)北海道 Crazy Monkey
  • 2023年6月18日(日)神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
  • 2023年6月23日(金)沖縄県 桜坂セントラル
  • 2023年7月16日(日)埼玉県 西川口Hearts
  • 2023年7月22日(土)宮城県 enn 2nd
  • 2023年7月29日(土)京都府 磔磔
  • 2023年7月30日(日)静岡県 Sunash
  • 2023年8月20日(日)愛知県 CLUB 3STAR IMAIKE
  • 2023年8月27日(日)千葉県 柏ThumbUp
  • 2023年9月2日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
  • 2023年9月16日(土)福島県 Live Space C-moon
  • 2023年9月17日(日)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
  • 2023年10月6日(金)愛知県 ell.SIZE
  • 2023年10月8日(日)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
  • 2023年10月21日(土)石川県 Kanazawa AZ
  • 2023年10月22日(日)富山県 Soul Power

プロフィール

デラックス×デラックス

アサガオ(Vo)、スイレン(G)、スズラン(B)、サクラ(Dr)のバンドメンバー、コク、シダ、ラシの“SP”なるパフォーマーで構成された沖縄発の歌謡パフォーマンスグループ。バンドメンバーの総体重は540kgを超える。2016年に初ライブを行い、沖縄県内外のイベントに出演。2019年に1stシングル「飼いならされたいの」を発表し、沖縄の音楽フェス「PEACEFULL LOVE ROCK FESTIVAL」のオーディションライブでグランプリを獲得する。同年10月に1stミニアルバム「女を月に例えるなんてハレンチね。」を発表。「飼いならされたいの」が日本テレビ系「バズリズム02」で紹介され、話題になった。2020年はコロナ禍の影響を受けつつも、ほぼ毎月ワンマンライブを行うなど精力的に活動。2022年12月に沖縄市にあるミュージックタウン音市場でデラデラ史上最大規模のワンマンライブを成功させた。2023年2月に拠点を東京に移し、3月から全国ツアー「白花繚乱ツアー」を開催。6月に1stフルアルバム「千紫万紅」を発表する。